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ロシア国防次官を収賄容疑で拘束 国防相の側近

2024-04-24 18:29:55 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


  会議に参加するロシアのショイグ国防相(2日、モスクワ)=ロイター

 

ロシア連邦捜査委員会は23日、収賄容疑でイワノフ国防次官を拘束したと公表した。
ウクライナ侵略が長期化するなか、汚職対策を急ぐ狙いがあるとみられる。

ペスコフ大統領報道官は、プーチン大統領は拘束について報告を受けたと述べた。
ショイグ国防相にも事前に通知された。インタファクス通信が伝えた。

 

イワノフ氏は2016年に国防次官に就任し、官舎など軍関連の建設全般を統括していた。独立系メディアによると、ウクライナから占領した東部ドネツク州で破壊された都市の復興も担っていた。

イワノフ氏はショイグ氏がモスクワ州知事だった12年、同州でショイグ氏に仕えた。ショイグ氏の側近の一人とされ、国防省の人事に影響を与える可能性もある。

 

プーチン氏は大統領として通算5期目の任期が始まる5月、内閣の改造に踏み切る。

ロシア版「フォーブス」電子版は、「イワノフ氏の拘束はショイグ氏の国防相交代の前触れとなる可能性がある」との見方を伝えた。

 

ショイグ氏は、民間軍事会社ワグネルの創設者だったプリゴジン氏との対立で影響力の低下が指摘された。

ただ、政治評論家のタチアナ・スタロバヤ氏は通信アプリの「テレグラム」において、「(ワグネルの解体を経て)ショイグ氏は過去半年で政権内で立場を再び強めており、軍事情報のやり取りでプーチン氏と密接な関係が目立つ」と分析する。

 
 
ウクライナ侵略

ウクライナ侵略

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戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。

 

 

日経記事2024.04.24より引用

 

 

 


英、国防費をGDP比2.5%に増額 「30年まで」時期初明示

2024-04-24 18:23:50 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


スナク英首相は国防費の増額を表明した(23日、ワルシャワ)=ロイター

 

【ロンドン=江渕智弘】英国のスナク首相は23日、国内総生産(GDP)に対する国防費の比率を現在の2.3%から2030年までに2.5%に高めると表明した。

「欧州の安全保障の転換期だ」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する欧州諸国にも積み増しを呼びかけた。

 

ポーランドの首都ワルシャワで演説した。英国の24年の国防費はウクライナ支援を含めGDPの2.3%の見通し。2.5%にする目標は従来掲げていたが、時期の明示は初めて。

30年の国防費を870億ポンド(約16兆7000億円)まで増額するという。「負債を増やさずにまかなう」と説明した。

 

NATO加盟国はGDPの2%以上を国防費に充てる共通の目標がある。23年に達成した国は英国など全体の3分の1にとどまったとみられる。

スナク氏は「2.5%がNATOの新基準になれば加盟国の国防費は合計1400億ポンド以上増える」と指摘した。

 

英国では増額を武器や弾薬の生産のほか研究開発に充てる。BAEシステムズやロールス・ロイスなど防衛産業の生産能力の増強に今後10年で100億ポンド以上を追加で投じる。

「長期の資金の確実性を与え、防衛産業を戦える状態にする」と訴えた。

 

企業に民間投資を呼び込むため「防衛分野がESG(環境・社会・企業統治)の評価でプラスだと明確にする」とも語った。

殺傷兵器を扱う企業はESGの観点で投資が入りにくかった面があるが、スナク氏は「生活を守ることは倫理的だ」と強調した。

 

ウクライナへの支援は年30億ポンドに積み増す。そのうえで「ウクライナが必要とするかぎり最低でもこの水準の支援を続ける」と約束した。

 

 

 
 
 
 
ウクライナ侵略

ウクライナ侵略

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戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
 
 
 
 
日経記事2024.04.24より引用
 
 
 

仏、武器輸出こそ国防の命綱 マクロン氏トップセールス 欧州安保「大転換」の現場②

2024-04-24 16:08:01 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


マクロン大統領は武器輸出を最優先する姿勢をみせている=ロイター

 

フランスのマクロン大統領が、戦闘機などの武器のトップセールスに奔走している。有事に対応するには、普段から自国の防衛産業の生産能力を高めておくことが欠かせない。

武器輸出で需要を安定させ、企業が積極的に生産増強に取り組めるようにする。武器輸出なしに国防は成り立たないという割り切りが背景にある。

 

 

ウクライナに弾薬、約束の半分

「戦時経済が戻ってきた」。マクロン氏は4月、仏企業ユーレンコが南西部ベルジュラックに建設する火薬工場の起工式でこう宣言した。

第1次世界大戦などの総動員体制を指す表現を、ウクライナ侵略以来マクロン氏はしばしば口にする。

 

ウクライナの危機をきっかけに、欧州の武器の圧倒的な供給不足が明らかになった。

欧州連合(EU)はウクライナに3月末までに100万発の弾薬を提供すると表明していたが、実際に届けられたのは半分程度にとどまった。

 

仏政府は企業に生産能力を上積みするよう発破をかける。

独ラインメタルのパッパーガー最高経営責任者(CEO)は将来的な弾薬生産能力について「米国は年間100万発、欧州は200万から300万発になる」と予想しており、こうした需要を仏企業が取り込めるようにする狙いだ。

 

それでも多くの防衛企業は、巨額の投資が必要な生産ラインの拡大に慎重な姿勢を崩さない。投資の回収には10年単位の時間がかかるが、長期にわたって売り上げが確保できるか不透明であるという事情もある。

 

武器輸出、インドに攻勢

このため、仏政府は外交力をテコに世界各地への輸出を拡大することで、防衛企業に生産を促す戦略を描く。「我々のパートナーシップはもっと拡充できる。防衛産業とともに取り組もう」。

1月末、マクロン氏は北大西洋条約機構(NATO)加盟を目前にしたスウェーデンを公式訪問し、クリステション首相らにこう呼びかけた。

 

訪問にはルコルニュ国防相や欧州ミサイル大手MBDAのベランジェCEOが同行した。両国はスウェーデンによるフランスの防空システム購入で合意したほか、MBDAとスウェーデンの防衛大手サーブの協力強化も決まった。

新興国へのセールスにも注力する。マクロン氏はモディ首相を23年の仏革命記念日に招き、蜜月関係を強調。F18戦闘機を提案していた米国に競り勝ち、仏戦闘機ラファール26機の受注に成功した。現在、インドは仏製武器の最大の輸出先になっている。

 

フランスは世界2位の武器輸出国

ロシアによるウクライナ侵略を機に、世界の武器貿易の勢力図に大きな変化が起きている。
 
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると2019年から23年の5年間で、フランスからの武器の輸出(生産コストベース)は前の5年比で47%も増加。同53%減ったロシアに代わって2位に浮上した。
 
 
 
 
構図の変化が顕著なのが、世界一の武器輸入国であるインドとの関係だ。ロシアは今でもインドへの主要な武器供給国だが、存在感は大幅に低下している。09~13年には各国の対インド輸出のうち76%をロシアが占めたが直近では36%に減った。
インドは西側諸国との関係維持や経済制裁を受けるロシアの生産能力に対する不安などを踏まえ、武器の調達先を米欧へとシフトさせているようだ。こうした機会を捉えてフランスが戦闘機販売でインドに攻勢をかけている。
米国は世界における武器輸出シェアが42%と、不動の首位だ。輸出先は107カ国にわたり、サウジアラビア、日本、カタールが主要な顧客だ。

フランスの武器輸出額は年々、拡大している。SIPRIによるとフランスの防衛支出は22年に世界で8位だが、19年から23年の5年間の武器の輸出額はロシアを上回り、世界で2位に浮上した。

 

 

スイスは武器輸出にブレーキ

ロシアのウクライナ侵略は世界の兵器需要を増大させたが、逆に輸出にブレーキがかかっている国もある。

フランスと同様に武器輸出に積極的なスイスの23年の輸出額は前年比で27%も減った。

 

カタールからの大型受注という22年の特殊要因がはげ落ちた影響もあるが、それだけではない。

「需要が増えているのに輸出がマイナスなのは輸出規制のせいだ」と軍事産業のロビイストを務めるマティアス・ゾラー氏は嘆く。

 

スイスは中立を守るため紛争国への武器輸出を禁じている。

スイスから武器を買った国が第三国に再輸出するのも禁止だ。平和時にはさほど問題にならなかったが、スイス製兵器を買ってきた各国はウクライナ戦争によりこうした規制を大きなリスクと見なし始めた。

 

スイス議会では規制の緩和も議論されているが、結論が出る見通しはない。強い防衛力を前提とする永世中立という国是が、兵器の生産力の足かせとなるジレンマに直面している。

(パリ=北松円香)

【欧州安保「大転換」の現場】

 

 

 

日経記事2024.04.24より引用

 

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吉田徹のアバター
吉田徹同志社大学政策学部 教授
 
ひとこと解説

武器、そして公共インフラの輸出を重視するのは、政権問わずフランスの一環した姿勢だ。最近でも、撤回はされたが豪州への原子力潜水艦、ロシアへの揚陸艦の供給など、旺盛だ。

ラグジュアリーブランドとともに、世界市場で比較優位を持っているためだが、他方で欧米とは異なる武器システムを維持することで、戦略上の自立性、すなわち外交の自由度を高めることができるという国是がその判断を支えている。

これからの最大の成長産業のひとつと言われる武器産業の重要な一角をフランスが占めることは間違いない。

 
 
 

欧州の脱炭素、削減目標や手段で「現実路線」模索

2024-04-24 15:52:36 | 環境・エネルギー、資源


      ドイツは再生可能エネルギーの導入を急ぐ=AP

 

欧州で脱炭素計画の「調整」が起きている。欧州委員会が2月に欧州議会などに提示した、2040年に1990年比で温暖化ガス排出を90%減らす目標は、日本で驚きをもって受け止められた。

しかし、これは欧州気候法に基づく組織「気候変動に関する欧州科学諮問委員会」が求めた「90〜95%減」の下限にすぎない。

 

欧州委の案では農業分野におけるメタンガスの排出削減目標の設定も見送った。一方、域内に慎重意見も多い原子力発電について、小型炉の開発を急ぐ方針を鮮明にした。

欧州連合(EU)では欧州議会選挙を6月に控える。脱炭素がエネルギーや食料価格の高騰、雇用の不安定化など人々の生活に悪影響を及ぼすとの懸念が広がれば、極右の勢力拡大も招きかねない。

 

このため、温暖化ガス削減の目標や手段を理想一辺倒ではなく、ある程度柔軟に設定している。現実路線を模索した結果とも言える。

駐日EU代表部のジャンエリック・パケ大使は「(排出の大幅削減は)困難を伴う政策であり、議論が巻き起こるのは当然だ」と指摘する。

 

最初に思い切って高い目標を示し、幅広く議論しつつ具体的な実行計画を詰めていくのはEUにおける政策遂行の定石でもある。

ただし、その過程で温暖化ガス削減の国際枠組み「パリ協定」に沿った長期的な削減目標はぶれない。官民あげての脱炭素ビジネスの拡大や技術開発も活発で、脱炭素機運がしぼんでいくとみるのは早計だ。むしろ、今後の加速も想定して欧州勢との付き合い方を考えた方がよい。

 

排出削減、1000超の道筋検討

2040年の削減目標は、あてずっぽうに出てきたわけではない。ポツダム気候影響研究所の所長でもある欧州科学諮問委員会のオットマー・エデンホーファー委員は「科学に基づき1000を超える道筋を評価した結果、パリ協定の目標に合致し、公正さと実現性を両立できる数値として90〜95%減に行き着いた」と説明する。

50年に温暖化ガス排出を実質ゼロにするには他の道筋はなく、意義は広く共有されているという。

 

パケ大使は欧州議会選までにいろいろな意見が出ようとも、「進むべき道筋、方向性を変えようということにはならない」と釘を刺す。

政府、産業界のいずれにとっても脱炭素化への道は「負担ではなく、むしろ経済成長、産業競争力向上、雇用拡大の好機になる」と強調する。

 

それを裏付けるように、2月下旬に東京ビッグサイト(東京・江東)で開いたエネルギー関連の展示会には欧州諸国から投資促進を担う官庁、エネルギー関連産業の関係者などが大挙して参加した。

化石燃料から再生可能エネルギーなどへの転換が遅れ気味の日本で、これから事業拡大のチャンスがあると考えたからだ。

 

再生エネ事業など、商機見いだす

20社近くが出展したオランダもその一つだ。

同国大使館のカロリーン・ヴァン・ティルバーグ上席商務官は「石油・ガス採掘で経験を積んだ企業が洋上風力発電事業に乗り出し、日本でも開発プロジェクトを担おうとしている」と胸を張る。

 


東京ビッグサイトで開いた展示会には欧州勢が多数参加した(2月28日、オランダのブース)

 

2023年の2倍の出展スペースを確保したドイツは、ヒートポンプや水素エネルギー関連の出展が目立った。

ドイツ貿易・投資振興機関の幹部は「(ロシアのウクライナ侵略に端を発した)エネルギー危機の解決に時間がかかり、エネルギー転換は容易ではない」としつつも、化石燃料からの脱却は着実に進むとみる。

 

日本が石炭火力発電への依存を続けることへの批判は根強い。水素やアンモニア混焼による脱炭素には冷ややかな視線も注がれる一方で、欧州のエネルギー転換プロジェクトには日本企業も加わってほしいと、多くの関係者が口をそろえる。

脱炭素のハードルが特に高いとみられるのが農業だ。なかでも牛のゲップなどに多く含まれ、強い温暖化効果をもつメタンガスの削減は容易ではない。

 

途中段階で一部報道された欧州委の目標原案には、メタンを30年までに15年比で40%減らすと記載してあったという。

EUは米国とともに、21年の第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、30年までにメタンの排出を20年に比べ30%減らすとする「グローバル・メタン・プレッジ」を提唱し、155カ国以上が賛同している。

 

欧州委が打ち出そうとしたメタンの削減目標は、これを踏まえたものだ。しかし農畜産大国フランスなどは農家の政治的な影響力が非常に大きい。

重い負担をもたらしかねない脱炭素政策に反対する大規模なデモも起き、最終案でメタンの削減目標は消えた。

 

それでも、エデンホーファー氏は「将来の農業や食料問題をめぐり対話が始まったのはよいことだ」と評価する。

排出したメタンなどの温暖化ガスに価格付けし、生産コストや製品価格に反映させる仕組みを導入する案も出ている。農地による温暖化ガスの吸収効果をどう評価するかについても、あわせて検討が進む。

 

米国の世界資源研究所(WRI)は、メタン削減策がEUの次期共通農業政策(28〜32年)にどう盛り込まれるかが重要だとみる。

具体策はそれまでに、ある程度時間をかけて検討することになりそうだ。メタンを出しにくい飼料、水田管理法など、日本の技術やノウハウが注目される可能性もある。

 

原子力重視、日本の技術に期待も

もう一つ、欧州の脱炭素政策で鮮明になってきたのが原子力発電を重視する流れだ。「ここまで言うとは」。

国際原子力機関(IAEA)とベルギー政府が3月、ブリュッセルで各国の首脳級を集めて開いた原子力エネルギー・サミットでフォンデアライエン欧州委員長が語った内容に、原発を推進する英国の政府関係者は驚きを覚えた。

 


原子力エネルギー・サミットにのぞんだIAEAのグロッシ事務局長(右)ら(3月21日、ブリュッセル)=ロイター

 

フォンデアライエン氏は「原子力技術はクリーンエネルギーへの移行で重要な役割を果たす」として、積極投資や運転期間の延長、小型モジュール炉(SMR)の開発を促した。

安全性確保が前提だとし、建設計画の遅れや膨れあがるコストの問題にも言及はしたが、原発の活用支持へこれまでよりも大きく踏み込んだのは確かだ。

 

欧州には原発の全廃に踏み切ったドイツなど、原子力の利用に慎重な国もある。しかし、気候変動対策の緊急性からEU全体としては現実的な選択と考えざるを得なくなった。

原子炉本体や周辺機器で高い技術力をもち、サプライチェーンもある程度維持してきた日本との協力に対する期待は高い。

 

日本の産業界や政府の一部には、EUの脱炭素計画に対し「どうせ難航するだろう」という冷ややかな見方もある。

軌道修正の動きには「それ見たことか」という声も出る。しかし、多少の混乱はあっても時間をかけて議論し、成長分野への投資を促しながら、ぶれずに前へ進む姿勢は見習うべき点も多い。

EUが長期的に向かう先を見誤ることなく、日欧双方に恩恵をもたらす上手な連携を探ることが大切だ。

 

 

 


自治体4割「消滅可能性」、30年で女性半減 人口戦略会議

2024-04-24 15:35:15 | 日本・天皇・神道・文化・思想・地理・歴史・伝承

民間有識者でつくる「人口戦略会議」は24日、全国の市区町村のうち4割超にあたる744自治体が「消滅する可能性がある」との報告書を発表した。

子どもを産む中心世代である20〜39歳の女性人口が2050年に半減し、人口減少に歯止めがかからないと指摘した。国や自治体の対策が急務だと警鐘を鳴らした。

 

 

報告書は国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計を基に、1729自治体を大きく4分類した。

20〜39歳の若年女性人口が20年から50年までの30年間で半減する市区町村を「消滅可能性自治体」と定義した。

 

消滅可能性自治体に該当しない自治体でも、出生率が低く他地域からの人口流入に依存している地域を「ブラックホール型自治体」、100年後も若年女性が5割近く残る場合を「自立持続可能性自治体」と分類した。

それ以外は「その他の自治体」とした。

 

ブラックホール型は東京23区のうちの16区など25自治体が該当した。

自立持続可能性自治体は65自治体で全自治体の4%に満たなかった。その他自治体は895あり、そのほとんどで若年女性人口の減少が見込まれる。

 

 

地域別にみると東北は「消滅可能性自治体」が165にのぼり、数も割合も最多だった。一方、大都市では東京都区部や大阪市、京都市が「ブラックホール型」となった。

人口戦略会議で副議長を務める増田寛也元総務相は記者会見で「都市部は外国人や地方から人が流入し、見かけ上は数字が減らないので危機感が広がっていない」と指摘した。

 

 

増田氏が座長を務めた別の民間団体「日本創成会議」は14年、同様の定義で40年に若年女性人口が半減する896自治体を「消滅可能性」があると位置づける推計を発表した。

今回の報告書で744に減ったものの、外国人の増加による影響で「少子化の基調は変わっていない」と説明した。

 

総務省の人口推計によると、23年10月の日本人の人口は前年から83万7000人減り、比較可能な1950年以降で最大の落ち込みだった。

その一方で外国人の人口は前年比24万3000人増の315万9000人と最多を更新した。

 

10年前の報告書で「消滅可能性」を指摘された自治体のうち239自治体は今回、脱却した。

増田氏は「若年人口を近隣自治体間で奪い合うかのような状況もみられる」と述べ、日本全体の人口減少基調を変える取り組みが必要だと訴えた。

 

出生率は低下の一途をたどっている。厚生労働省によると1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は2022年に過去最低の1.26を記録した。

7年連続で低下した。社人研は人口を維持するためには2.07程度を保つ必要があるとみる。

 

人口減少が進めば自治体のサービス水準や地域インフラの維持に懸念が強まる。

人口戦略会議は1月、2100年に人口を8000万人台で安定させるよう求める提言を発表した。

生産性の低い産業や地域の構造改革を進め、人口が減っても2050〜2100年に年率0.9%程度の実質国内総生産(GDP)成長率の維持を目標に掲げた。

そのためには出生率を40年ごろまでに1.6、50年ごろまでに1.8へ引き上げ、60年までに2.07にする必要があることなどを盛り込んだ。

 

人口戦略会議は日本製鉄の三村明夫名誉会長が議長を務め、経済界や学者などで構成する。

増田氏は「人口流出という社会減対策だけでなく、出生率という自然減対策に力を入れる必要がある」と強調した。

 

人口戦略会議が発表した1729自治体の分析結果リストはこちら
https://www.hit-north.or.jp/information/2024/04/24/2171/
 
 
 
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