ブロードコムはAI需要の高まりで株価が急伸している(米カリフォルニア州のオフィス)=ロイター
【シリコンバレー=清水孝輔】
米半導体大手ブロードコムの時価総額が13日、1兆ドル(約150兆円)を突破した。株価は前日終値に比べ約24%上昇した。
12日時点で1兆ドルを超える米企業はアップルなど7社に限られる。2024年10月期通期の人工知能(AI)向け売上高が前の期に比べ3.2倍に増え、米エヌビディアに次ぐAI銘柄として成長期待が高まっている。
- 【関連記事】AI半導体の新スター NVIDIAと戦えるか
ブロードコムが12日発表した24年10月期の通期決算は、売上高が前の期比44%増の515億7400万ドルだった。AI関連の売上高は24年10月期に122億ドルと前の期比で約3.2倍に増えた。半導体全体の売上高の約4割を占めた。
ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は12日、新たにハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)2社がブロードコム製の採用を決めたと明らかにした。27年にかけてAI向けが業績拡大のけん引役になるという見方を示した。
ブロードコムは通信向け半導体に強みを持つ。生成AI需要の高まりを受け、足元ではデータセンター向けAI半導体に力を入れる。
エヌビディアが汎用型の画像処理半導体(GPU)を展開する一方、ブロードコムは顧客の特定の用途に適した製品を手がける。
QUICK・ファクトセットによると、米S&P500種株価指数の採用銘柄で時価総額が1兆ドルを超えているのはアップル、エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、メタ、テスラの7社(12日時点)だ。
半導体業界の時価総額ではエヌビディアが首位を保っている。ブロードコムの時価総額は米企業として2位で、米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の約5倍、米インテルの10倍以上の規模まで膨らんでいる。
パソコンやスマホの半導体や、電気自動車(EV)に使われるパワー半導体とは。TSMCやラピダス、キオクシアなどのメーカーの動向や供給不足、シェア推移など関連業界や市場の最新ニュース・解説をタイムリーに発信します。
続きを読む
【関連記事】
日経記事2024.12.14より引用