セミコン・ジャパンで講演するSEMIのシャリ・リス・バイスプレジデント
(12日、東京都江東区)
半導体の国際団体SEMIで人材開発を担当するシャリ・リス・バイスプレジデントは12日、2030年までに半導体業界で150万人の新規労働者が追加で必要になるとの見通しを示した。
業界の人材の高齢化が進み、女性を含めた若手の育成が急務になると強調した。
リス氏は東京ビッグサイト(東京・江東)で開催中の半導体の国際展示会「セミコン・ジャパン」に登壇し、SEMIの人材育成策をテーマに講演した。
半導体工場がどれだけ新規に建設されるかなど見通せない部分もあるとしつつ、米国では約35万人、日本で約14万人が追加で必要になるとした。工場労働者や電気や機械、化学分野のエンジニアなどが不足しているとした。
リス氏は「世界で業界の平均年齢は50代後半で女性の割合は20%に満たない」と指摘。
SEMIとして動画配信による業界の認知の拡大や教育プログラムの提供などに力を入れていると説明した。
セミコン・ジャパンで講演する最先端半導体技術センター(LSTC)の東哲郎理事長
(12日、東京都江東区)
日本は半導体市場のシェアが過去に比べて大きく低下した。先端分野に携わる人材が不足する問題に直面している。
最先端半導体の量産を目指すラピダスや東大などが参画する研究機関「最先端半導体技術センター(LSTC)」の東哲郎理事長(ラピダス会長)も登壇し、「国際的な連携を強化して人材育成に取り組む」と強調した。
LSTCは先端技術をもつ人工知能(AI)半導体の米新興テンストレントに日本の技術者を派遣し、半導体設計のノウハウを学ばせる取り組みなどを推進している。
東氏は「(回路線幅が)2ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体を単発でやればいいのではなく、今後、1ナノメートル台の開発のためにも人材育成をしなければいけない」と述べた。
先端分野に対応した人材の育成には政府の後押しも不可欠となる。文部科学省の清浦隆審議官も登壇し、「(半導体業界は)一人の天才や一つの発明でイノベーションが引き起こされるのとは違う。
多くの人数を擁するチームで協調しながら仕事をやり遂げられる人材が必要になる」との問題意識を示した。
文章や画像を自動作成する生成AIに注目が高まっています。ChatGPTなど対話型AIやMidjourneyなど画像生成AIがあります。
急速な拡大を背景に、国際的な規制や著作権に関わるルールなどの策定が急がれています。
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日経記事2024.12.12より引用