Risa’s 音楽雑記

ピアニスト 山形リサのブログです。
音楽の話を中心に、日常の出来事などを気ままに綴っています。

文京区小石川ピアノレッスン(ピアノと電子ピアノ)

2016-11-01 13:40:16 | ピアノスタジオ
さて、チェンバロとピアノの話から思い出したことがあったので、軽くお話を。


もうずっとある話なのですが、ピアノを習うにあたって、生徒さんから楽器の相談をされることがあります。

ピアノと電子ピアノ

どうしたらいいでしょう。


う〜〜ん。
なんとお答えすべきか…。
私も現代人ですから、都会の事情、子供達の現実をわかっています。

古いピアノがご実家にある、いただいた電子ピアノがある、まだ何もありません、など、ご事情はそれぞれ。


私は音楽家なので…
聞かれたことに嘘をつくわけにはいきませんから、どちらがいいかと聞かれれば、それはピアノです、と答えています。

でも、マンションの規約などご相談いただいても、私にはどうすることもできないので、それははっきりとご家庭でお決めになることだと思います。



まず、電子ピアノはアコースティック楽器ではありません。


お習字を習いに行くのに、筆ペンで通っているようなもの、といえばわかりやすいでしょうか。


ピアノと電子ピアノではそのくらいの差があります。


もちろん電子ピアノで勉強をすることはできます。
頑張れば頑張った分、成長もします。
ただ、本物のピアノで練習している子よりも、ロスがあるということを知っておかないといけません。


音楽は楽しいですし、頑張ったらどんどん曲を弾けるようにもなるので、ふとある時、保護者の方から


コンクールに出させてみたいです。

音楽大学に行かせてもいいかと思ってきました。


または、


◯◯さんと比べて、うちの子には音楽の才能がないんじゃないでしょうか。


などと、相談されることがあります。


ご家庭では、我が子の成長しかみることができません。

でも、これって、ふだんはビニールボールでサッカーを練習しているけれど、試合では本物のボールを蹴って成果を出させなければいけない、という話と同じなんです。

ピアノ指導歴も20年を過ぎてきますと、その差は明らかで、どちらでも大丈夫、しっかりやれば同じですよ、とは言えないのです。

子供達も、大人が思っているより早い段階で、やっぱりピアノがいいな〜と言ってくるようになります。



では、ピアノを使っている子の方が、簡単に上手になるのか?というと、これまたそういうことではありません。



正確なテクニックで、難易度の高い曲を弾けるようになることと、ピアノという楽器で豊かな音を鳴らすこと、耳を養うことは、似て非なる問題だからです。


難しいですよね(笑)


私はピアニストですが、キーボードやシンセサイザーは弾けません。
鍵盤の幅が違うのでミスタッチが増えますし、打鍵の音がガタガタとうるさく響いてしまいます。
チェンバロでの演奏依頼も、当然、お断りします。
弾けないので(笑)
オルガンも同じです。
電子ピアノの場合は、2、3日前から自宅にある電子ピアノで練習してから会場に向かいます。
普段のタッチでは、音が鳴らなかったり、ムラがでてしまうので、その調整をします。

演奏会をしたいけど、会場にピアノがないと相談されれば、この電子ピアノを分解して自ら運ぶこともあります。
ピアノじゃないので弾きません、などという野暮な考えは持っていません。
音楽が好きですから

せっかくピアノを弾きたいと思っている子達には、やっぱり音楽を好きになってもらいたい。

私のピアノ教室では、そこの部分を一番大切にしています。

ピアノを習うときには、目先の問題にあたふたせず、他者と比較するのではなく、本人の個性を大切に長い目で見守ってあげてください。

10年をめどに考えましょう。