魔法が解けたそのあとで

結婚、出産、育児、介護、お仕事。来た球を打ち返す、毎日のつれづれをつづりました。

最後の恋。

2009-01-24 12:34:47 | ママになれるかな編
わたしは、彼にメールを書いた。
最後のメール。
思ったことを、なるべく長くならないように、何度も考えて書き直して。

当時、やりとりしたメールは、ソフトがおかしくなってもう読めなくなってしまったので、わたしの手元にはない。
でも、彼はそのメールをずっと取ってあって、保存していた。
結婚する前、再会した時に、それをたまに見返していたと言っていた。
そしてプリントアウトして見せてくれた。
26の時のわたしのメール。
それは思い遣りが感じられるものだった。

別れを告げられた時、わたしはとても苦しんでいた。
考えたら、「振られたのは初めて」だった。
彼のことを思わない日は一日だってなかった。

「なんで?」
「どうして?」
「何が悪かったんだろう?」
ずっと考えていた

あんな風に、人を好きになることはもうないだろう。
それははっきり分かった。
わたしの、無邪気な女学生のような恋。
本当に、最後の恋にしたかった。
知らない相手に対して、ああいう気持ちで人を見つめることはないだろう。
あの人以上の人はいないし、手に入れたいと思う人はきっといない。
もっと人間的に付き合いたかった。
魂のかたちを見たかった。
もっと生っぽい彼を。

鏡のなかにいる彼を、本物に触れたと思った瞬間、もっと遠いところに行ってしまったように感じた。

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メール

2009-01-24 12:07:07 | ママになれるかな編
先週、夫と一緒に「007 慰めの報酬」の先行上映を観に行ってきました。
007最新作。
夫は007が大好きで、前作「カジノ・ロワイヤル」からずっと新作を楽しみにいていました
前売り券を4枚も購入し(何回観るつもり?)サイトを観て気分を盛り上げてきてました。サントラも購入し、毎朝出勤前に聴いてるし・・・。
夫が007が好きなことは、結婚してから知りました。
わたしたちが結婚するまで映画を一緒に観ることなんてなかった。
初めて一緒に観た映画は、姪のお供で「崖の上のポニョ」かな・・・
「映画も観に行こう」といった彼の約束は、結婚してからやっと果たされました


結局、電話にも出てくれず、メールをしても返信がなく。
1週間以上たったある日の夜、PCを立ち上げたところ、やっと彼からのメールが来た。
そのタイトルは・・・別れを示唆するものだった。

内容は
「前付き合っていた人と比べてしまう」
「いろいろ行った場所や店も、以前その人と一緒に行った所だった」
「この間、別れてから真剣に考えた」
「他の人と付き合ったほうがいい」
「今までありがとう!」(←このマーク!)
「君の幸福を心より祈っている」

今までくれた心のこもったメールから比べると、別の人からのような上滑りしたよそよそしいメールだった。
そして完全に「否定」だと感じた。

わたしのこと、見てはくれなかったんだなあ・・・。
そう思った。

そして初めて、わたしは分かった。

初めて会ったときから、彼のことが好きだった。

そしてそれをちゃんと伝えてなかった、ということに。

「あなたと会った時、こんな人がいるんだ、と思った。
 あなたは素晴らしい人だと思う。」
それもちゃんと言えなかった。

ちゃんと、顔を見て、目を見て、言えばよかった。
その結果、もう二度と会えなくなるとしても。
楽しいことだけでいいや、と思って先延ばししていた。
「好き」とちゃんと伝えてなければ、傷つくのも少しで済む。
そんな風に考えていた臆病者だ。

後悔した。
でももう遅かった。

扉は、閉ざされてしまった。

もう会えないのだ。

「この土地を出ようかな」
そう思った。
「死んだって聞いたら、どう思うかな」
とも。

あの人でなければ、意味がないのだ。
でも、もう会えないのだ。

わたしは、呆然としてメールを読み返していた。
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