「お母さん、ちょっとりお預かってくれる?」
母に娘をお願いしに実家に行った。
父は目を細めて娘を抱き取ってくれる。
「ちょっと用事したらすぐ帰ってくるから」
そう言いながら和室を出て行く。
母も笑って送り出してくれる。
ああ、助かる・・・。
そんな夢を見ました。
「自分の実家が近くにある」という夢。
起きてから、ああ、こんな感じなんだ、安心して、あったかくて、ひとりじゃないって思える感じ。
起きてから不覚にも涙が出てしまった。
訳あって、母はわたしとは接触しないようにしています。
わたしから電話しても、出ない。
それでも8月の家出の際は、心配して「りおちゃん連れてそのまま新幹線乗って来なさい」と言ってくれた。
先日の誕生日の日に、「返信不要」のメールがきた。
「あなたが子育てしている姿を、翼があれば飛んで見に行きたい」
と。
夫は「何言ってんだ」と鼻で笑ってましたが。大袈裟なって。
両親とは、弟の赤ちゃんが産まれた2月に会ったきりだ。
実家には子供が生まれてから帰っていない。
りおがおじいちゃんとおばあちゃんに会ったのは産まれた時とあわせて3回。
そういう環境を選んで、母の反対する結婚をしたのはわたしだから、愚痴にしかならないけど。
本当に、わたしは分かっていなかった。
たくさんのものを捨てて、その大切さも本当に分からず、ここにきた。
「親の近くがいい」というのは分かっていたけど。
姉は姪が四ヶ月からわたしがそばに転居・転職してそばにいた。
でもわたしには誰もいない。
愚痴だけど、実家が近い人が本当にうらやましい。
実家に帰れる人がうらやましい。
結婚が遅いと、両親も高齢になっているから、早い方がいいなんてだれも教えてくれなかった。
よく考えれば分かったことなのに、そう、わたしが甘かったのだ。
でも全部自分のせい。
自分のしてきたことなのだ。
それでもやっぱり時々涙が出てくることがある。
39歳。
わたしは今までなにをやってきたのかな。
「あの時に戻ってやり直したい」
と思うことはたくさんある。
でも後戻りは出来ない。タイムマシンはないのだ。