魔法が解けたそのあとで

結婚、出産、育児、介護、お仕事。来た球を打ち返す、毎日のつれづれをつづりました。

「平清盛」最終回

2013-01-08 12:23:40 | 本・映画・テレビのこと

「平清盛」が終わりました

私、子供の頃は別として、毎回観たのって初めてかもしれません。

途中の清盛の中二病が長くて(でもそれもあとから回収する伏線がハンパないのですが)飽きてしまった時もあったんですがそれでも観ていたら、後半、もう目が離せなくて、早盛、本盛、再盛と3回も観てましたよ

「画面が汚い」と某知事?からクレームが来て注目されましたが、わたしは以前の「龍馬」の方がコンスターチの量はすごかったし、弥太郎の小汚さは「これ、よく香川照之さんOKしたなあ」というカッコウでしたし

たしかに「八重の桜」の初回が放送され、美しい会津の風景を観ると「綺麗だなあ」とは思いますが。

出演者のお衣裳やセットは素晴らしいものでした

坂東玉三郎さんが「途中から機会織の衣裳が出てきたが」とご自身のHPで書かれておられましたが、それまでは手織りだったということなんですよね。

鳥羽院、崇徳院、すごかったです。前半さらってきました

天皇家のドロドロ・・・現在の天皇家からはまったく考えられないですわ~。その前からずっと続いてるのね、天皇家ってすごい

中世はあまり詳しくなくて、平安末期から鎌倉、源氏が殺しあって滅亡するあたりなんて「なんで?」と、歴史的な事象は知ってはいてもわからなかった時代でした。

なぜ貴族から武士の世に移行していったのか。

初回オープニングで頼朝が「平清盛なくては武士の世はなかった」という、よく分からない言葉が、一年かかってやっと分かりました。

もののけ、と言われた白川上皇の落胤と言われた清盛が、武士の忠盛の息子として平氏の棟梁となり、自らももののけとなっていくも、もののふの魂を取り戻し・・・って何いってんのかさっぱりわかんなくてすいません

「八重の桜」を観ると改めて思うのですが、大河らしくない大河だったなあって。

松山ケンイチさんは清盛を引き寄せて、演じ切りました。

清盛の父、中井貴一さんや鳥羽院の三上さん、崇徳院の井浦新さん、堀川のりょうさんなどしっかり脇を固め、なかでももののけタフマン白川院の不気味さが効いてましたね~そして上川さんの盛国

そして若手の役者さんが素晴らしかったです

重盛の窪田さん、頼盛のAAA西島さん、徳子の二階堂さん、「平家にあらずんば人にあらず」時忠のV6森田さんなど。

重盛の窪田さんは若いのに夭折した清盛の長男を熱演していました。最後、海の底の都で彼が微笑みながら待っているのを観て、号泣

「下流の宴」で無気力なフリーターを演じていた人とは思えない・・・「大奥」では上様の娘の父親になったお楽を気楽に演じていて、それも涙・・・。

紅白でAAAで踊る頼盛様・・・アイドルであられたのですね・・・これも晩年まで清盛の弟を演じ切り素晴らしかったです。

二階堂さんは宮崎あおいさんに似ていますね。夫婦愛に泣かされました

森田さんは最初調子がいい清盛の妻となる時子の兄として出てくるのですが、のちに清盛の右腕になり暗躍。

「平家にあらずんば人にあらず」というのはあまりにも有名な言葉ですが、このセリフを時忠が言う場面が・・・

まさかこんな風に言わせるとは、という。そしてそのセリフを森田さんがこう言う。

そして彼は平家滅亡のあとも「しぶとく」生き残るのです。

清盛の妻・時子を演じた深田恭子さん、壇ノ浦の最期。彼女の壮絶な美しさは、どんな役よりも凄みがありました。

可愛らしく、源氏物語にあこがれていた女の子は、平家の棟梁の妻となり、一族と共に海に沈むのです。

「平家は一蓮托生」のことば通り、平家は仲が良かったようで、その連帯感が特によく出ていて、それだけに斜陽となっていく平家が悲しく・・・

源氏パートでは義朝さんがワイルドでカッコよかったですし、妻の由良さんは最期までツンデレ、常盤はその美しさだけで納得。義経はキラッキラしてたし弁慶の、鬼若からのストーキングぶりも素晴らしく、最後の立ち往生は見事でした

伊豆でニートをしていた頼朝が、杏の政子に気合入れられて源氏の魂を取り戻すのですが、歴史は政子の恋心によって動いたといっても過言ではないんですね・・・

時の権力者に地方に流された頼朝が、子供も殺されて、抜け殻になっていたところに政子が彼を見つけて、渇入れて、立ち上がらせて武士の誇りを取り戻せ!と。

そこから源氏が平氏を滅ぼし、政の中心は鎌倉に移る。武士の世が始まる。

政子がいなかったら・・・政子が頼朝に惚れなかったら・・・歴史は変わっていたのだろう。

そして清盛の母・宗子が頼朝を助命しなかったら、平家は滅びていなかったかもしれない。

あまり歴史の表に出ない女性達も、たしかにそこに生きていたのですね。

そして大きなひとつのテーマが、後白河法皇との「双六」の勝負でした。

終生、清盛に立ちはだかった松田さん演じる後白河法皇。

彼もずっと日陰で生きる身であったのが、どんでん返しで権力の座につき、最愛の妃・滋子を得、そして亡くす。

清盛をおとしめ、追いこみ、長い双六が続く。

彼もまた、孤独であった。

しかし平氏の血が流れていなかった清盛は、己の力で家族を得、最期は家族に囲まれて死んでいく。

終生仕えてくれた鱸丸、盛国もいて。

この大河は主従関係が色濃く描かれていました。そのなかで元・漁師であった盛国は、清盛が何をしても、ひたすらついて行く。盛国の最期は鎌倉に連行されて、一言も発しないまま餓死

上川さんはセリフではなく、所作や視線で演技をしていて、それがまた素晴らしかった

この大河は、大河ドラマらしくない、昼ドラやBLの要素もびしばしを出てきて・・・もうおなかいっぱいでした。

前半はもう天皇家のドロドロ・・・孫の嫁と通じていて、その子供のことを「あなたには叔父にあたるので、叔父子って呼べばいいでしょう」とか言っちゃったり・・・

この時代、男色も普通だったのだそうですが、貴族に襲われる清盛の弟とか・・・「これ、いいのか?NHK・・・」という場面もあり・・・。

しかしきめ細かな脚本で、前半に出てきたセリフ、小道具が後半に「ここでつながるのか・・・」ということが数え切れなくて・・・本当にすごいドラマでした。

そして清盛が・・・10代から60代まで演じた松山さんは、総集編を観たら「ええ、この人が同じ人なの」って思うくらいの変化・・・。

私が一番衝撃だったのが、かつて白川院が母・舞子を殺したように、清盛も仏御前を殺せ!と命じ、それを盛国が「やめーい!」と止めたあと、唸り始め・・・

助けてくれ・・・暗闇の中じゃ・・・のぼってものぼっても、光が見えぬ・・・

この世の頂点に立った権力者は、みなこんな思いをしていたのではないか・・・?と思いました。

良い世の中を作ろうと必死に頂に立つために友も、身内も犠牲にして、やっとのことで立った頂点は、一人ぼっちの暗闇だった・・・。

そこに源氏挙兵の知らせ。みるみるうちに目に光を取り戻し、武士の魂を取り戻した清盛。

素晴らしかったです

まあそのあとがあるんですけどね・・・。それもまたすごい展開で・・・。

清盛の最期は、人はみな、思いを残して、やり遂げられなかった志を遺して死んでいく。それを懸命に生き切った。それが清盛、あなただ、という親友の西行のことばに涙する清盛。

わたしの中で、「一族の栄華だけをきわめて権力を振るった悪人」というイメージだった清盛。

でも自分の存在を問い、武士の世の到来を願い、一族を大事にし、一生涯を生き切った人、そう伝わりました。

清盛のことはいくら語っても語りきれないけど、周りがどんどん脱落して、語る事ができる人もいないけれど、ツイッターで実況してくれたたくさんの清盛ファンのみなさんと、楽しく最後まで観る事ができました

ありがとうございました

「八重の桜」は初回、とても良かったです。清盛とは違った良さで、子役もハンパなく可愛く、あんちゃんは男前、象山塾イケメンパラダイスできっと視聴率は良いと思います。

清盛は・・・なんだろう、自分の生き方に影響がある・・・というか、自分の軸は何か、考えさせられるドラマでした。

ただのドラマではなかった気がします。血肉が通った登場人物から、目が離せなかった。

観なかった方は、機会があったら観てみてください

とりとめのない感想、失礼しました

特に政子、その生涯を再来年、「北条政子」杏主演で大河ドラマやってください

彼女の恋心から動いた歴史、尼将軍となった彼女が頼朝の死後、なぜ源氏が滅びたか、血生臭い歴史となっていったかが知りたい。

「平清盛」を作り上げたキャスト、スタッフさん、本当にありがとうございました

一年間、特に後半、本当に楽しませていただきました。心から御礼申し上げます。

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