高知県の山奥にある村で、和紙を作っている女性、美希。
悲しく辛い過去を引きずり、四十を越えても独り身で、
兄夫婦と母と暮らします。
そんなある日のこと、村の学校に新しい男性教師が赴任
してくることに。美希はその教師の晃と出会い、やがて
お互い惹かれあいます。
一方、村では、村人たちが不気味な夢にうなされ具合を
悪くし、美希の母もどこか様子がおかしくなり、なにか
村全体が不穏な空気に包まれたかのよう。
そしてとうとう、美希に想いを寄せる男の母親が、美希
に対して暴言を吐いた直後に容態が悪くなり、死んでしま
います。
そこで美希は、自分の一族が「狗神筋」と呼ばれ、村人から
腫れ物に触るかのように扱われていたことを知り、ショック
を受けます。
母に問いただすと、一族の女にだけ、狗神の特殊な力がもた
らされ、そして母は娘の美希に、継承者になれと告げ、ある
壷を渡されるのですが・・・
たんにおどろおどろしくない、神秘的なホラーとでもいいま
しょうか。美しい文体、情景描写が、まるで文中に引きずり
込まれるかのようで、登場人物と同時に恐怖を味わっている
錯覚にとらわれます。
「狗神」とは、平安時代の昔に都を跋扈していた妖怪の足の
魂というか霊で、おお、そこにこの話を結びつけるか!と、
驚きいっぱいです。
さらに、冒頭の高知の山奥とは関係のない場所から話がはじまり、
村で起きた神秘的で恐怖、そして凄惨な事件が描かれ、終わりに
事件からしばらく後の話となるのですが、この構成が個人的には
大好きです。
悲しく辛い過去を引きずり、四十を越えても独り身で、
兄夫婦と母と暮らします。
そんなある日のこと、村の学校に新しい男性教師が赴任
してくることに。美希はその教師の晃と出会い、やがて
お互い惹かれあいます。
一方、村では、村人たちが不気味な夢にうなされ具合を
悪くし、美希の母もどこか様子がおかしくなり、なにか
村全体が不穏な空気に包まれたかのよう。
そしてとうとう、美希に想いを寄せる男の母親が、美希
に対して暴言を吐いた直後に容態が悪くなり、死んでしま
います。
そこで美希は、自分の一族が「狗神筋」と呼ばれ、村人から
腫れ物に触るかのように扱われていたことを知り、ショック
を受けます。
母に問いただすと、一族の女にだけ、狗神の特殊な力がもた
らされ、そして母は娘の美希に、継承者になれと告げ、ある
壷を渡されるのですが・・・
たんにおどろおどろしくない、神秘的なホラーとでもいいま
しょうか。美しい文体、情景描写が、まるで文中に引きずり
込まれるかのようで、登場人物と同時に恐怖を味わっている
錯覚にとらわれます。
「狗神」とは、平安時代の昔に都を跋扈していた妖怪の足の
魂というか霊で、おお、そこにこの話を結びつけるか!と、
驚きいっぱいです。
さらに、冒頭の高知の山奥とは関係のない場所から話がはじまり、
村で起きた神秘的で恐怖、そして凄惨な事件が描かれ、終わりに
事件からしばらく後の話となるのですが、この構成が個人的には
大好きです。