晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ディーン・クーンツ 『アイスバウンド』

2009-12-30 | 海外作家 カ
『アイスバウンド』は、それまでのクーンツ作品の定石とも
いってよいファンタジックあるいはB級テイストのホラーで
はなく、硬派なサスペンス。

近未来、地球上では水不足が深刻化し、とうとう国連の対策
チームは、グリーンランドの氷を割って、北米大陸まで運んで
水を確保するという大事業に乗り出します。
運悪く海底地震に遭遇し、チームのメンバーは爆破を行う前に
自分たちのいる場所が氷山となって切り離されてしまいます。

しかも、ここ数年で一番強い暴風雪という悪天候で、近くの
船も近づけず、ダイナマイトは奥深くに時限セットされていて、
このままではメンバーは吹き飛ばされて海の藻屑に・・・

しかし、その時、グリーンランドの海中には、ロシアの潜水艦
が機密航海をしていて、国連のチームとアメリカ海軍との無線を
傍受。船長は本国モスクワに「人助け」の許可を要請するの
ですが・・・

本の後部に、「読者のみなさんへ」という筆者のコメントがあり、
潜水艦の描写はトム・クランシーにはじめから勝とうなんて思って
ない、といったような文があり、なんとも謙虚というか。

物語が時系列で章分けされていて、迫りくる恐怖やその他と戦う
臨場感と緊迫感が伝わってきて、スリル満点。
当然、こんなシンプルな一筋縄では終わらず、国連チームの中に
暗殺された元大統領の親戚がいて、作業中にチームの何者かに
後ろから頭を殴られます。一体誰が彼を襲ったのか・・・
こういったサスペンスも織り交ぜて、さらにスリル倍増。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする