つい2ヶ月ほど前にはじめたツイッターなのですが、共通の趣味というか、
たとえば「誰それという作家の○○という小説を読了」などと“つぶやく”と、
それが検索ワードとして検索で探せるというシステムがあり、先日
「フレデリック・フォーサイス」でかけてみたら、なんと1件もなし。
ああ、日本ではフォーサイスって人気ないのかなあ、と思い、国内最大の
SNSで調べてみたら、270人近くいて、ちょっと安心しました。
やはりフォーサイスはマニアックなのか?こんなに「ハズレ」の無い作家
というのも珍しいでしょうし、ただ、スパイスリラー系アクション作品という
ジャンルをはなから苦手な人には受け付けないのでしょうね。
イギリスの作家ですので、基本は自由主義陣営(米英など)寄りの内容では
ありますが、それでも過去の作品では敵側となる共産主義陣営に対する、
たんなる敵視というか蔑視は無く、それなりに敬意をもって描かれていた
ように思われるのですが、『アヴェンジャー』になると、敵側にくるのは、
ゲリラあるいはテロリストとなり、ひと昔前のイデオロギー対決ではなくなり、
厄介なことに、具体的な姿は見えないのです。
コードネーム「アヴェンジャー」という、マニア向け雑誌の片隅に依頼が載ると、
あらゆる困難な仕事も片付ける、凄腕の「仕事人」がいて、今回、依頼してきた
のは、カナダの大富豪で、孫がボスニア紛争のボランティアに行き、現地で殺され
てしまい、その孫を殺したセルビア人グループのリーダーを探してほしい、という
もの。
どうやらそのセルビア人はすでにヨーロッパから脱出して、南米のどこかにいる
らしく、捜索は困難。
そもそも、このアヴェンジャーは、ベトナム帰還兵で、大学に入り、弁護士資格を
取得、弱者の味方の人権派弁護士だったのですが、ある出来事があり、必殺仕事人
のような陰の稼業をやることになります。
カナダの大富豪は、第2次大戦時に、アメリカ兵との友情を結び、そのアメリカ兵は
その後合衆国の大物議員となり、カナダ人大富豪(娘はアメリカ人と結婚、孫はアメリカ
国籍)は彼に連絡、なんとかして孫の仇をとるべく、アメリカの法律を適用させて
憎きセルビア人を生け捕りにしようとします。
しかし、FBIもCIAも、トップからの命令とはいえ、行方不明のセルビア人を探す
のは困難を極めます。
しかし、ただ一人、政府側に、このセルビア人の行方を知っている者がいて、その男
は、セルビア人を泳がすだけ泳がしておいて、さらに大物のテロリストを探し出そう
と企んでいて・・・
アヴェンジャーのベトナム時代の任務は、ベトコンのアジトである地下洞窟に潜り込む
という危険な作戦。2人一組行動は鉄則で、アヴェンジャーは「モグラ」、そして相棒
は先輩兵士の「アナグマ」で、このふたりは数々の洞窟を攻撃します。
しかし「アナグマ」は怪我を負い帰国、「モグラ」は彼以外とパートナーは組めないと
いって帰国します。
カナダ人の大富豪とアメリカの大物議員もそうですが、戦地での友情というものは、
学生風情が居酒屋で「おれたち親友だよな」という程度の浅薄なレベルではなく、
それこそ背中を預ける、命を張れる価値のある他人との絆であって、これはそう簡単
に切れるものではありません。
そして、物語の最後の最後に書かれている日付は2001年9月10日・・・
フォーサイスのストーリーテリングの才能は前々から敬服していたのですが、
『アヴェンジャー』は脱帽です。いや、読み終わって脱力して、しばし呆然と
したので「脱呆」ともいうのでしょうか。
たとえば「誰それという作家の○○という小説を読了」などと“つぶやく”と、
それが検索ワードとして検索で探せるというシステムがあり、先日
「フレデリック・フォーサイス」でかけてみたら、なんと1件もなし。
ああ、日本ではフォーサイスって人気ないのかなあ、と思い、国内最大の
SNSで調べてみたら、270人近くいて、ちょっと安心しました。
やはりフォーサイスはマニアックなのか?こんなに「ハズレ」の無い作家
というのも珍しいでしょうし、ただ、スパイスリラー系アクション作品という
ジャンルをはなから苦手な人には受け付けないのでしょうね。
イギリスの作家ですので、基本は自由主義陣営(米英など)寄りの内容では
ありますが、それでも過去の作品では敵側となる共産主義陣営に対する、
たんなる敵視というか蔑視は無く、それなりに敬意をもって描かれていた
ように思われるのですが、『アヴェンジャー』になると、敵側にくるのは、
ゲリラあるいはテロリストとなり、ひと昔前のイデオロギー対決ではなくなり、
厄介なことに、具体的な姿は見えないのです。
コードネーム「アヴェンジャー」という、マニア向け雑誌の片隅に依頼が載ると、
あらゆる困難な仕事も片付ける、凄腕の「仕事人」がいて、今回、依頼してきた
のは、カナダの大富豪で、孫がボスニア紛争のボランティアに行き、現地で殺され
てしまい、その孫を殺したセルビア人グループのリーダーを探してほしい、という
もの。
どうやらそのセルビア人はすでにヨーロッパから脱出して、南米のどこかにいる
らしく、捜索は困難。
そもそも、このアヴェンジャーは、ベトナム帰還兵で、大学に入り、弁護士資格を
取得、弱者の味方の人権派弁護士だったのですが、ある出来事があり、必殺仕事人
のような陰の稼業をやることになります。
カナダの大富豪は、第2次大戦時に、アメリカ兵との友情を結び、そのアメリカ兵は
その後合衆国の大物議員となり、カナダ人大富豪(娘はアメリカ人と結婚、孫はアメリカ
国籍)は彼に連絡、なんとかして孫の仇をとるべく、アメリカの法律を適用させて
憎きセルビア人を生け捕りにしようとします。
しかし、FBIもCIAも、トップからの命令とはいえ、行方不明のセルビア人を探す
のは困難を極めます。
しかし、ただ一人、政府側に、このセルビア人の行方を知っている者がいて、その男
は、セルビア人を泳がすだけ泳がしておいて、さらに大物のテロリストを探し出そう
と企んでいて・・・
アヴェンジャーのベトナム時代の任務は、ベトコンのアジトである地下洞窟に潜り込む
という危険な作戦。2人一組行動は鉄則で、アヴェンジャーは「モグラ」、そして相棒
は先輩兵士の「アナグマ」で、このふたりは数々の洞窟を攻撃します。
しかし「アナグマ」は怪我を負い帰国、「モグラ」は彼以外とパートナーは組めないと
いって帰国します。
カナダ人の大富豪とアメリカの大物議員もそうですが、戦地での友情というものは、
学生風情が居酒屋で「おれたち親友だよな」という程度の浅薄なレベルではなく、
それこそ背中を預ける、命を張れる価値のある他人との絆であって、これはそう簡単
に切れるものではありません。
そして、物語の最後の最後に書かれている日付は2001年9月10日・・・
フォーサイスのストーリーテリングの才能は前々から敬服していたのですが、
『アヴェンジャー』は脱帽です。いや、読み終わって脱力して、しばし呆然と
したので「脱呆」ともいうのでしょうか。