(自分の無知を棚に上げて)知らない作家の知らない作品を
買って読むというのはある種「冒険」で、たとえ帯や背表紙に
「大ヒット作」「どこそこから映画化決定」などと売り文句が
あっても、読み終わってガッカリ感しか残らなかった、という本
もあったりしました。
で、このロザムンド・ピルチャーという、スコットランドの
女性作家、代表作「シェルシーカーズ」が200万部超の大
ベストセラーとなって、『九月に』も同じく200万部のヒット
作なんだそうで、さて当たりか外れかというと、大当たり。
スコットランドの片田舎で、スタイントン家の娘の誕生日ダンス
パーティーを開催するところから話がはじまり、このパーティー
をきっかけに、ロンドンや外国に住む家族が帰省することになり、
再会に喜ぶだけではなく、昔の忘れたい記憶がほじくり出された
り・・・などと、家族をテーマに描かれていて、とにかく話は淡々
と進み、ぶっちゃけ地味な内容なのですが、不思議と引き込まれて
ゆきます。
ストラスクロイ村の領主アーチーは軍隊所属のときに北アイルランド
で片足を失い、義足での生活となり、古くて大きな屋敷「クロイ館」
でのこまごまとした仕事をこなす毎日。それだけでは食べてはいけず、
妻のイザベラが、アメリカからの観光客をもてなす仕事でお金を稼い
でいます。
娘のルシラはパリに住んでいて、アーチーの妹パンドラは18歳で
アメリカに移住、離婚してスペインに渡って、20年以上クロイ館に
戻ってきていません。そんな折、ルシラがスペインに遊びに行きたい、
パンドラおばさんの住所を教えてくれという手紙が届き、ついでに
誕生日パーティーの招待状を同封します。一応、パンドラにも。
もうひとつの家族、クロイ館の家族と仲の良いエドマンドの一家の
話も出てきて、妻のヴァージニアは後妻で、最初の妻との娘アレクサ
はロンドン在住で、料理のケータリングの仕事をしています。
ヴァージニアとのあいだにはヘンリーという男の子が生まれて当年
8歳ですが、どうにも内気で繊細。
エドマンドの母ヴァイオレットは小さなコテージでひとり暮らし、
アレクサとヘンリーの乳母エディーとは今でも仲良し。
さてアレクサですが、容姿はいまいちで、色恋もあまり得意ではあり
ませんが、そんな彼女にノエルという恋人ができるのです。
ヘンリーを寄宿学校へ入れたいエドマンド、ですがヴァージニアは
猛反対、勝手に手続きを済ませてきてしまった夫に妻はとうとう怒り
が爆発、なんとか納得したものの、学校へ連れて行く当日はエドマンド
に送りを頼んでいたのを、急な出張で行けなくなり、ヴァージニアが
連れて行くことに。
息子との別れに悲しみにうちひしがれ、夫への信頼も薄らぎ、そんな
タイミングでヴァージニアの古い男友達のコンラッドと出会い・・・
ルシラはパリで出会ったジェフという恋人とともにパンドラの家に。
スタイントン家のパーティーの話題になると、なんとパンドラは「私も
行く」というのです。そして3人はスコットランドへ。
かつては親友とだったアーチーとエドマンドですが、ある出来事がきっか
けで、かつてのような交流は無くなります。その原因とは・・・
心配事といえば、エディーの従姉妹にあたるロティーが精神病院から退院
してエディーが引き取ることに。しかしこのロティー、かつてクロイ館で
女中として働いていたことがあって、大迷惑をかけて辞めさせられたこと
があり、ゴシップ的な話が大好きで、他人が迷惑がろうがお構いなし。
このロティーが帰ってくることになって、みながエディーを心配します。
ある日、ヴァージニアを捕まえたロティーは、あんたの旦那はパンドラと
愛人だったんだよ、と余計なことを言うのです・・・
なんやかやでそれぞれ問題を抱えている2つの家族。それらが一同に集まる
ことになるのですが・・・
スコットランドの風景、そこに暮らす人々の描写がすばらしく、行ったこと
が無い人でも、どこか懐かしいと思えるような感じ。
久しぶりに読後に疲れたなあというくらい長いですが、不愉快な疲れではなく、
心地よい疲れ。良い本に出会いました。
買って読むというのはある種「冒険」で、たとえ帯や背表紙に
「大ヒット作」「どこそこから映画化決定」などと売り文句が
あっても、読み終わってガッカリ感しか残らなかった、という本
もあったりしました。
で、このロザムンド・ピルチャーという、スコットランドの
女性作家、代表作「シェルシーカーズ」が200万部超の大
ベストセラーとなって、『九月に』も同じく200万部のヒット
作なんだそうで、さて当たりか外れかというと、大当たり。
スコットランドの片田舎で、スタイントン家の娘の誕生日ダンス
パーティーを開催するところから話がはじまり、このパーティー
をきっかけに、ロンドンや外国に住む家族が帰省することになり、
再会に喜ぶだけではなく、昔の忘れたい記憶がほじくり出された
り・・・などと、家族をテーマに描かれていて、とにかく話は淡々
と進み、ぶっちゃけ地味な内容なのですが、不思議と引き込まれて
ゆきます。
ストラスクロイ村の領主アーチーは軍隊所属のときに北アイルランド
で片足を失い、義足での生活となり、古くて大きな屋敷「クロイ館」
でのこまごまとした仕事をこなす毎日。それだけでは食べてはいけず、
妻のイザベラが、アメリカからの観光客をもてなす仕事でお金を稼い
でいます。
娘のルシラはパリに住んでいて、アーチーの妹パンドラは18歳で
アメリカに移住、離婚してスペインに渡って、20年以上クロイ館に
戻ってきていません。そんな折、ルシラがスペインに遊びに行きたい、
パンドラおばさんの住所を教えてくれという手紙が届き、ついでに
誕生日パーティーの招待状を同封します。一応、パンドラにも。
もうひとつの家族、クロイ館の家族と仲の良いエドマンドの一家の
話も出てきて、妻のヴァージニアは後妻で、最初の妻との娘アレクサ
はロンドン在住で、料理のケータリングの仕事をしています。
ヴァージニアとのあいだにはヘンリーという男の子が生まれて当年
8歳ですが、どうにも内気で繊細。
エドマンドの母ヴァイオレットは小さなコテージでひとり暮らし、
アレクサとヘンリーの乳母エディーとは今でも仲良し。
さてアレクサですが、容姿はいまいちで、色恋もあまり得意ではあり
ませんが、そんな彼女にノエルという恋人ができるのです。
ヘンリーを寄宿学校へ入れたいエドマンド、ですがヴァージニアは
猛反対、勝手に手続きを済ませてきてしまった夫に妻はとうとう怒り
が爆発、なんとか納得したものの、学校へ連れて行く当日はエドマンド
に送りを頼んでいたのを、急な出張で行けなくなり、ヴァージニアが
連れて行くことに。
息子との別れに悲しみにうちひしがれ、夫への信頼も薄らぎ、そんな
タイミングでヴァージニアの古い男友達のコンラッドと出会い・・・
ルシラはパリで出会ったジェフという恋人とともにパンドラの家に。
スタイントン家のパーティーの話題になると、なんとパンドラは「私も
行く」というのです。そして3人はスコットランドへ。
かつては親友とだったアーチーとエドマンドですが、ある出来事がきっか
けで、かつてのような交流は無くなります。その原因とは・・・
心配事といえば、エディーの従姉妹にあたるロティーが精神病院から退院
してエディーが引き取ることに。しかしこのロティー、かつてクロイ館で
女中として働いていたことがあって、大迷惑をかけて辞めさせられたこと
があり、ゴシップ的な話が大好きで、他人が迷惑がろうがお構いなし。
このロティーが帰ってくることになって、みながエディーを心配します。
ある日、ヴァージニアを捕まえたロティーは、あんたの旦那はパンドラと
愛人だったんだよ、と余計なことを言うのです・・・
なんやかやでそれぞれ問題を抱えている2つの家族。それらが一同に集まる
ことになるのですが・・・
スコットランドの風景、そこに暮らす人々の描写がすばらしく、行ったこと
が無い人でも、どこか懐かしいと思えるような感じ。
久しぶりに読後に疲れたなあというくらい長いですが、不愉快な疲れではなく、
心地よい疲れ。良い本に出会いました。
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