「読書家」というほど文学に造詣が深くもなく、まあ「本好き以上読書家未満」
という曖昧なスタンスでこのブログを地味にコツコツと更新しているわけ
ですが、とうとう読みました、鷺沢萠。
ずっと「鷲沢(わしざわ)萌(もえ)」と間違っていました。
ひどい話です。すいません。
まあ、どうりで本屋さんで「ワ」行を探しても見つからなかったわけです。
ちなみに「ワ」行は渡辺淳一の作品がズラーっと。
そこで、「サ」行の棚で探して、2冊あるうちの『少年たちの終わらない夏』
を手にとってみました。
ウィキペディアで調べてみたら、おお、なんという偶然というか幸運、この
作品が初出版みたいですね(その前に新人賞でデビューしていますけど)。
短編4作で、いずれも17~20歳くらいの学生の恋だの友情だの遊びだの
を描いていて、といっても「青春小説」とはちょっと違います。
なにが「ちょっと違う」のかというと、まあ青春時代のボーイズアンドガールズ
といえば、刹那的で排他的で閉鎖的で退廃的ですが、それは当てはまっている
んですけど、甘酸っぱさほろ苦さやを”たまにのぞかせる程度”に描いているよう
な気がしました。
舞台は都会、部活動でのやりとり、だれとだれが付き合ってるだの別れただの、など
と、ここらへんはありふれた高校での日常ですが、放課後になるとどこかのクラブで
パーティーがあって顔を出し、それ終わりで、”行きつけ”のバーへ繰り出す・・・
高校生の”分際”で。
この作品が書かれたのが1980年代後半、ちょうどバブルが始まるか絶頂のちょっと
前くらいですので、そういった時代背景もあるんでしょうけど。
この子たちにとっての「不幸」とは、「おもしろくない」こと、とでもいいましょう
か、でもそれが本当に楽しいのか、面白いのかというと、その中に入ってみて気づい
たことは、実は息苦しさだったりします。
そんな「面白がってる」状態とは、ずっとつま先立ちをしている、つまり分不相応
なわけで、きちんと立って歩いてみたら案外普通で、そして普通に笑い、泣き、苦しみ、
悩みます。
本来はこの時期にちゃんとした「歩き方」を学ぶべきなのですが、歩き方を教わる前に
ラクな移動方法を知っちゃった、ということこそ「不幸」なんですけどね。
作者の生年月日を見ると、この作品を書いていたをときは、登場人物たちと同世代なんですね。
もうちょっと時間を置いて書かれたものかと。というのも、大人が「ユニークな生態系」の
ように若者世代を描くような、なんかそんな感じが文中にちらほら見えました。
自分の経験が多かれ少なかれもとになっているのでしょうが。
4編の中で「ユーロビートじゃ踊れない」が一番好きでした。
という曖昧なスタンスでこのブログを地味にコツコツと更新しているわけ
ですが、とうとう読みました、鷺沢萠。
ずっと「鷲沢(わしざわ)萌(もえ)」と間違っていました。
ひどい話です。すいません。
まあ、どうりで本屋さんで「ワ」行を探しても見つからなかったわけです。
ちなみに「ワ」行は渡辺淳一の作品がズラーっと。
そこで、「サ」行の棚で探して、2冊あるうちの『少年たちの終わらない夏』
を手にとってみました。
ウィキペディアで調べてみたら、おお、なんという偶然というか幸運、この
作品が初出版みたいですね(その前に新人賞でデビューしていますけど)。
短編4作で、いずれも17~20歳くらいの学生の恋だの友情だの遊びだの
を描いていて、といっても「青春小説」とはちょっと違います。
なにが「ちょっと違う」のかというと、まあ青春時代のボーイズアンドガールズ
といえば、刹那的で排他的で閉鎖的で退廃的ですが、それは当てはまっている
んですけど、甘酸っぱさほろ苦さやを”たまにのぞかせる程度”に描いているよう
な気がしました。
舞台は都会、部活動でのやりとり、だれとだれが付き合ってるだの別れただの、など
と、ここらへんはありふれた高校での日常ですが、放課後になるとどこかのクラブで
パーティーがあって顔を出し、それ終わりで、”行きつけ”のバーへ繰り出す・・・
高校生の”分際”で。
この作品が書かれたのが1980年代後半、ちょうどバブルが始まるか絶頂のちょっと
前くらいですので、そういった時代背景もあるんでしょうけど。
この子たちにとっての「不幸」とは、「おもしろくない」こと、とでもいいましょう
か、でもそれが本当に楽しいのか、面白いのかというと、その中に入ってみて気づい
たことは、実は息苦しさだったりします。
そんな「面白がってる」状態とは、ずっとつま先立ちをしている、つまり分不相応
なわけで、きちんと立って歩いてみたら案外普通で、そして普通に笑い、泣き、苦しみ、
悩みます。
本来はこの時期にちゃんとした「歩き方」を学ぶべきなのですが、歩き方を教わる前に
ラクな移動方法を知っちゃった、ということこそ「不幸」なんですけどね。
作者の生年月日を見ると、この作品を書いていたをときは、登場人物たちと同世代なんですね。
もうちょっと時間を置いて書かれたものかと。というのも、大人が「ユニークな生態系」の
ように若者世代を描くような、なんかそんな感じが文中にちらほら見えました。
自分の経験が多かれ少なかれもとになっているのでしょうが。
4編の中で「ユーロビートじゃ踊れない」が一番好きでした。
鷺沢さんの初期の代表作ですね。タイトルの語感だけで「サギサワだね、うんうん」といったかんじです。
わたしは鷺沢さんの本は開いたとたんに号泣してしまうので(亡くなったのがまだショック)ひたすらになつかしいです。
こちらには初コメントでしたっけ、ありがとうございますー
近日中に別の作品を読みたいと思います。