最近、本を読む時間があまりなくて、それでも買い物ついでに
本屋に寄って数冊買ってしまい、「未読本」がたまる一方。
読みやすい本からサクサクと読んで未読本を減らしていこう、
ということで、こういう時にありがたいのが山本一力さんの作品。
『たすけ鍼』の主人公は、深川に住む鍼灸師の染谷(せんこく)。
彼のお灸と鍼にかかれば、風邪でも腰痛でもあくる日には治ってる
といった名人で、”ツボ師”なんて呼ばれています。
そんな染谷の治療院の隣に、昭年(しょうねん)という、こちらは
医者で、今でいえば内科医のような、病状を看て適切な薬を処方し
ます。
染谷と昭年はともに還暦過ぎ、ふたりは若い頃から仲が良く、今でも
家族ぐるみの付き合いで、さらに患者の取り合いなどはせず、この
症状だったら鍼より薬のほうがいいから隣の昭年のところに行きなさい、
薬よりお灸で治りそうだから染谷のところへ行きなさい、といった感じ。
いちおう短編形式になっていて、大店に女中奉公に行った染谷の知り合い
の娘がいきなり暇を出された話、金貸しの検校(盲目の人の肩書き)の話
からはじまり、3話目が、「野田屋」という醤油屋の話なのですが、この
野田屋の若旦那が染谷に父を看て欲しいと頼んできます。そこで染谷と
昭年が店に行きますが、番頭に追い払われます。
一方、染谷は深川の米問屋「野島屋」に行って主人の息子の治療を終えて
帰る途中、匕首を持った三人の男に襲いかかられます。
この時、染谷は一人ではなく、野島屋の手代で柔道の覚えのある草次郎も
いっしょで、三人の男は染谷と草次郎に叩きのめされます。
そのうちの一人が落としていった匕首をよく見ると、龍の銀細工が。これ
は、野田屋の番頭が持っていたキセルにも同じような銀細工があったと
思い出す染谷・・・
ここから、野田屋の一件はさておき、野島屋の話になります。はじめは
染谷のことを信用していなかった当主の仁左衛門でしたが、彼の鍼灸の
腕、病気を初見で言い当てる力に敬服し、鍼灸院の寺子屋を開くスポン
サーになると言い出します。
なんだかんだで染谷の寺子屋は開かれますが、前述の野田屋の話は「
あの件に関してはいい考えがある」と匂わせて、シリーズの続編へ。
今まで続編の書かれた作品は、正義の味方、弱者の味方が多いのですが、
だからといって痛快さというのとはまた違って、読み終わった時に地道
に働くことや人とのつながりの尊さがじんわりと胸に染み入ってくる、
そんな感じです。
本屋に寄って数冊買ってしまい、「未読本」がたまる一方。
読みやすい本からサクサクと読んで未読本を減らしていこう、
ということで、こういう時にありがたいのが山本一力さんの作品。
『たすけ鍼』の主人公は、深川に住む鍼灸師の染谷(せんこく)。
彼のお灸と鍼にかかれば、風邪でも腰痛でもあくる日には治ってる
といった名人で、”ツボ師”なんて呼ばれています。
そんな染谷の治療院の隣に、昭年(しょうねん)という、こちらは
医者で、今でいえば内科医のような、病状を看て適切な薬を処方し
ます。
染谷と昭年はともに還暦過ぎ、ふたりは若い頃から仲が良く、今でも
家族ぐるみの付き合いで、さらに患者の取り合いなどはせず、この
症状だったら鍼より薬のほうがいいから隣の昭年のところに行きなさい、
薬よりお灸で治りそうだから染谷のところへ行きなさい、といった感じ。
いちおう短編形式になっていて、大店に女中奉公に行った染谷の知り合い
の娘がいきなり暇を出された話、金貸しの検校(盲目の人の肩書き)の話
からはじまり、3話目が、「野田屋」という醤油屋の話なのですが、この
野田屋の若旦那が染谷に父を看て欲しいと頼んできます。そこで染谷と
昭年が店に行きますが、番頭に追い払われます。
一方、染谷は深川の米問屋「野島屋」に行って主人の息子の治療を終えて
帰る途中、匕首を持った三人の男に襲いかかられます。
この時、染谷は一人ではなく、野島屋の手代で柔道の覚えのある草次郎も
いっしょで、三人の男は染谷と草次郎に叩きのめされます。
そのうちの一人が落としていった匕首をよく見ると、龍の銀細工が。これ
は、野田屋の番頭が持っていたキセルにも同じような銀細工があったと
思い出す染谷・・・
ここから、野田屋の一件はさておき、野島屋の話になります。はじめは
染谷のことを信用していなかった当主の仁左衛門でしたが、彼の鍼灸の
腕、病気を初見で言い当てる力に敬服し、鍼灸院の寺子屋を開くスポン
サーになると言い出します。
なんだかんだで染谷の寺子屋は開かれますが、前述の野田屋の話は「
あの件に関してはいい考えがある」と匂わせて、シリーズの続編へ。
今まで続編の書かれた作品は、正義の味方、弱者の味方が多いのですが、
だからといって痛快さというのとはまた違って、読み終わった時に地道
に働くことや人とのつながりの尊さがじんわりと胸に染み入ってくる、
そんな感じです。
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