このベンジャミン・ブラックという作家名、じつはペンネームで、
うしろにある解説をそのまま引用させていただくと
「現代アイルランドを代表する作家ジョン・バンヴィルの別名義。
(中略)2005年には『海に帰る日(The Sea)』で、カズオ・
イシグロ『わたしを離さないで』を抑えてブッカー賞受賞」
とのこと。
もともと純文学系の作品を書いていたのだそうで、ミステリーを
書くにあたってなぜ別名義にしたのかというのはあとがきにあり
ますが、まあとにかくこの作品はミステリー。
1950年代のアイルランド、ダブリン。(聖家族病院)の病理
医で検死官のクワークは、看護師の送別会で酒を飲み過ぎて意識
も明確ではない状態で、自分のオフィスである病理科に行くと、
そこに同じ病院の産婦人科医でクワークの義兄でもあるマルがい
ます。そしてその傍らには若い女性の遺体。名前は「クリスティ
ーン・フォールズ」とあります。
が、次の日、病院に行くと、昨夜の女性の遺体が消えています。
同僚に聞いても「知りません」とのことで、マルに話を聞きます
が、はぐらかされます。
しかし、遺体が病院に運ばれた記録は残っていて、そのファイル
を見ると、明らかに何者かが書き換えた跡が。あの夜、マルは何
をしていたのか。
ファイルによると、件の女性の死因は「出産時の出血死」。
クワークには死別した妻がいて、その妻の死因も同じ。だからと
いうわけではありませんがクワークはクリスティーンの生前の行
動を探ります。
そこで、生前、クリスティーンと同居していたドリーという女性
を探り当てて話を聞きますが、クワークが訪れた次の日、ドリー
は何者かに殺されます。
そして、クワークのもとに謎の男が来て「今あなたがしているこ
とをやめないと痛い目に遭いますよ」と忠告(脅迫)が・・・
クワークの死別した妻デリアはマルの奥さんサラと姉妹。マルと
サラの娘フィービは両親と揉め事中で、叔父であるクワークを慕
っています。
クワークの父はアイルランドの判事、マルとサラの実父はアメリ
カ・ボストン在住の大富豪。
ミステリのほうである「本筋」と、クワークの「家族関係」の話
が複雑に入り組んで、最終的にクワークは知ってはいけなかった、
開けてはいけなかった箱を開けてしまうのですが、まあなんとい
いますか、いやーな話です。
文体が全体的に「純文学と一般文学の中間」のようで、スコット・
トゥローの作品にもあったと記憶してるのですが、まあ向き不向き
といってしまえばあれですが個人的にどうにも読みづらく、数ペー
ジ読んでは寝落ちし、これ今月中に読み終わるか?と不安でした。
あ、でもそういえば、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』
と、話の内容こそ違いますが、おおまかな「方向性」は似てるよう
に感じます。
うしろにある解説をそのまま引用させていただくと
「現代アイルランドを代表する作家ジョン・バンヴィルの別名義。
(中略)2005年には『海に帰る日(The Sea)』で、カズオ・
イシグロ『わたしを離さないで』を抑えてブッカー賞受賞」
とのこと。
もともと純文学系の作品を書いていたのだそうで、ミステリーを
書くにあたってなぜ別名義にしたのかというのはあとがきにあり
ますが、まあとにかくこの作品はミステリー。
1950年代のアイルランド、ダブリン。(聖家族病院)の病理
医で検死官のクワークは、看護師の送別会で酒を飲み過ぎて意識
も明確ではない状態で、自分のオフィスである病理科に行くと、
そこに同じ病院の産婦人科医でクワークの義兄でもあるマルがい
ます。そしてその傍らには若い女性の遺体。名前は「クリスティ
ーン・フォールズ」とあります。
が、次の日、病院に行くと、昨夜の女性の遺体が消えています。
同僚に聞いても「知りません」とのことで、マルに話を聞きます
が、はぐらかされます。
しかし、遺体が病院に運ばれた記録は残っていて、そのファイル
を見ると、明らかに何者かが書き換えた跡が。あの夜、マルは何
をしていたのか。
ファイルによると、件の女性の死因は「出産時の出血死」。
クワークには死別した妻がいて、その妻の死因も同じ。だからと
いうわけではありませんがクワークはクリスティーンの生前の行
動を探ります。
そこで、生前、クリスティーンと同居していたドリーという女性
を探り当てて話を聞きますが、クワークが訪れた次の日、ドリー
は何者かに殺されます。
そして、クワークのもとに謎の男が来て「今あなたがしているこ
とをやめないと痛い目に遭いますよ」と忠告(脅迫)が・・・
クワークの死別した妻デリアはマルの奥さんサラと姉妹。マルと
サラの娘フィービは両親と揉め事中で、叔父であるクワークを慕
っています。
クワークの父はアイルランドの判事、マルとサラの実父はアメリ
カ・ボストン在住の大富豪。
ミステリのほうである「本筋」と、クワークの「家族関係」の話
が複雑に入り組んで、最終的にクワークは知ってはいけなかった、
開けてはいけなかった箱を開けてしまうのですが、まあなんとい
いますか、いやーな話です。
文体が全体的に「純文学と一般文学の中間」のようで、スコット・
トゥローの作品にもあったと記憶してるのですが、まあ向き不向き
といってしまえばあれですが個人的にどうにも読みづらく、数ペー
ジ読んでは寝落ちし、これ今月中に読み終わるか?と不安でした。
あ、でもそういえば、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』
と、話の内容こそ違いますが、おおまかな「方向性」は似てるよう
に感じます。
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