晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

フレデリック・フォーサイス 『ネゴシエイター』

2009-01-27 | 海外作家 ハ
アメリカやイギリスのアクションエンターテインメント系小説には
よくFBIだのCIAだのホワイトハウスが出てきて、犯罪を解決
する側であったり、時には犯罪の片棒を担ぐ側だったりするのです
が、たまに実名(実在の人物、その役職)がでたりします。

「ネゴシエイター」は、イギリスのオックスフォードに留学中の
アメリカ現職大統領の息子が、ジョギング中に誘拐されます。
その際、護衛をしていたシークレットサービスがその犯人に撃たれて
死亡。
イギリスで起きた事件なので、表立ってはCIAもFBIも捜査できず
イギリスの警察に「協力」というかたちで捜査に参加。
そして、かつて保険会社のすご腕交渉人で、現在は引退しスペインの
片田舎でワイン栽培をしているアメリカ人、クインという男が事件解決
の白羽の矢を立てられます。

犯人との電話でのやりとりの末、彼は一人で身代金(ダイヤ)と身柄の
引き渡しに参じるのですが、無事開放されたと思いきや、大統領の息子
は開放された直後、爆死。

この陰惨な事件の裏には、アメリカとソ連が結んだ軍縮条約が絡んでいます。

ちなみに、この作品が出版された当時は、まだソ連邦はソ連邦のままで、
著者もびっくりしたと思うのですが、その2年後にソ連はロシア共同体
として、その後解体されるとは夢想だにしなかったことでしょう。

そして、このソ連邦の代表が、ゴルバチョフ。実名。
最終的にはソ連側は何も悪くないばかりか、大統領の息子を誘拐し殺害
した真の黒幕をあばく手助けをしてくれることになるので、仮にですが
ゴルバチョフ本人が、あるいはKGB、中央委員会関係者がこの本を読んだ
としても、さほど不愉快にはならないでしょう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 梁石日(ヤン・ソギル) 『... | トップ | 横山秀夫 『クライマーズハイ』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

海外作家 ハ」カテゴリの最新記事