スティーヴン・キングとディーン・R・クーンツといえば、かたや
「モダン・ホラーの旗手」、こなた「B級ホラー全開」。同じホラー
でも評価が違うのですが、記憶が正しければ、お互いがお互いの作品の
ファンだそうですね。
キングより先にクーンツにハマり、なんでもアリなストーリー展開で
読み出したら止まらない魅力があるのですが、どうにも今回読んだ
『バッド・プレース』は、その勢いがなかったというか、文中にのめり
込めなかったのです。
作品自体の問題なのかわかりませんが、訳者がいつもと違う方で、初めて
お目にかかった、ということが一因なのか・・・
だからといって、英語での原文はとてもではありませんが読む気力は無い
ので、訳者の「せい」にはしたくはないのですが、とにかく、クーンツ作品
にしては、読了までに時間がかかってしまいました。
静かな夜、男は突然、目を覚まします。しかし、今いるところ、自分は何者
なのか判然としません。
ようやく自分の名前を思い出す男。フランク・ポラード。
他に思い出すのは(暴風のなかに蛍の群れ)と、奇妙なフルートのような音。
とにかく、今いる場所から逃げたほうがいいと感じるフランク。路上駐車して
ある車を盗み、出ようとすると、いきなりブルーの閃光がフランクを襲い・・・
なんとか逃げおおせ、車を走らすポラード。どうやら、自分はカリフォルニア
にいて、しかもこの地域の地理は知っている様子。そして、手元にあった鞄を
空けてみると、中には大量のドル札と、知らない名前の身分証明書が。
何者かに追われているという恐怖心にとらわれたままのポラード。鞄にあった
知らない人の身分証明でモーテルに泊まり、目覚めると、ポラードの顔からは
血がしたたり、シーツは血まみれ、傍にはみたことのない奇妙な虫、そして
なぜか手には黒い砂・・・
どうにもならないポラードは、ある私立探偵社に依頼します。「ダコタ&ダコタ」
というボビーとジュリー夫婦が営むこの探偵社に、自分の存在と、金の出所、
虫と砂は何なのか、調べてもらうことに。
はじめジュリーは何となくこの調査に乗り気ではなかったのですが、人の良い夫
ボビーの説得で受けることに。
たんなる記憶喪失でもない、からかっている様子もない、とりあえずポラードを
入院させて、検査をしてもらいます。
探偵社の社員からひとり、日系のハル・ヤマカタを見張りにつけていたその日の夜、
強く風が吹いて、どこからかフルートのような笛の音が。
そして、ハルの目の前で、ポラードが消えてしまったのです・・・
軽いネタバレとして、ポラードを追うには、弟のキャンディで、ポラードは実母を
殺し、母を崇拝していたキャンディは兄を憎み、双子の妹も長兄を憎みます。
そして、兄の行方を捜し、兄に関わる者はみな殺しにしてゆくのです。
この兄弟姉妹には、ある「特殊能力」があり、ポラードが突然消えるのもそうですが、
風とフルートのような音の正体は、キャンディが近づいてくるときに出る音なのです。
なぜポラードは母を殺さなければならなかったのか・・・
そして、ジュリーの弟で、ダウン症で施設で暮らすトーマスは、どういうわけか、
このキャンディとコンタクトを取れるのですが・・・
ホラー、ミステリー、サスペンス、SF、そして人間ドラマもあり、もう寄せ鍋
というか、闇鍋のような状態で話は展開され、最終的には、シメの雑炊とでも
いいましょうか、ああ、これでこそクーンツの世界だよ、と満足。
「モダン・ホラーの旗手」、こなた「B級ホラー全開」。同じホラー
でも評価が違うのですが、記憶が正しければ、お互いがお互いの作品の
ファンだそうですね。
キングより先にクーンツにハマり、なんでもアリなストーリー展開で
読み出したら止まらない魅力があるのですが、どうにも今回読んだ
『バッド・プレース』は、その勢いがなかったというか、文中にのめり
込めなかったのです。
作品自体の問題なのかわかりませんが、訳者がいつもと違う方で、初めて
お目にかかった、ということが一因なのか・・・
だからといって、英語での原文はとてもではありませんが読む気力は無い
ので、訳者の「せい」にはしたくはないのですが、とにかく、クーンツ作品
にしては、読了までに時間がかかってしまいました。
静かな夜、男は突然、目を覚まします。しかし、今いるところ、自分は何者
なのか判然としません。
ようやく自分の名前を思い出す男。フランク・ポラード。
他に思い出すのは(暴風のなかに蛍の群れ)と、奇妙なフルートのような音。
とにかく、今いる場所から逃げたほうがいいと感じるフランク。路上駐車して
ある車を盗み、出ようとすると、いきなりブルーの閃光がフランクを襲い・・・
なんとか逃げおおせ、車を走らすポラード。どうやら、自分はカリフォルニア
にいて、しかもこの地域の地理は知っている様子。そして、手元にあった鞄を
空けてみると、中には大量のドル札と、知らない名前の身分証明書が。
何者かに追われているという恐怖心にとらわれたままのポラード。鞄にあった
知らない人の身分証明でモーテルに泊まり、目覚めると、ポラードの顔からは
血がしたたり、シーツは血まみれ、傍にはみたことのない奇妙な虫、そして
なぜか手には黒い砂・・・
どうにもならないポラードは、ある私立探偵社に依頼します。「ダコタ&ダコタ」
というボビーとジュリー夫婦が営むこの探偵社に、自分の存在と、金の出所、
虫と砂は何なのか、調べてもらうことに。
はじめジュリーは何となくこの調査に乗り気ではなかったのですが、人の良い夫
ボビーの説得で受けることに。
たんなる記憶喪失でもない、からかっている様子もない、とりあえずポラードを
入院させて、検査をしてもらいます。
探偵社の社員からひとり、日系のハル・ヤマカタを見張りにつけていたその日の夜、
強く風が吹いて、どこからかフルートのような笛の音が。
そして、ハルの目の前で、ポラードが消えてしまったのです・・・
軽いネタバレとして、ポラードを追うには、弟のキャンディで、ポラードは実母を
殺し、母を崇拝していたキャンディは兄を憎み、双子の妹も長兄を憎みます。
そして、兄の行方を捜し、兄に関わる者はみな殺しにしてゆくのです。
この兄弟姉妹には、ある「特殊能力」があり、ポラードが突然消えるのもそうですが、
風とフルートのような音の正体は、キャンディが近づいてくるときに出る音なのです。
なぜポラードは母を殺さなければならなかったのか・・・
そして、ジュリーの弟で、ダウン症で施設で暮らすトーマスは、どういうわけか、
このキャンディとコンタクトを取れるのですが・・・
ホラー、ミステリー、サスペンス、SF、そして人間ドラマもあり、もう寄せ鍋
というか、闇鍋のような状態で話は展開され、最終的には、シメの雑炊とでも
いいましょうか、ああ、これでこそクーンツの世界だよ、と満足。
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