ここんところの投稿は「時代小説→ジェフリー・ディーヴァー」という流れが続いていました。しかしこの流れはこの投稿でおしまい。なぜなら去年ネットショップでまとめて購入した分はここまで。続きはまたいつの日か。
ちなみに次に読む本は時代小説、の予定。
この作品は「リンカーン・ライムシリーズ」の8作目。
ライムのもとに「お久しぶり」と訪ねてきた人物が。その人物とはいとこのアーサー・ライムの妻で、なんでもアーサーが殺人容疑で逮捕されたというのです。アーサーは「やってない」の一点張りで、妻は「そういえばいとこに鑑識の第一人者がいるじゃないの」と提案するも「リンカーンには伝えないでくれ」というのです。子ども時代は兄弟のように仲の良かったリンカーンとアーサー。しかし大学を卒業してからはずっと疎遠となってしまっています。
ライムは現在、イギリスに逃亡したと思われる犯人を担当していてそれどころではないのですが、(身内のよしみ)で関係者に聞いてみると、アリバイもなし、物的証拠もあるし、容疑者にとっては現時点で(100パーセント分が悪い)といった状態で、裁判になったら有罪は確実だから今のうちに「あっしがやりやした・・・」と自首すれば多少の減刑はあるだろうと弁護士のありがたいアドバイス付き。
しかし、この事件をまとめてみると、気がかりなことが。あまりに証拠が(そろいすぎているの)です。もっというと、容疑者の(条件があまりにできすぎている)のです。容疑者が何者かに濡れ衣を着させられているのではないか。
直近で似たような事件があるか調べていると、まさに今、強姦殺人の容疑者の男の家を包囲しているという情報が入って来て、これはひょっとしてと思い、アメリア・サックスは現場に直行し、容疑者とされている男に話を聞くと、被害者の女性も知らないし全く身に覚えがないというのです。現場から帰ろうとしたサックスは、自分の車にちょっとした異変があると気が付きます。すると銃を突き付けられます。
銃を突き付けてきたのは連邦麻薬取締局の捜査官で、付近でサックスの人相に一致する女性が麻薬取引をしていると通報があったというのです。
アーサーの件と今回の強姦殺人で共通しているのは、匿名の電話通報があったということ。男の声で「叫び声が聞こえた。現場から車が急発進した」というもので、さらに「ナンバーは・・・」と頭の数字(だけ)を伝えているのです。サックスの件もだいたい同じ。
捜査が進んでいくうちに、犯人は情報サービス会社から被害者と犯人(に仕立て上げる格好の人物)の情報を手にしているのではと思い、ニューヨークに本社のある(SSD)という会社があることを知るのですが・・・
前の事件でサックスと仲良くなったパムという女の子が登場するのですが、まるで娘のように思い心配をするサックスと、年頃ならではの悩みや問題ありのパムという、こちらの「人間ドラマ」も、本筋の恐ろしい話の合い間にちょいちょい出てくる、別な意味で「読ませる話」。
当ブログでたびたび言及していますが、海外、特にアメリカのミステリのシリーズものは回を重なるごとに敵側がパワーアップしていってもはや人間レベルではなくなるという問題があって、検屍官ケイ・スカーペッタシリーズなどはまさにこれで、ケイの恋人のFBI捜査官が殺された件の犯人は「催眠術だか心理学だかで容易に他人を操れる」という(なんでもあり)状態。
まあ、それをいってしまうと、リンカーン・ライムの鑑識能力も「神がかり的」なんだけどそれはどうなんだって話ですが、今作の(敵側)も「なんでも知ることができる」という恐ろしい相手だったのではありますが、コンピュータの情報システムの「悪用」という側面があるので、もちろんエンターテインメント性を考えてオーバー気味といいますか、さすがに現実にはそこまではないでしょとは思いますが、情報を悪用すれば神にも悪魔にもなれるという警鐘もあって、楽しめて考えさせられるといった読書の醍醐味を味わえた一冊でした。
ちなみに次に読む本は時代小説、の予定。
この作品は「リンカーン・ライムシリーズ」の8作目。
ライムのもとに「お久しぶり」と訪ねてきた人物が。その人物とはいとこのアーサー・ライムの妻で、なんでもアーサーが殺人容疑で逮捕されたというのです。アーサーは「やってない」の一点張りで、妻は「そういえばいとこに鑑識の第一人者がいるじゃないの」と提案するも「リンカーンには伝えないでくれ」というのです。子ども時代は兄弟のように仲の良かったリンカーンとアーサー。しかし大学を卒業してからはずっと疎遠となってしまっています。
ライムは現在、イギリスに逃亡したと思われる犯人を担当していてそれどころではないのですが、(身内のよしみ)で関係者に聞いてみると、アリバイもなし、物的証拠もあるし、容疑者にとっては現時点で(100パーセント分が悪い)といった状態で、裁判になったら有罪は確実だから今のうちに「あっしがやりやした・・・」と自首すれば多少の減刑はあるだろうと弁護士のありがたいアドバイス付き。
しかし、この事件をまとめてみると、気がかりなことが。あまりに証拠が(そろいすぎているの)です。もっというと、容疑者の(条件があまりにできすぎている)のです。容疑者が何者かに濡れ衣を着させられているのではないか。
直近で似たような事件があるか調べていると、まさに今、強姦殺人の容疑者の男の家を包囲しているという情報が入って来て、これはひょっとしてと思い、アメリア・サックスは現場に直行し、容疑者とされている男に話を聞くと、被害者の女性も知らないし全く身に覚えがないというのです。現場から帰ろうとしたサックスは、自分の車にちょっとした異変があると気が付きます。すると銃を突き付けられます。
銃を突き付けてきたのは連邦麻薬取締局の捜査官で、付近でサックスの人相に一致する女性が麻薬取引をしていると通報があったというのです。
アーサーの件と今回の強姦殺人で共通しているのは、匿名の電話通報があったということ。男の声で「叫び声が聞こえた。現場から車が急発進した」というもので、さらに「ナンバーは・・・」と頭の数字(だけ)を伝えているのです。サックスの件もだいたい同じ。
捜査が進んでいくうちに、犯人は情報サービス会社から被害者と犯人(に仕立て上げる格好の人物)の情報を手にしているのではと思い、ニューヨークに本社のある(SSD)という会社があることを知るのですが・・・
前の事件でサックスと仲良くなったパムという女の子が登場するのですが、まるで娘のように思い心配をするサックスと、年頃ならではの悩みや問題ありのパムという、こちらの「人間ドラマ」も、本筋の恐ろしい話の合い間にちょいちょい出てくる、別な意味で「読ませる話」。
当ブログでたびたび言及していますが、海外、特にアメリカのミステリのシリーズものは回を重なるごとに敵側がパワーアップしていってもはや人間レベルではなくなるという問題があって、検屍官ケイ・スカーペッタシリーズなどはまさにこれで、ケイの恋人のFBI捜査官が殺された件の犯人は「催眠術だか心理学だかで容易に他人を操れる」という(なんでもあり)状態。
まあ、それをいってしまうと、リンカーン・ライムの鑑識能力も「神がかり的」なんだけどそれはどうなんだって話ですが、今作の(敵側)も「なんでも知ることができる」という恐ろしい相手だったのではありますが、コンピュータの情報システムの「悪用」という側面があるので、もちろんエンターテインメント性を考えてオーバー気味といいますか、さすがに現実にはそこまではないでしょとは思いますが、情報を悪用すれば神にも悪魔にもなれるという警鐘もあって、楽しめて考えさせられるといった読書の醍醐味を味わえた一冊でした。
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