ロゴス古書

 年年歳歳 花相似たり
 歳歳年年 人同じからず 

一つの伝承 (Ⅰ´)

2007年05月28日 | 随想・日記

 森口多里さんの「町の民俗」 はしがき に

 これは郷土に対する私の愛情と「家」に対する

私の郷愁とを随筆の形式で表白した」ものだ、と。

 大正初期から昭和の十八年までに伝承者の一人として

書かれた回顧談である。 

 「東北地方の生活を調査したものの文章は大抵農家の

陰惨な方面を物々しく伝えている。

そうするのが社会問題研究者の義務であるやうな書振りである。

 私はそんなのに反感をもっているので、ここでは「家」の

生活の豊かさを回顧する楽しみを汲むことに傾いた。」・・・

 「祖国愛の基礎は郷土愛に在りなどといふ大きなことを

云ふつもりはないが、在京者は郷里といふものを単に調法な

兵站基地のやうに考へ、郷里の定住者はまた偶々の帰郷者を

訳もなく物資鬼集者と見做すようでは、情無い話である。」

 

 戦争真っ只中の昭和十九年に書かれた文章で

水沢の人脈を此処に見た感じである。

水沢は後藤壽庵や高野長英等の人物を輩出したところだ。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。