ロゴス古書

 年年歳歳 花相似たり
 歳歳年年 人同じからず 

自然環境事始のころ

2008年09月12日 | 随想・日記
 宮沢賢治の「東北砕石工場関係稿ー肥料用炭酸石灰ー」(校本宮沢賢治全集第十二巻下)を見ていたら、次のようなことに心が引かれた。
 「-農業上石灰の効用ー」(246頁~)には「大工原博士 土壌学講義 中卷」が多く引用されているのにである。それから大工原は「微生物の働きに依る土壌中有機物の分解」に早くから注目した一人であることにである。上巻の後半は「土壌微生物」の項目を設けてこれに多くを費やしている。

 写真の服部のこちらの本「大地の微生物」は昭和四十年代にでたが、土壌微生物による自然環境をふまえてとりあげた一般向けの研究書で、印象深かった思い出の本であった。深刻な公害問題がとりざたされてきたころであったのである。

 私は関豊太郎の「土壌学講義」を見ていないので良く解らないのだが、賢治は炭酸石灰については大工原銀太郎の「土壌学講義」に多くを学んでいたのであろうと思っている。賢治晩年の座右の本の一冊であろうか。

 ここにこのころの引用著書(読んだ本)を拾ってみると次のようである。

 1 松村舜祐    食糧研究 第六十七号
 2 小野寺伊勢之助 肥料学教科書
 3 大工原銀太郎  土壌学講義
 4 永井威三郎   日本稲作講義
 5 川瀬惣次郎   肥料学
 6 関豊太郎    土壌学講義
 7 工藤技師    稲作肥料設計法(岩手県立農事試験場)
 8 坂本謙平    (稲の生育と肥料吸 収状態)
 9 田崎桂一郎   園芸肥料の知識
 10内田郁太    実験葡萄栽培法
 11冨樫常治    実験果樹園芸
  ざっと以上である。
           つづく

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