私は殆どの写真を携帯カメラで撮影しているので
自らの足がズームレンズ代わりなのだが、
警戒心の強い雌猫や子猫には割りと
時間を掛けて近付くようにしている。
プロ使用の素晴らしいレンズを付けていれば勿論、
被写体である猫との距離がある程度遠くても撮影は可能だし、
初めから距離を保ったままで
自然な姿で猫寄りの絵が撮れる。
写真の事は解からないという人でも
動物写真、特に猫写真で有名な岩合光昭さんの写真と
武田花さんの写真を見れば二人の写真が対照的だと感じる筈だ。
好対照でもあるこのお二人の写真の違いは
猫との物理的距離の差がその一つにあげられると思う。
岩合さんは動物をメインに、武田さんは廃墟と猫が中心という
撮り方やスタイルの違いもあるだろうが、
勿論、私はどちらの写真も大好きだ。
私の場合はたまたま猫に出会った時に
持っていたのが携帯カメラだったので、
出来るだけ猫に近付く事で、なるべく
何処で撮影しているのか解からない様に
かつ、その猫の特徴が解かる写真を撮るように心掛けている。
写真も文章もつたないもので、
自分の見たモノを互いに補う記録的なものだからだ。
でも、これがある意味
写真の基本の一つを学ぶ(まだまだ勉強中ですが)のには
かえって「良かった」と思えたのはしごく最近の事。
学生時代は父親から譲り受けた古いヤシカの一眼レフを
使っていたが、当時はフィルム全盛期。
最近はもっぱら、携帯カメラでばかり撮影しているので、
少し大きなレンズが付いた機種を持つと、
かえってレンズが邪魔に感じたりもする。
有難い事に、デジタル化の波はヘタな鉄砲を
沢山、撃たせてくれる。
自分の子供時代にこんなに便利な物があったなら、
さぞ楽しかった事だろう。
話が大分それたが、猫に戻そう。
そもそも、猫は群ではなく単独で生きる。
特に外で生きる猫達は、
飼われている動物達と違って
心の距離が物理的な体の距離と正比例する。
だからこそ、
距離を縮めつつ撮影する(縮めないと撮れない)
携帯カメラの面白さがあったりする。
勿論、大きなレンズを否定するつもりは更々ないのだが。
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