自宅から見下ろせる、とあるお宅の屋根に
いつも猫たちがたむろする屋根がある。
まるでローテーションでも組まれているかのように
日に寄って違う猫がいたり、連チャンで同じ猫が
ゴロゴロと寝ていたりする。
ある程度の距離(パーソナルスペース)を保って
ポツン、ポツンという具合に。
勿論、極端に熱い日、寒い日や雨の日は別だが。
『白石さん』の子供の『白子』を見掛けないなと思っていたある日、
屋根の上で白い猫と『栗坊』が寄り添って眠っていた。
『白子』かと思っていたが少しサイズが大きい。
良く見ると、『きつね』だった。
『きつね』はちょっと可愛そうな奴で、
たまたまなのか、運が悪いのか、いつも貧乏くじを引く
人に危害を加えられやすい猫で
体のあちこちに不信な傷が沢山ある。
得に顔、猫の可愛いふぐふぐ(髭のふくらみ)が
右側だけ無い。
どんな風に傷付いたのかは解からないが
人間を異常に嫌う癖は、その辺りに原因があるのだろう。
夜に自転車でご飯を持って来てくれる女性がいて
以前、その人には結構懐いてはいたが、
不運が高じて、またバカな誰かに悪戯されたらしく
その女性も再び警戒されているみたいだ。
いつも独りで、群れるタイプの猫ではなさそうだったが
親離れしたばかりの寂しん坊の『栗坊』とは何故か波長が合うらしく
全くの他人(他猫)なのに互いを舐め合い、
落ちる寸前の西日を全身に受けながら
やがて来る夜の冷たい風に備えるように
互いに温め合って眠っていた。
こういう光景を見ると、何だか解からないけど
やりきれなくて悔しくて、バカみたいに泣きたくなる。
弱い者は弱い者同士、それでも、寄り添って力強く生きている。
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