以前(と言うかだいぶ前)、登場した
『髭男爵』と出会った舗装されていない駐車場には
ケモノ道らしく、良く知らない猫が入れ替わりで
ひと時の安らぎを求めてやって来る。
その日も駐車場に猫の姿が見えた。
携帯カメラを出しながら駐車場へと入って行った私はこの瞬間、
何故ココに猫が集うのか…理由がすぐに解かった。
舗装されていない砂利が侵入者の足音を立てるから
寝ていても耳の良い猫達は人間が近付くよりも先に気付いて
安全な場所へといち早く逃げられるからだ。
寝ていたのは片手の母猫だった。
この場所は彼女の家の真裏にあたるので家と家の隙間から
やって来るらしい。
それにしても片手の体でしなやかに逃げる。
私の足音に気付いてすばやく片手の母猫は去って行った。
諦めて帰ろうとすると後ろに視線を感じた。
振り向くと、
車の上から私の様子を伺っている雌ライオンが一匹。
いや、久々の『宇宙人』だ。
一年、いや二年振りかも知れない。
相変わらず細身で華奢な体をしている。
例の首輪(水玉の)はしていないようだ。
その時、以前街中で旧友に再会した時の事を思い出した。
私は学生時代と変わらない容姿の彼女を見て直ぐに気が付いた。
「久し振り、変わらないね。」と声を掛けたが、
彼女は幼い子供を連れていて、幸せそうだと思っていたら
少し立ち話をしてみると、子供を連れての離婚を経験したらしい。
明るく「出戻りだからね…」と口にしながら
「変わらない」と言われた事に少し憤慨した様子だったので
言葉は選ぶべきだったのかも知れない。
「変わりたくない」と思って変わっていく人、
「変わってやろう」と思いながら、あんまり変わんない人。
きっとどっちも似たような事をして時は過ぎて行くんだろう。
それならば、変わってやるぞと思って変わりたいし
変わってたまるかと思って変わらずにいてみたい……
…などと思いながら、次に『宇宙人』に出会う時
私は一体、どんな顔をしているのだろう。
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