デイサービスから帰って来たさっちゃんとそのまま散歩に向かいました。
でも、200mほど歩くと、さっちゃんはお漏らしをしてしまいます。
そのまま歩いても気持ちが悪いのでしょうし、まだ家からさほど離れていませんでしたから、一旦戻ることにしました。
家のトイレでパッドを新しいのに替えて、再びの散歩へ出発。
40分ほど歩いて来て、少しお菓子を食べました。
それから僕は夕食の準備。
7時半前くらいから、さっちゃんの夕食が始まりました。
今日の夕食は思いのほか品数が多くなりました。
昨晩の残りのお味噌汁、玉子サイズのコロッケ2つ、10%引きだった菜の花と春キャベツのサラダ、そして今日作ったおかずがひと品です。
今日作ったおかずは、僕が時々よく作るヨーグルトと塩麹とターメリックに数時間漬けておいてから煮たもの。
中身は豚バラ肉、カリフラワー、里芋、ジャガイモ、エリンギ。
もちろん、玉子かけご飯もあります。
玉子かけご飯以外はさっちゃんの前に並べておきます。
玉子かけご飯には薬も混ぜて食べてもらいますから、いつも僕が食事介助しています。
さっちゃんは箸がきちんと使えません。
1本で使おうとしたり、上下逆さまに持ったりします。
そのたびに正しく持ち直させたりしますから、僕はさっちゃんの横に座っているわけです。
それに、たくさんこぼしてしまいますから、ティッシュでしょっちゅう拭かなければなりません。
そのためにも横に座った方が楽なんです。
いつものように夕食がスタートしました。
いきなり手で食べようとするさっちゃんに箸を持たせます。
さっちゃんはその箸をポ~ンとテーブルの上に置いて、手で食べようとします。
僕はまた箸をさっちゃんの手に握らせます。
でも、今日のさっちゃんはいつもと違って、それでも箸で食べようとしません。
数回そんな攻防があって、さっちゃんはだんだんイラついて来てしまったようです。
僕もそんなさっちゃんの雰囲気を感じましたから、ここは無理に箸を使ってもらわずに好きなようにさせようと思いました。
そういう訳で、僕はさっちゃんの横の椅子から離れて、さっちゃんと向かい合わせの本来の僕の椅子に移ります。
すると、どうした訳か、面前の僕に対してさっちゃんが激しく悪態を浴びせて来るんです。
(悪態と書きましたが、意味不明なので悪態とは限りませんが、そんな感じなんです)
激しい悪態が長く続くので、僕は洗面所へ逃げ込んでお風呂用の椅子に座っていました。
そうしないと、さっちゃんはずうっと怒鳴り続けていると思いますから、食事が進まないのです。
僕が居なくなると、当然ですがさっちゃんは喋らなくなります。
しばらくして、僕は再びさっちゃんの前の椅子に座りました。
すると、またさっき同様の悪態の連続です。
どうも僕はさっちゃんの食事には邪魔なようです。
それで再び僕は洗面所へ。
真っ暗な洗面所でお風呂の椅子に長い時間座っていました。
だいぶん経って戻ってみると、さっちゃんはほとんどのおかずを食べ終えていました。
玉子かけご飯は最初から片付けてしまっていましたから、食べていません。
あと、お味噌汁を残していましたね。
テーブルの上にはこぼしてはいますけれど、予想していたほどではありません。
ただ、手掴みでしょうから両手は汚れています。
油でギトギトな手になっています。
僕はウェットティッシュでさっちゃんの両手を拭こうとしますが、さっちゃんは激しく抵抗!
手は強く握りしめ、近づく僕を押し戻そうとしたり、叩いたりします。
ウェットティッシュで両手を何とか一度拭きました。
手と手の揉み合いの中でですから、どれほど綺麗になっていることか?
ですから、もう一度新しいウェットティッシュで両手を拭きます。
また、激しいバトルが展開されます。
単なる肉弾戦なら完璧に僕が勝利するのですが、その勝利はさっちゃんの強烈な反発と憎悪を生むのです。
僕に向けられる悪態や暴力(僕には痛くも痒くもありませんが)はヒートアップする一方です。
さっちゃんにはもう寝てもらおうと思いました。
でも、寝室にすら入ってくれません。
上着を脱がそうとしても、抵抗するので脱がせません。
それでも何とか、厚手のウールのシャツだけは、蹴られたり殴られたりしながら、脱がすことに成功しました。
それから、さっちゃんは僕の椅子に座ってしまい、そこから動かなくなります。
僕は作戦を変更しました。
テレビを消し、ダイニングの灯りも消します。
寝室の豆電球だけがぼんやりと部屋を照らしています。
そして、僕は洗面所へ。
先ほどのお風呂用椅子に座ります。
洗面所の戸も閉めました。
結構長く座っていました。
さっちゃんは独り暗闇の中。
さっちゃんがブツブツ独り言を喋っている声が聞こえます。
僕もまだここにいるつもり。
ただ、何もせずに長く暗闇で座っているのは嫌になってしまいました。
それで、お風呂場の電気を点けて、そこで漫画雑誌を読んで過ごすことにしました。
その灯りはほとんどさっちゃんの居るダイニングには届かないはずです。
どれくらい経過したのでしょうか?
ダイニングの方向からカチャカチャといった音が聞こえました。
その音をきっかけにして僕はさっちゃんの元へ行ってみることにしました。
ダイニングの灯りを点けると、床にはいろんなものが落ちて散らかっています。
テーブルの上に置いてあった物です。
さっちゃんは居ません。
寝室を覗いてみましたが、そこにもさっちゃんは居ません。
台所の灯りを点けてみました。
一見さっちゃんの姿はないようでしたが、いちばん奥の暗がりが動いているような気がします。
僕の眼はさほど良くありませんから、すぐには気付かなかったんですね。
さっちゃんは台所のいちばん奥で倒れた一升瓶に囲まれて座っていました。
そんなさっちゃんの姿を見ると、僕もそれまでの反感が消えて無くなってしまいそうです。
さっちゃんの両手を取って、体を引き起こしてあげます。
さっちゃんも素直に手を繋いで、僕に引き起こさせてくれます。
さっちゃんの表情はまだ硬いままですが、僕に対する敵意は消えているようでした。
手を引いて寝室に行き、そこで寝巻きに着替えてもらいます。
そして、敷布団へ上がり、横になり、タオルケットを掛け、毛布を掛け、掛け布団を掛けます。
8時半ころでした。
それからのさっちゃんは寝たり起きたりの繰り返し。
起きて来るたびに、寝室に戻します。
途中の1回はおしっこを漏らしたみたいで、トイレへ行って、パッドを替えました。
この様子だとまだ何が起こるか分かりませんから、僕は夕食を食べられませんでした。
やっと9時半ころ、さっちゃんの様子も落ち着いて来たようなので、僕の夕食タイム。
でも、その夕食の間中、さっちゃんは数分おきに起き出して来ましたね。
20回には届かなかったと思いますが、10数回は繰り返されました。
さっちゃんが起きて来るたびに、僕はテレビの録画番組をストップさせ、寝室の戸を先に僕が開けて、さっちゃんを布団の中に入れるんです。
食事も終わり、このブログを書き始めましたが、さっちゃんの寝たり起きたりは終わる様子がありません。
ですから、10時半ころ、僕はさっちゃんの隣りに入り、添い寝することにしました。
添い寝していると、さっちゃんは起きては来ません。
心が落ち着くのでしょうか、しばらくは喋り続けていますが、やがて喋り終わり、寝息を立て始めるんです。
僕は11時過ぎにさっちゃんの横から静かに這い出ました。
台所を片付け、歯磨きをし、このブログを再び書き始めます。
僕が添い寝する前ころのさっちゃんは、起き出して来て僕と顔を合わせるたびに、微かに笑顔を浮かべていました。
あれほど激しく僕とぶつかったことなど、すっかり忘れてしまったみたいです。
記憶がしつこく残る僕などは、あの時の嫌な感情も少しは残って引きずったままなんです。
でも、さっちゃんの過去を引きずらない、屈託のない微笑みは僕の心も軟らかく融かしてくれますね。
何が原因だかまったく分からないさっちゃんの突然の不穏、不機嫌、反抗に僕は翻弄されてしまいます。
そして、そんなことは全然なかったことにしてしまう、さっちゃんの微笑みには僕など勝ち目がありません。
でも、200mほど歩くと、さっちゃんはお漏らしをしてしまいます。
そのまま歩いても気持ちが悪いのでしょうし、まだ家からさほど離れていませんでしたから、一旦戻ることにしました。
家のトイレでパッドを新しいのに替えて、再びの散歩へ出発。
40分ほど歩いて来て、少しお菓子を食べました。
それから僕は夕食の準備。
7時半前くらいから、さっちゃんの夕食が始まりました。
今日の夕食は思いのほか品数が多くなりました。
昨晩の残りのお味噌汁、玉子サイズのコロッケ2つ、10%引きだった菜の花と春キャベツのサラダ、そして今日作ったおかずがひと品です。
今日作ったおかずは、僕が時々よく作るヨーグルトと塩麹とターメリックに数時間漬けておいてから煮たもの。
中身は豚バラ肉、カリフラワー、里芋、ジャガイモ、エリンギ。
もちろん、玉子かけご飯もあります。
玉子かけご飯以外はさっちゃんの前に並べておきます。
玉子かけご飯には薬も混ぜて食べてもらいますから、いつも僕が食事介助しています。
さっちゃんは箸がきちんと使えません。
1本で使おうとしたり、上下逆さまに持ったりします。
そのたびに正しく持ち直させたりしますから、僕はさっちゃんの横に座っているわけです。
それに、たくさんこぼしてしまいますから、ティッシュでしょっちゅう拭かなければなりません。
そのためにも横に座った方が楽なんです。
いつものように夕食がスタートしました。
いきなり手で食べようとするさっちゃんに箸を持たせます。
さっちゃんはその箸をポ~ンとテーブルの上に置いて、手で食べようとします。
僕はまた箸をさっちゃんの手に握らせます。
でも、今日のさっちゃんはいつもと違って、それでも箸で食べようとしません。
数回そんな攻防があって、さっちゃんはだんだんイラついて来てしまったようです。
僕もそんなさっちゃんの雰囲気を感じましたから、ここは無理に箸を使ってもらわずに好きなようにさせようと思いました。
そういう訳で、僕はさっちゃんの横の椅子から離れて、さっちゃんと向かい合わせの本来の僕の椅子に移ります。
すると、どうした訳か、面前の僕に対してさっちゃんが激しく悪態を浴びせて来るんです。
(悪態と書きましたが、意味不明なので悪態とは限りませんが、そんな感じなんです)
激しい悪態が長く続くので、僕は洗面所へ逃げ込んでお風呂用の椅子に座っていました。
そうしないと、さっちゃんはずうっと怒鳴り続けていると思いますから、食事が進まないのです。
僕が居なくなると、当然ですがさっちゃんは喋らなくなります。
しばらくして、僕は再びさっちゃんの前の椅子に座りました。
すると、またさっき同様の悪態の連続です。
どうも僕はさっちゃんの食事には邪魔なようです。
それで再び僕は洗面所へ。
真っ暗な洗面所でお風呂の椅子に長い時間座っていました。
だいぶん経って戻ってみると、さっちゃんはほとんどのおかずを食べ終えていました。
玉子かけご飯は最初から片付けてしまっていましたから、食べていません。
あと、お味噌汁を残していましたね。
テーブルの上にはこぼしてはいますけれど、予想していたほどではありません。
ただ、手掴みでしょうから両手は汚れています。
油でギトギトな手になっています。
僕はウェットティッシュでさっちゃんの両手を拭こうとしますが、さっちゃんは激しく抵抗!
手は強く握りしめ、近づく僕を押し戻そうとしたり、叩いたりします。
ウェットティッシュで両手を何とか一度拭きました。
手と手の揉み合いの中でですから、どれほど綺麗になっていることか?
ですから、もう一度新しいウェットティッシュで両手を拭きます。
また、激しいバトルが展開されます。
単なる肉弾戦なら完璧に僕が勝利するのですが、その勝利はさっちゃんの強烈な反発と憎悪を生むのです。
僕に向けられる悪態や暴力(僕には痛くも痒くもありませんが)はヒートアップする一方です。
さっちゃんにはもう寝てもらおうと思いました。
でも、寝室にすら入ってくれません。
上着を脱がそうとしても、抵抗するので脱がせません。
それでも何とか、厚手のウールのシャツだけは、蹴られたり殴られたりしながら、脱がすことに成功しました。
それから、さっちゃんは僕の椅子に座ってしまい、そこから動かなくなります。
僕は作戦を変更しました。
テレビを消し、ダイニングの灯りも消します。
寝室の豆電球だけがぼんやりと部屋を照らしています。
そして、僕は洗面所へ。
先ほどのお風呂用椅子に座ります。
洗面所の戸も閉めました。
結構長く座っていました。
さっちゃんは独り暗闇の中。
さっちゃんがブツブツ独り言を喋っている声が聞こえます。
僕もまだここにいるつもり。
ただ、何もせずに長く暗闇で座っているのは嫌になってしまいました。
それで、お風呂場の電気を点けて、そこで漫画雑誌を読んで過ごすことにしました。
その灯りはほとんどさっちゃんの居るダイニングには届かないはずです。
どれくらい経過したのでしょうか?
ダイニングの方向からカチャカチャといった音が聞こえました。
その音をきっかけにして僕はさっちゃんの元へ行ってみることにしました。
ダイニングの灯りを点けると、床にはいろんなものが落ちて散らかっています。
テーブルの上に置いてあった物です。
さっちゃんは居ません。
寝室を覗いてみましたが、そこにもさっちゃんは居ません。
台所の灯りを点けてみました。
一見さっちゃんの姿はないようでしたが、いちばん奥の暗がりが動いているような気がします。
僕の眼はさほど良くありませんから、すぐには気付かなかったんですね。
さっちゃんは台所のいちばん奥で倒れた一升瓶に囲まれて座っていました。
そんなさっちゃんの姿を見ると、僕もそれまでの反感が消えて無くなってしまいそうです。
さっちゃんの両手を取って、体を引き起こしてあげます。
さっちゃんも素直に手を繋いで、僕に引き起こさせてくれます。
さっちゃんの表情はまだ硬いままですが、僕に対する敵意は消えているようでした。
手を引いて寝室に行き、そこで寝巻きに着替えてもらいます。
そして、敷布団へ上がり、横になり、タオルケットを掛け、毛布を掛け、掛け布団を掛けます。
8時半ころでした。
それからのさっちゃんは寝たり起きたりの繰り返し。
起きて来るたびに、寝室に戻します。
途中の1回はおしっこを漏らしたみたいで、トイレへ行って、パッドを替えました。
この様子だとまだ何が起こるか分かりませんから、僕は夕食を食べられませんでした。
やっと9時半ころ、さっちゃんの様子も落ち着いて来たようなので、僕の夕食タイム。
でも、その夕食の間中、さっちゃんは数分おきに起き出して来ましたね。
20回には届かなかったと思いますが、10数回は繰り返されました。
さっちゃんが起きて来るたびに、僕はテレビの録画番組をストップさせ、寝室の戸を先に僕が開けて、さっちゃんを布団の中に入れるんです。
食事も終わり、このブログを書き始めましたが、さっちゃんの寝たり起きたりは終わる様子がありません。
ですから、10時半ころ、僕はさっちゃんの隣りに入り、添い寝することにしました。
添い寝していると、さっちゃんは起きては来ません。
心が落ち着くのでしょうか、しばらくは喋り続けていますが、やがて喋り終わり、寝息を立て始めるんです。
僕は11時過ぎにさっちゃんの横から静かに這い出ました。
台所を片付け、歯磨きをし、このブログを再び書き始めます。
僕が添い寝する前ころのさっちゃんは、起き出して来て僕と顔を合わせるたびに、微かに笑顔を浮かべていました。
あれほど激しく僕とぶつかったことなど、すっかり忘れてしまったみたいです。
記憶がしつこく残る僕などは、あの時の嫌な感情も少しは残って引きずったままなんです。
でも、さっちゃんの過去を引きずらない、屈託のない微笑みは僕の心も軟らかく融かしてくれますね。
何が原因だかまったく分からないさっちゃんの突然の不穏、不機嫌、反抗に僕は翻弄されてしまいます。
そして、そんなことは全然なかったことにしてしまう、さっちゃんの微笑みには僕など勝ち目がありません。