さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

今日はほんのりと心嬉しくなる事柄が幾つかあった一日でした

2020-12-02 23:41:50 | 今日一日の暮らしぶり
今日一日は6時20分ごろ、さっちゃんが目覚めたことから始まりました。
僕もすぐに目が覚め、さっちゃんが僕に起きるよう促しているように感じとれましたから、僕も起きました。
こんな早朝に起き出すのですから、とりあえずはトイレへ連れて行きます、しかもちょっと急いで。
トイレ手前では、さっちゃんは明らかに尿意がある雰囲気。
パンツまで脱がして、便座に腰を下ろさせると同時におしっこが。
パンツを見ると、少しですが濡れていました。
パンツを穿き替えて、再び布団の中へ。

8時ころだったでしょうか? 再びさっちゃんが起き出したので、再度トイレへ。
まあ、当然そうでしょうけれど、今回は空振り。
また布団に戻ります。
本当ならばこの時刻ですから僕は完全に起きてもよかったのでしょうが、まだ眠くて、僕も布団の中へ。
実は前の晩は床に就いたのは2時半ころ、眠りに就いたのは3時過ぎていたでしょうか。

次に目覚めたのは9時半ころ。
今日は言語リハビリの日ですから、ここで起きるのが普通です。
これ以上寝てると、ギリギリになってしまいます。

でも、さっちゃんが布団の上で左肘をついて、体を半分もたげています。
そして、僕の体をさすってくれています。
顔、腕、肩、頭、胸、背中、あちこちをさすってくれています。
時には、揉んでくれてもいます。
さっちゃんは僕の様子の何かに心配したんでしょう。
さっちゃんが僕を労わってくれています。
もちろん、さっちゃんがさすってくれたり揉んでくれたりと言っても、マッサージとしてはまったく効果はありません。
それに半分ほどは僕の体ではなくて敷布団だったり毛布だったりをさすったり揉んだりしています。

でも、僕の心へは効果抜群のマッサージです。
前夜、真夜中にはさっちゃんと喧嘩をしていたんです、尚更心に響きます。
起きなくちゃいけない時刻なのに、僕は起きられなくなってしまいました。
この幸せな時間に身をゆだねてしまいました。

結局、僕が起きたのは10時過ぎたころ。
11時20分に家を出たいですから、今から僕の朝食を作って食べ、さっちゃんが朝食を食べて出発の準備をするのはギリギリ間に合いそうにありません。
結局、今朝も僕用の朝食作りは省略してしまいました。
昨日とは違って、パン1枚だけは食べましたけどね。

僕はさらに病院のパン屋さんでパン1個とブレンドコーヒーをいただきました。
言語リハビリが始まる前に血圧を計ろうとしたのですが、さっちゃんは腕を動かしたり機械を触ったりして計ることが出来ませんでした。
さっちゃん、ほんの少しですが、不穏になりかかっていました。

ところが、STのT田先生が来て、リハビリが始まると、今日のさっちゃんは好調。
カレンダーを見ながら、1から10までの数字を読むのも、唇が少しそれらしく動いていました。
ネコの絵を見て、「可愛いね」と言ったり、一度だけ「ねこ」らしい発語があったりしました。
「ふじのやま」や「はるがきた」を歌う際には、声も微かに出ていました。
歌詞はどうだか分かりませんが、音程は正しく歌っていましたね。

今日は途中で「帰る」と言って、席を立つこともありませんでした。
1時間、最後まで先生への集中が途切れませんでした。
何よりも、今日は笑顔がたくさん出ていました。
笑顔のあるリハビリの時間は、横で見ている僕にとっても嬉しいことですね。

とは言え、リハビリが終わると、再度ちょっとの不穏が戻って来ます。
でも、それほど僕に反抗するでもなく、3時半過ぎには帰宅しました。
ただ、ちょっとしたアクシデントが。
家に到着する数分前、路上で突然さっちゃんは尿意を訴え始めました。
身を隠しておしっこが出来るような場所も見当たりませんし、最近は尿意を訴えるとほぼ同時に排尿が始まっています。
僕はさっちゃんの手を引いて、家に戻り、全部脱がして、下半身にシャワーを浴びてもらいました。
途中でトイレに入ってもらおうと考えてはいたのですが、乗車駅ではすぐに電車が入って来て、降車駅ではトイレのことは失念してしまっていました。
失念した僕の失敗ですね。
疲れたのでしょう、さっちゃんは布団の中へ。

6時くらいのこと、僕はそろそろ夕食の準備をしようかな、と考え始めたころでした。
さっちゃんが布団から出て来て、僕に何やら語りかけます。
意味ある言葉は一語も出て来ないのですが、さっちゃんが言わんとする内容は僕に伝わって来ます。
さっちゃんは一人だけで布団に寝ているのが寂しいのでしょう。
しきりに僕にも布団の隣りに入って来るように頼んでいるのです。
いつもなら僕は断って夕食の準備へと向かうはずなんですが、今日は何故だかさっちゃんの願いに応えてしまいました。
さっちゃんの気持ちがいつも以上に伝わって来たからかもしれません。
ちょっとの時間ならいいだろうと思いました。

思いの外、寝込んでしまいました。
病院帰りで、やっぱり僕も疲れていたんでしょうね。
目覚めた時には、すでに夜中過ぎだと思いました。
でも、実際にはまだ9時過ぎでした。
家に帰る途中で買ったバナナとコロッケを食べました。
バナナは1本、コロッケは3個のうち2個。
コロッケはさっちゃんが起き出してきた時のことを考えて、1個残しておきましたが、
この時刻(12時)になっても起きて来ませんから、後で食べようと思います。
簡単な僕の夕食タイム、芋焼酎『三岳』のお湯割りを飲みながらコロッケとポテトチップス。
録画していた『相棒』を観ながら、今日一日の幸せを振り返っていました。
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僕は朝、アラームを2個とも止めて二度寝してしまいました。でも、予定通り天覧山へ

2020-12-01 23:53:59 | 僕の自由時間
さっちゃんがデイサービスの日の朝、僕は2つのアラーム6時半と6時31分にセットしています。
ふたつ目のアラームはセットを解除しない限り、5分おきに何度でも鳴ります。
今朝、僕は二つ目のアラームを珍しく1回鳴っただけでセット解除しました。
いつもは2回、3回、4回と鳴って、だんだんと「起きなきゃ」という気分になっていくんですが、
今朝は最初に鳴った時には起きる気満々だったんです。

・・・・・・・・・・

そして、すぐに起きて時計を見ると、不思議なことに時計は7時29分を表示しています。
あれっ?
6時31分に鳴ったアラームのセット解除したばかりなのに・・・・
一瞬この事態が飲み込めませんでしたが、すぐに理解できました。
僕は二度寝してしまったんです!
二度寝、という言葉の甘い響き、起きたけどもう少し寝たいという誘惑に身をゆだねてしまった幸福感とはだいぶん違っていました。
二度寝と言うよりは寝落ちと言った方がいいのではと思います。
アラームを止めて、「さあ、起きるぞ」と思った途端、意識がどこかへ飛んで眠ってしまったんです。

でも、1時間後に目が覚めて、本当に良かったですね。
僕は短時間で事態を把握し、さっちゃんのデイサービス出発に向けて動き始めました。
単純に言えば、僕が朝食を食べないだけのことなんですけどね。
今朝はさっちゃんの朝食のオートミールを2日分作る日です。
可能な限りふやかして軟らかくしたいですから、時間がかかります。
いつもは牛乳に浸けて1時間ほど置くことにしてるんですが、今朝はすぐに熱を入れなければなりません。
まあ、それでもいつも通り軟らかく出来ました。

さっちゃんをトイレに連れて行き、着替えさせ、口を漱がせ、持ち物を揃え、髪をまとめて、食事の介助をします。
あまり急がせると、逆に反発して、かえって時間がかかってしまいますから、普段通りにさっちゃんペースで進めて行きます。
その合間に、僕も天覧山へ行く用意をします。
無事にさっちゃんをデイサービスに送り出すことが出来ました。


▲天覧山の麓近くにある幼稚園で飼われているヤギさん。行きも帰りも声を掛けます。今日の帰りでは、僕が「めぇ~~~」と鳴くと、それに応えて「めぇ~~~」と返してくれました。何度も。


▲多分、先週あたりが紅葉はいちばん美しかったんでしょうね。今日は盛りは少し過ぎていますが、澄み切った青空のもとですから、それなりには十分綺麗です。


▲真っ赤な楓の葉っぱすべてを太陽の光に透かすと、本当に綺麗に輝き始めます。


▲天覧山最下部岩場に着きました。まずは朝食です。駅のパン屋さんで「ハイジのサクサクチキンサンド」を買いました。どこがハイジなんだかよく分かりませんが、美味しかったです。コーヒーをドリップしましたが、この時、このコーヒーが今日初めての飲み物だと気付きました。起きてから白湯すら飲んでなかったんですね。いつものコロッケも食べました。

ここ最下部岩場は南向きですから、冬の北風も吹き込んで来ません。
杉の木と木の間から差し込む陽光だけで十分に体も温まります。
こんな空間に僕だけがひとり居ることだけでも、ほんわかと幸せを感じます。
そして、肉体を動かして自分の好きなことを一生懸命する、そんなことが出来る自分の健康にも感謝ですね。

いつも通りのトレーニングを始めました。
・1往復のトラバース
・10往復のトラバース

最初と最後、そして間では柔軟体操やストレッチも行ないます。
前回から10往復のトラバースはその日の目標ではなくウォーミングアップになっています。
10往復はミスもなくしっかり出来ましたが、前回より少し息が上がりました。
でも、この程度の違いは問題ではないでしょう。

10往復できたので、お昼ご飯の塩くるみパンを食べ、上のトラバース岩に移動しました。
今日の目標はこのトラバース岩の左から右への片道トラバースの完成です。
とはいえ、そんなに簡単には達成できないでしょうから、出来なかったとしても問題はありません。


▲僕愛用のクライミングシューズです。僕はグレードの高いフリークライミングはしません(出来ません)から、これは本番用シューズでもあります。丸1日履き続けていても、足が痛くはなりません。最下部岩場ではムーンスターのジャガーという運動靴を使っていましたが、トラバース岩には運動靴では立ち込めません。クライミングシューズでないと無理なんです。


▲トラバース岩のスタートはこの位置から。この姿勢には誰でもがなれます。写真でも分かるようにここはハイキングコースなんです。ですから、ハイカーが通るたびに僕は岩から離れることにしています。まだ岩に長くへばり付いておれないから。

前回からジグソーパズルのピースを探していくように、ホールド(手がかり)とホールド、
スタンス(足場)とスタンスをどのようなムーブでつなげて行けばいいのか、探り続けています。
上手な人、強い人なら少々無理なムーブでも無理に見えずにつなげてしまうかもしれません。
でも、僕のように下手で弱い人間はいちばん無理のない合理的なムーブでないとつながらないんですね。
同じホールドやスタンスを使っても、手や足を動かす順番が違うだけで、出来たり出来なかったりするのです。
例え、最適なホールドとスタンスを使う順番が解明されても、それを使う際の体勢の取り方で成否が違ってくるのです。

ですから、今は実に楽しい作業をしている最中なんですね。
パズルを解く楽しさと同じなんです。
大雑把に言って、先週から3箇所でジグソーパズルのピースがつながらない状況なんです。
もちろん、細かく言えばもっと多い箇所でピースがつながらないのですがね。
今日はその最初の1箇所がほぼつながりました。
2箇所目もつながりかけています。
3箇所目は頭の中ではほぼつながりました。
実際に体を動かすとからきしなんですけれど。

今日はいい時間になりましたし、ここらへんでそろそろ終了とします。
左から右への片道トラバースは今日も完成しませんでしたが、少しはより完成に近づきました。
それに本当に楽しめましたから、それで十分です。


3時ころ帰宅し、シャワーも浴びました。
さっちゃんも帰って来て、2時半ころ、おしっこもしたそうです。
散歩に行く前に念のためにトイレに連れて行こうとしたら、直前で漏らしてしまいました。
お湯で絞ったタオルでお尻周辺を拭いてあげました。
すでに陽は沈み、暗くなっていますけれど、さっちゃんと散歩に行きました。

夕食時、さっちゃんは間違った箸の使い方をしたり、指で食べたり、散らかしまくって、僕の食事介助も受け入れてくれませんでした。
さっちゃんと僕との間にちょっと険悪な雰囲気が漂ったまま、半分も食べないでさっちゃんは寝てしまいました。
そして、夜中の11時ころに起き出して来て、今この時間(12時半)も僕に纏わり付いて、ずうっと僕に文句を言い続けています。
僕に対して嫌なこともいろいろするので、僕も大きな声で叱ったり、体を押したりしてしまいます。
ずうっと、何だか分からない自分への文句を聞き続けなければならない精神的苦痛は想像以上です。

一切無視できればいいのかとも考えるのですが、PCを叩いたり、掛け布団をずるずると引っ張って来たり、玄関からサンダルを持って来たり、
お風呂の「おいだき」を押したり、スマホをどこかへ持って行こうとしたり、ありとあらゆる予想しないことをしますから、無視することが出来ません。
だんだんと僕の精神にも余裕が無くなって来るのです。
こんな時に暴力で解決しようとする人の気持ちも分かる気がします。
一瞬、実にスカッとするのでしょうね。
でも、その結果が悲惨なものであることは明らかですし、僕自身の精神の方がもっと悲惨でもっと惨めになることが手に取るように分かります。

今、12時50分、さっちゃんは疲れたのでしょうね、自分で布団にもぐり込んで寝たようです。

夫婦ですから、互いに相手を愛おしく想い優しくありたいと思っています。
それはさっちゃんも同様でした。
今でもさっちゃんの心の根底にはそんな気持ちが眠っていると思います。
逆に、夫婦ですから、喧嘩もします。
自分の素の気持ちをぶつけ合うのも夫婦です。
妻が認知症になったら、妻と夫婦喧嘩をしたらいけないのでしょうか?
理屈では分かっています。
僕がさっちゃんを怒ったりすると、その時の嫌な感情が蓄積される、ということですよね。
よく分かっていますけれど、さっちゃんと僕は患者と介護者である以上に、やっぱり今でも夫婦なんです。
良くも悪くも夫婦同士気持ちをぶつけ合う、そんな二人のあり方を変えるのはとっても難しい。
考え始めたらきりがありません。
天覧山のことだけ書くつもりでしたが、今日のさっちゃんとのこともついつい書いてしまいました。
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