「ヘッポコ 征夷大将軍/長谷川ヨシテル著」
歴史が苦手、という人は意外と多い。
それは、日本の歴史教育がひたすら暗記に頼る式のやり方で、興味を持って何かを掘り下げるより「とにかく受験のために覚えなきゃ損」で膨大な歴史の事項を詰め込んでいかなくてはいけないからだ。
詰め込んで、だからどうだと言うのだ。
社会人になってしまったら、歴史は一部の人以外には、単なる頭の中の知識の集積の一部でしかないものになってしまうのだ。
歴史は知れば知るほど面白いものかもしれないのに、興味の窓を開くことにたどりつくまでに、かなり気力消耗・げんなりする学問かもしれない。
そんな学生時代につまんない思いをした人たちにも、この本なら楽しんで読めると思う。
とにかく登場人物が人間くさい。
この作品では、くさい・・・というより「いるいるこんなヤツ」なのだ。
それがたとえ歴史上の「偉い」とされている人でさえも。
それと、客観的な評価が低くて凡庸なヤツも、この本の中にはいっぱいいる。
凡庸に問題はあるかもしれないけれど(いや、凡庸は災厄を呼ぶかも)、後世の評価の高い偉人だけが歴史を作っているわけじゃないのだ。
偉人の中に混じっている「へっぽこ」もこの長い長い歴史を作っているのだ。
だったら別に歴史に名を残さないような者は、へっぽこでもいいじゃん。コロナ禍に右往左往してても。
そう思っておいらも少し安心したいのかもしれない。
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