
「文車(ふぐるま)日記」
田辺聖子 著
以前、ヤプミーさんにお薦めいただいた本です。
僕は読む本は基本的に買う主義なのですが、地元の書店に無かったので注文し、取り寄せてもらいました。
内容は、田辺聖子さんの手による、日本の古典文学の紹介書です。萬葉集、平家物語、更級日記や土佐日記、源氏物語、古事記、日本書紀などの定番から、近松、西鶴、馬琴といった近世文学、はては落語や川柳、明治時代に翻訳された聖書まで、取り上げた題材の幅の広さ、理解の深さ、教養の高さには感服いたしました。
僕は大学の卒論に安藤広重や葛飾北斎のことを書いたので、その時、関連してほんの少しばかり江戸中期~後期の文化も勉強しました(もう大半は忘れてしまいましたが(笑))。だから、馬琴や柳亭種彦、式亭三馬、山東京伝といったその時代の戯作者達のことが力を入れて取り上げられているのが、とても懐かしくて、嬉しかったです。
人間って、数百年前、千年前も、今と同じように恋に悩み、人生に挫折し、精一杯生きていたんですよね。田辺さんの筆にかかると、古典の中の人物が、生き生きと躍動し始めます。
一つ一つの文章は短く読みやすいですが、どっしりと重量感のある本です。
大変勉強になりました。
紹介してくださったヤプミーさんに感謝します。
ありがとうございました。
m(__)m
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます