みやこ海風だより

市議会報告からNPO活動、海を活用したまちづくり、文化創出のまちづくりをベースにしたつぶやきです。

津波 先人の教え

2011-04-01 09:52:18 | Weblog
昨日、太平洋に面した重茂半島の漁村を取材してきた。

震災後、道路も復旧したというので、音部、里、姉吉、千鶏地区を回ってきた。

鍬ヶ崎や田老地区と同じように、漁村の町はほぼ壊滅的だった。

しかし、この半島は過去の津波の教訓を生かし、高台地域に多くの家が建てられている。

そのため被害にあったのは低い平地にある家屋や漁業施設が中心だった。

昨日も家族が見守る中、瓦礫に埋もれた住居跡で自衛隊による行方不明者の捜索が行われていた。

本当に胸が痛む思いだ。



宮古市内には明治29年、昭和8年の大津波に関係する石碑が47基ほどある。

足を運んだ半島南にある姉吉地区は十数世帯の小さな集落だが、

ここは奇跡的に一つも家屋が流されることはなかった。

それは先人による教えが守られていたからである。そのことがこの写真の石碑に

刻まれていた。昭和8年の津波のあとに建立されたものだ。

「明治29年も此処まで波が来て、は全滅し生存者は僅かに前二人、後に四人のみ、

幾歳経るとも、用心何より」「高き住居は児孫の和楽 想え惨禍の大津波 此処より

下に家を建てるな」

とある。


石碑は浜から約800メートルほど上部にある。

確かにこの石碑から下に人家はなかった。

浜まで降りてみた。

大きくS字に曲がりくねった急峻な谷間にある沢沿いの道だが、

津波はこの石碑の下の所まで来ていたことに驚いた。

それは巨大なエネルギーとなって、この谷間の道を一気に駆け上がってきたものだ。

周りの風景がそれを物語っていて、その恐ろしさに何故か身震いした。

先人の教えは尊い。