月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.43 ジョニー、ルイス&チャー「フリースピリット」

2022-05-20 01:42:30 | 厳選ライブ盤

スピード、グルー&シンキの解散以降、ルイズルイス加部さんは

殆ど表舞台には立たなくなっていました。

そんな中、芸能界に嫌気がさしてまたロックをやりたいと思っていたチャーが、

当時共演することが多かったゴダイゴのミッキー吉野さんから推薦されたのが、

ゴールデンカップスで共に演奏していた加部さんでした。

そして金子マリ&バックスバニーにいたジョニー吉長さんを加えて

ジョニー、ルイス&チャーが始動することになったわけです。

 

ゴダイゴにミュージシャンシップを刺激されたと本人は語っており、

また某事件の影響で当初の予定よりJL&Cのデビューが遅れたなど、

かなり反発していたようで、無謀な試みをすることになります。

それがノーギャラ、ノーペイメント、ノーチケットで開催された

「フリースピリット」です。

そして蓋を開けてみれば、当日は雨だったのにも関わらず、

日比谷野音には1万4千人の人が集まったとの事です。

 

当日の演奏を編集し、当初は3000枚限定で発売されたのが

このアルバムです。オープニングで演奏された

「イントロダクション」におけるロック仕立ての君が代は、

ウッドストックにおけるジミ・ヘンドリックスのアメリカ国歌の

演奏のオマージュでしょう。

それ以外でも、「WASTED]や「ナチュラルバイブレーション」等、

後年よく演奏される曲もありますが、チャーのソロアルバムに

収録されている「SHININ YOU,SHININ DAY」のJL&Cバージョンは必聴ですね。

当日は悪天候というのもあり、演奏も荒い部分が多かったようで、

ギター部分の差し替えもあるみたいですが、

これはこれで完成しているとは思います。

 

なお、後年になって不明だったマスターテープが見つかり、

当日のライブの完全版に加えて、資料用に録画した映像もDVD化し、

チャーのインタビュー映像を加えたものが発売されています。

 

JL&Cは1994年に解散するのですが、最後のライブも日比谷野音でのフリーコンサート

「フリースピリット94」でした。前もって整理券が配られていたのを知らなかったので、

中に入ることが出来ず、泣く泣く外で音だけを聴いていたのでした。

(幸いにもその時のライブも完全版ではないですが商品化はされています)

その日もやはり最初の時と同じように雨でした。

 


NO.42 スピードグルー&シンキ「MAAHNGAMYAUH」

2022-05-18 14:08:38 | 日本のロック

2021年は、日本のロックの発掘物が多々あったようだけど、

レコードコレクター誌の恒例のリイシューベスト10で

スピードグルー&シンキのライブ音源の発掘を知った時は驚きました。

ライブ音源なんて存在しないと思っていただけに、これは聴かなければと。

それも40分弱のある程度まとまったもので。

50年前の音源、よくぞ残っていてくれました。

 

スピードグルー&シンキは、

陳信輝(ギター)exパワーハウス、フードブレイン

ルイズルイス加部(ベース)exゴールデンカップス、フードブレイン

ジョーイ・スミス(ドラム)

のスリーピースバンドです。70年代初めにアルバム2種を発売して解散。

ブルース色の強い所謂ニューロックに分類されますが、

日本のバンドとは思えないセンスの良さをしています。

アルバムのアートワークもあか抜けていました。

そんな感じでマニア受けはしたでしょうけど、

一般的には受け入れられなかったようで、

売れ行きは芳しくなかったようですね。

しかしながら、海外では一部マニアに評価が高かったようで、

正式なものかはわかりませんが、海外でもプレスされていたようです。

(昔からオリジナルアナログ盤はレアでしたが、今では状態のいい帯付きなら

6桁価格も珍しくないかと)

フラワートラヴェリンバンド、トゥーマッチと並んで

日本が世界に誇っていいバンドだと自分では思っています。

 

SPEED, GLUE & SHINKI/MAAHNGAMYAUH - YouTube

 

調べ物をしていたら、このアルバムについての

陳信輝さんのインタヴューを見つけました。

流石に年をとったなぁと。

残念ながら加部さんは亡くなられていますが、

陳さんは元気そうでなによりです。

 

スピード・グルー&シンキは終わらない。陳信輝と李世福が語る60~70年代横浜ロック史 | Mikiki


NO.41 映画「エルヴィス」は7月公開予定

2022-05-13 23:02:11 | 映画

今日13日は「シン・ウルトラマン」の公開初日。

散々宣伝していたけど、見るかどうかは微妙。

ウルトラマンは好きだけど、これは別物って感じだしなぁ。

 

で、久々に映画関連を調べていたら、気になっていた映画「エルヴィス」

が7月に公開予定だという事。予告編もちらほら上がっていました。

 

映画『エルヴィス』US版予告 2022年7月1日(金)公開 - YouTube

 

世代的に違うけど、ロック界のレジェンドの映画は気になります。

「好きにならずにいられない」とか「監獄ロック」とかしか知らない

ですが、内田裕也さんが好んでいた、所謂ロッケンロールを

楽しめたらいいなと思っています。

しかし、本当に今年は音楽関係の映画が多いなぁと。

 


NO.40 映画「戦慄せしめよ」

2022-05-10 22:46:25 | 映画

結局、GWは仕事と映画を見るだけで終わってしまった。

何とか都合をつけて見れた映画が「戦慄せしめよ」

本当は「ユナイテッドステイツVSビリーホリディ」とかも気になったけど、

残念ながら上映期間がバッティングしてしまったのでキャンセル。

 

「戦慄せしめよ」は、太鼓芸能集団鼓童の40周年記念映画です。

現代音楽家の日野浩志郎さんとタッグを組んで、今までの鼓童とは違う一面と

鼓童ならではの演奏を、本極地である佐渡の自然や建物をバックに

見る事が出来ます。

台詞はなく、鼓童の演奏を組み合わせたものになります。

時には滝をバックに、時には寒い冬の中での舞台で。

ラストは日本海の荒波の映像が流れる中で太鼓が響いていました。

 

自分にとって大太鼓は、年に一度の故郷の祭りでの印象が強いです。

字ごとに屋台と大太鼓があり、2日間にわたり町内を練り歩きます。

直径2メートルはある大太鼓は、叩くと窓ガラスが響くくらいの音でした。

そして最後には中心の神社に集まり一斉に太鼓を叩き続けます。

自分は積極的に参加はしなかったですが、それでも強烈な印象を

刻んだのでした。

そういう背景もあり、鼓童は今まであまり見る機会がなかったとはいえ、

映画を見ようという気になったのでした。

 

日野さんとのコラボは、賛否両論があろうとは思いますが、

新たな一面を見る事が出来たのではないかと思います。

でもやはり、大太鼓を両面で二人の奏者が叩きあうシーンは圧巻で、

すっかり演奏に見入ってしまいました。

 

パンフレットの撮影の苦労した点等のエピソードを読んでみていますが、

やはり太鼓の響きは生演奏で感じとりたいと改めて思いました。

コロナ過の中、中止が続いている地元の祭り、

コロナが落ち着いて開催されるようになったら、見に行ってみたいなと。

 

音と映像だけで語られる、見えないはずの音に震える/映画『戦慄せしめよ』予告編 - YouTube

 

 


NO.39 死ぬまでロックンロール

2022-05-07 23:35:06 | アラカルト

紫関連でYouTubeを検索しまくっていたら、とんでもないものが

お勧めに上がってきました。

宮永英一(チビ)さんが老人会の忘年会らしきものに呼ばれて

演奏している映像。

公民館みたいな会場にドラムセットを持ち込んで

スリーピースバンドでの演奏。当然ながら見ているのはお年寄りばかり。

まず最初の挨拶は、方言がきつくて何を言っているのかわかりずらいけど、

当時のライブの思い出っぽい感じが。

そして演奏は、まるでブレる事もなく、

アイアンバタフライの「ガダダヴィダ」からスタート。

そしてクリーム、ディープパープルとロックの名曲が歌われています。

編集が雑なのが残念ですが、チビさんはこの時で60代後半のはずなのに

パワフルなドラムとボーカルを聴かせてくれます。

 

老人とロック、すべての心を癒す宮永英一ロックバンド - YouTube

 

近年では、自身が経営するライブハウスを伝説となっている

「キャノンクラブ」に改名、オープニングではキャナビスを

復活させています。ロックの火を消さないように頑張る姿は、

さすが県ロック協会初代会長だけありますね。

 

Cannon Club on BC Street "Re-Born Parties" - Series 2 - - YouTube

 

もう70近くになるはずですが、まだまだ元気一杯。

まあ、死ぬまでロックやり続けるでしょうね。

やれる所までやってほしいです。