スピード、グルー&シンキの解散以降、ルイズルイス加部さんは
殆ど表舞台には立たなくなっていました。
そんな中、芸能界に嫌気がさしてまたロックをやりたいと思っていたチャーが、
当時共演することが多かったゴダイゴのミッキー吉野さんから推薦されたのが、
ゴールデンカップスで共に演奏していた加部さんでした。
そして金子マリ&バックスバニーにいたジョニー吉長さんを加えて
ジョニー、ルイス&チャーが始動することになったわけです。
ゴダイゴにミュージシャンシップを刺激されたと本人は語っており、
また某事件の影響で当初の予定よりJL&Cのデビューが遅れたなど、
かなり反発していたようで、無謀な試みをすることになります。
それがノーギャラ、ノーペイメント、ノーチケットで開催された
「フリースピリット」です。
そして蓋を開けてみれば、当日は雨だったのにも関わらず、
日比谷野音には1万4千人の人が集まったとの事です。
当日の演奏を編集し、当初は3000枚限定で発売されたのが
このアルバムです。オープニングで演奏された
「イントロダクション」におけるロック仕立ての君が代は、
ウッドストックにおけるジミ・ヘンドリックスのアメリカ国歌の
演奏のオマージュでしょう。
それ以外でも、「WASTED]や「ナチュラルバイブレーション」等、
後年よく演奏される曲もありますが、チャーのソロアルバムに
収録されている「SHININ YOU,SHININ DAY」のJL&Cバージョンは必聴ですね。
当日は悪天候というのもあり、演奏も荒い部分が多かったようで、
ギター部分の差し替えもあるみたいですが、
これはこれで完成しているとは思います。
なお、後年になって不明だったマスターテープが見つかり、
当日のライブの完全版に加えて、資料用に録画した映像もDVD化し、
チャーのインタビュー映像を加えたものが発売されています。
JL&Cは1994年に解散するのですが、最後のライブも日比谷野音でのフリーコンサート
「フリースピリット94」でした。前もって整理券が配られていたのを知らなかったので、
中に入ることが出来ず、泣く泣く外で音だけを聴いていたのでした。
(幸いにもその時のライブも完全版ではないですが商品化はされています)
その日もやはり最初の時と同じように雨でした。