星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ゴルフな英会話(5) ディボット

2006年12月03日 08時21分14秒 | Weblog

話が途中で切れたので、注目したカタカナ英語の残りの部分を下に再び記します。

ラッキーにもボールはディボットの上。迷わずスプーンを取り出して振り切った私のボールは幸運にもグリーン手前のバンカのマウンドにキックして見事にパーオンです。 

フェアウエーのど真ん中に落ちたベストショットがディボットに「入って」ガックリなんて経験は誰にもありますよね。アイアンで削られたディボットが砂で埋められていればまだしも、穴のままで残され、そこにボールが沈み込んだりしていたら泣いても泣ききれません。あの憎らしい「穴」をディボットと40年間思い続けて来ましたが、私の誤解だったことが最近分かりました。目からうろこでした。

実は、このディボット(Divot)とはアイアンショットで地面が削られたときに飛び散る芝生の付いた土の塊(いわゆるturfターフ)のことで、削られた跡に残された穴のことではなかったのです。このことを私は最近まで知りませんでした。したがって、切り取られたままフェアウエイに残されたDivotの上に球が止まって浮き上がったような状態になる幸運があったとしても、Divotの中にボールが沈み込むことはあり得ないことなのです。

たしかにコースの看板には次のように書かれています。
Replace the divots, Repair the ball marks, and Rake the bunkers.
グリーン上のボール穴は「repair直せ」、バンカーの砂は「rake均せ」に対してディボットは「replace元に戻せ」とはっきり書いてあります。削ったDivotは元に戻すか、元に戻すほどの量のディボットが取れないわれわれは、せいぜい芽土でディボット跡の穴を埋めるように心がけたいものです。

ディボットについて私と同じ誤解をしているゴルファーが多いのではないかと思うあまり、いささか気合が入り細かくなりすぎました。前に進みましょう。

パットをするグリーンはgreenでOKですね。greenだけでは漠然としているせいか、putting greenとわざわざ説明する場合もあるようです。

「パーオン」はあまり聞きません。英語ではhit(reach) the green in regulation が一般的ですね。He is on in two.(パー4で2打でオン) He is on in regulation (規定数でオン)とも聞きます。これも和製英語なのでしょうが「パーオン」なんて言い得て妙ですよね。こうしてみると誰が言い出したか知りませんが、日本での長いゴルフの歴史の中で素晴らしい和製英語がずいぶんたくさん生まれてきているものです。体験した異文化を知恵を絞って工夫して自国文化に移植して根付かせた、先達の異文化コミュニケーション能力に脱帽です。

次が「キック」です。Kickとは本来の意味は「(足で)蹴る」自動詞ですから、意志を持たないボールがマウンドに当たって「はね返される」場面に使うには論理的に無理があります。ボールを擬人化して「けっとばせ!」「マウンドを蹴ってオンしろ!」と命じる日本語文化の産物ではないかと、これは私の勝手な解釈です。

直進したら池ポチャ、途中のマウンドに当たって右か左にはずんでもらいたい時には私も思わずKick right! とかKick left!とボールに語りかけます。これで意味は通じているようですから、Kick が間違いとはいえません。そしてそのとおりにキックしてくれた時に同伴プレイヤーから冷やかされたことがあります。
Hey Sanzo. Don't talk to the ball while in motion! 
動いているボールに触ってはいけない(Do not touch the ball in motion.)と言うゴルフの基本ルールをもじった、なかなかウイットに富んだ表現だと感心したものです。

打った者の意志とは無関係に地形や構築物にボールが跳ねられて進路を変更する状態、つまり「蹴られた」場合はBounceと表現するようです。
「ナイスキック!」に相当する表現としてよく耳にするのは次のようなものです。
Good bounce!  (ナイスキック!)
What a lucky bounce! (ラッキーなキックだねぇ!)
That's a member's bounce! (いよっ!メンバーキック!)
「さすがメンバーさん。どこでどうキックするか良く知ってるじゃん!」

細かくなりすぎました。グリーンに上がりましょう!