「怒ってくれる人がいない」

数年前、私はうつ病を患い、精神病院でリハビリをしていた。

そこには家族もなく、一生を病院内で過ごすことを余儀なくされた人もおり、なんとも言えない状況で一緒にリハビリをしていた。

「僕は関係なく、本気で怒っていましたけれどね」
「彼らにはちゃんと理にかなって怒ってくれる人がいないんだ」

リハビリ担当リーダーから漏れた一言。

理不尽に怒る患者はたくさんいる。

怒るべき場面でも、スタッフは怒ることができない。

同じ患者として、理にかなって怒ってくれる人がいることは、とてもありがたいことだったと。



うーん。そんな大役が任されていたとは知らなかった。

しかし怒ることもそれはそれで大変なんですよ。

怒るまでに、怒る以外に対応できる方法を検討する。

それで当人以外に対応が可能か不可能かを検討した上で、怒る根拠を確定させて怒る。

疲れます。

心穏やかに生きたいのだけれど、なかなかそうもいかなくてねぇ。

それも含めてリーダーとかなりたくないんです。

つまらんやつが、リーダーの立場にのさばって威張り散らしていたら蹴落とすけど、その座に代わりにのさばるつもりが無く。

けつくせ。
（Qu'est-ce que c'est ?　仏：これはなんですか？）

もとい、めんどくせ。