満たされているときは、別に必要だとは思わないんですよね。
失って初めて気づく。
健康なんて最たるもの。
健康なうちは、いつ死んでもいい、なんて思うんですよ。
ところが、どこか悪くなると、健康を望むようになる。
さらに悪くなって、死にそうになると、生きたくなる。
いきなり死ぬなんてそうそうない。
特に日本では、死はジワリジワリとやってくる。
いつ死んでもいいなんて思っていても、実際にジワリジワリと死が近寄ってくると、生に執着したくなる。
健康だけではなく、生活もそう。
仕事もそう。
肩書もそう。
お金もそう。
家もそう。
他人の好意もそう。
異性の性欲もそう。
実際に失うとなると執着する。
執着なんか元から無ければ最強なのだけど、長く生きると色々なものを知らないうちにくっつけてしまっていたり、いつの間にか慢心していたりする。
それらに特に執着がなかったとしても、人を殺してでもそれらが欲しい人はたくさんいるので、いらないという姿勢は示さない方がいい。
健康と命は、他人から奪えないと思うのだけれどね。
奪えると思う人もいたりするので。