ささかのブログ

雑多な思考整理のためにブログを活用中。
自分が生きやすくなればいいと思うけれど、教祖になるつもりはない。

社会構造と企業文化と個性

2023-10-31 22:57:41 | Office
あまり考えたくはないけれど、生まれ育ちの問題はあるのかなと思う。

社交性などは、なかなか身につかない。
生まれ持った人間関係。
例えば政界財界へのつながりとか。

政財界のルールは、それは現場仕事を主に担当する人のルールとは違う。
いかに、国家的長期的先行きや、人を使役するかという問題を扱う。

それにしても、現場的な問題がクリアできていることが重要なのだけれど、そのあたりも他の人がしっかりやっているのであれば問題ない。

面倒な仕事は人に割り振る。
自身は長期的社会問題の対策に従事する。

そういう役割の人も存在する。


私自身は生まれ育ちが社会の底辺だけれど、ものづくりの最上位工程の研究開発設計に従事することができた。

どのようにしてものを作るかを決定するのだけれど、現場の苦労を知っているため、その解決方法を考えて、ものの加工指示をする。
場合によれば現場に行って一緒に問題を解決する。

それができる人は、実際のところ非常に少ない。

一般的にそのような仕事に就くのは、勉強ばかりやって四大に進んだ人間。
そもそも、現場で溶接作業や鋳造作業、オイルにまみれて切削加工など経験していない。
電気回路をはんだごてを使って製作さえしていない。
だからどうやってものを作ればいいのか、どういう指示ではものを作れないのかを知らない。

そんなことは、どんなにDX(デジタル・トランスフォーメーション)などの効率化をやっても、どんなに会議を行っても、根本的解決にはならない。
実際にやって作ってみることが重要なのだけれど、それをしない限りわからない。

少なくとも現場に行って担当者の意見を吸い上げる必要がある。


しかし、現場の能力だけではどうにもならない問題も存在する。

開発リソースを適切に配分するということ。
人を分散させる労務問題や、収入支出を適切に管理する財務会計。
これらの処理作業には、ものづくりとは全く違う能力が必要になる。
特に扱う額や組織が大きくなるほど、特殊で複雑な処理が必要になってくる。

別の技術が必要になってくる。

企業事業規模が大きくなると、それこそ国家へのパイプが重要になってくる。
国策を超える能力を持っているのであれば、国を変えることができるが、それさえもうまく手駒にしようとするのが政治家である。

だから本田宗一郎は反国策主義を取った。
とにかく、政治的な活動には迎合しない。
だからこそ、ホンダは早期に世界へ進出できたとも言える。
日本の慣習にとらわれない決定をすることができた。
それは、しっかりと問題に立ち向かって、解決していったためできた、自立した思考があったからこそではある。
現場現物現実を原理原則で解決する、5ゲン主義を地道に積み重ねて、自らの意思決定に活かす成長路線を取ったからできることである。
いわゆる、小さく産んで大きく育てる戦略。

注意すべきは、すべてのホンダ社員がそのような自立した人間ではないということ。

それに反して、日産や三菱(自動車・電気も含む)は、国策と迎合した。
ある程度まではうまくいくが、自主性や主体性を政治家に委ねてしまうため、最終的な判断ができなくなる。
問題が出たら、自ら解決するのではなく、隠蔽して、上部へは問題ないと報告することが慣わしとなる。
それが、「賢い」解決策となる。

当然組織腐敗していく。

その中間を目指し、更に統合発展したのがトヨタだと思っている。
しかし、トヨタは国策を超える戦略を持つ必要がある。
政治家以上の判断決定をしなければならない。
強い力を持つがゆえに課せられる義務が発生する。
政治家よりも正しい判断をし続ける必要がある。
世界的な問題を発生させない義務。
日本の社会だけではなく、世界経済へも影響を与える。
労働者雇用にも影響を与えるし、失業者対策にも影響がある。
かつての80点主義以上の施策が必要。
80点以上の100点を目指すため、ミスをとことん無くしていく、カイゼンや5S3定、カンバン方式やDRBFMといった手法が必要になる。

それらの手法は必要だから開発されたのだ。

しかしこれは歩みを止めれば当然劣化する。
常にカイゼンし続け、記録を残し活用できなければならない。

一般的中小企業がその危機意識を真似て実行しようとしてもたどり着けない。
必要性が違うから。
だから表向きのカイゼンを真似る程度になる。
それでも一定の効果は出る。
しかし商品の販売規模が世界的に影響を与える存在にならない限り、その上の質を求める必要はない。
大抵、そこそこのレベルでお茶を濁すことになる。
緊張感が保たないのだ。


最初に戻ると、私はどちらかといえば現場の問題解決を積み重ねてきたタイプの人間だと思っている。
政治的な駆け引きは得意ではないし、口下手だし、公報の頭を取れるほどのカリスマ性はないと思っている。

まぁ、だからこそ扱いには困るだろうなと思うフシはある。

一般的な就職というものがし辛い現実を顧みるに、一般以外を目指す必要があるのだろうなと考えている。

日本を出たいという希望は、日本ではしんどいからという現実問題に立ち返っての解ではある。

それなりに苦労しないといけないのだけれど。
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