ニッポンの製品は、品質が高すぎる。
だから価格競争力がなくなるし、品質偽装が発生する。
ええ、それはもっともだと思いますよ。
ただね、
高品質を知っていて、高品質な製品を出すことができるけれど、必要な品質に抑えるのと、
最初から高品質を目指さずに、必要な検証項目さえ行わずに、生産・量産に入るのと、
では、全く意味が違うのですよ。
・高品質を知っているけれど、コスト的競争力を考慮して出さない
・そもそも品質がわからないから、出せない
の違い。
前者は、必要だから品質を下げるのであって、とてつもなく労力が必要。
後者は製品開発前の最初から手抜き。
当たり前に後者にはトラブルがつきまといます。
高架高速道路の施工手抜きで、ヒビが入って崩落するとか、それで大量に人が死ぬレベルの事故が起こるのが後者。
過剰品質を、検討に検討を重ねて、不必要な品質を戦略的に必要だから落としているのか、
最初から品質を出すことができないから、言い訳に使っているのか、
ユーザーも、株主も、社長も、社会も、そして現場の職人やプロフェッショナルも、
「日本は過剰品質だから、競争力がない」
と主張している人の真意を見極めないと、あっという間に凋落しますよ。
そもそも過剰品質を知らなければ、品質の意味さえ理解できない人を、大量生産することになる。
高品質は、とてつもない労力と知恵と努力と試行錯誤の継続の上で成り立つもので、その努力を最初から諦めている人や組織では、そこまで至ることさえできない。
そんな残念な人や組織のほうが、圧倒的に多いことを知っているか知らないか。
私は知ってしまったので。