さしこうスタッフブログ

さしこうスタッフが日替わりでお届けする日々のおはなし

【過去記事】「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第三回

2020年05月02日 | 番外編

※さしこう全店臨時休業の為、2016年に公開した記事の再アップです。

 

 

【連載】 「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第三回

 

2日目(後半)

 

イランの原風景を望み、ひたすら車で走り続けること2時間。

時代と共に定住を選択した遊牧民のお宅へ到着しました。現地ガイドに

連れられたそのお宅は、なんと!さしこうが昨年の「ギャッベ展」の時に実演の為、

日本に呼んだ「ムサビさん」のお住まいでした!まさか日本とイランとで2度も

お会いできると思わず、久々の再開に喜びを分かち合いました。

 

見て!見て!と、さっそく家の宝物を奥様と見せてくれた無邪気なムサビさん。笑

 

 

こちらは昨年のさしこう「ギャッベ展」に来てくれた時の写真。

この時は、慣れない日本の環境の中、ギャッベの素晴らしさをアピールする為、頑張ってくれました。

 

ムサビさん宅でお昼ご飯をごちそうになった後は、

本日の目的であるギャッベを織っている織子さんのもとへ足を進めます。

織子さんはそれぞれの家庭でギャッベを織っており、数か所その家庭を訪問します。

水平機の上に乗り、草木染めされた糸をひとつひとつ丁寧に結んでいきます。

 

大きなギャッベはこのように5人がかりで織ることも。

5人がかりでも半年から1年以上かかるものもあります。

 

私も結びをレクチャーしてもらいました。不慣れな私はひと結び作るのに

10秒くらいかかります。彼女たちは0.5秒くらいでひとつ結びます。職人技ですね。

 

そして、数か所巡った先に感動的な場面が訪れました!

 

ギャッベを織っている家庭を訪れていると、今まさに完成したという

ギャッベに巡り合いました。そのギャッベは、完成したのですが、

織り機にまだつながっている状態で、これから縦糸を切り離し、織り機から外す最終工程でした。

この母娘が数か月かけて織ったギャッベ。

娘は母の技術を見て学び、そして代々その技術は受け継がれていきます。

 

ハサミ入れ。ピンと張り詰めた縦糸を切って、織り機から外していきます。

 

ハサミ入れが終わり、織り機からギャッベが外されると周りにいる人々から歓声が沸きました。

この織子さんのご家族や近くに住む人々、私たちと同行している人やガイドさんまで、

大勢の人々が拍手を送り、笑顔でこのギャッベの完成を祝います。

織子さんにご祝儀まで渡され、なんとも和やかであたたかい雰囲気です。

完成の場面では織子さんも一番お気に入りの民族衣装を着て、ドレスアップ。

 

何か月も頑張って織ったギャッベがこちら。

 

娘のハッサナワードさんは、なんだか恥ずかしそうにしていましたが、

このギャッベはルリバフと呼ばれるギャッベの中でも最高ランクのギャッベです。

結び目の細かいルリバフは高度な技術がないと織ることができません。

このお二人は相当な技術の持ち主のようです。美しいギャッベです。

 

お孫さんまでこの日はお化粧をしてドレスアップ!できたばかりのギャッベの上で記念写真。

 

そしてそして、なんと!

このギャッベをいただけることになり、この場でいただいて帰りました!うれし~

10月のギャッベ展でお披露目できる予定ですので、ご期待あれ!

 

このようにギャッベは一枚一枚、時間と手間をかけて織られ、

ひとつひとつがみなから祝福され、それぞれにストーリーがあります。

機械で1日何百枚もできるようなものではありません。

だからこそ我々は現地まで直接赴き、一つ一つに目を通して買い付けているのです。

 

さて、最後に訪れた遊牧民はザクロス山脈のふもとで暮らすご家族。

そびえ立つ山のすそ野に羊が悠々と放牧されています。

こんな間近で、ザクロス羊を見たのは初めてです。

 

いろいろな体験もさせてもらいました。

こちらはヤギの皮袋にミルクを入れて振るとチーズができます。

1時間以上力を入れて振るとのことなので、けっこうな重労働です。

ヤギの皮は保存しておくための袋でもあり、水などを入れて持ち歩いたりもします。

 

オオカミを追い払うための猟銃。さまになってませんか!?笑

 

こちらは遊牧民の嗜好品。このあと、ふわふわと気持ちよくなってきました。嘘です。笑

決して怪しいモノではありません!!笑 水たばこです。

 

 

 

雄大な自然の中、遊牧をしながら暮らす人々は、人間の本来の姿のような気がします。

暑い時期には北上し、寒い時期には南下し、自然の赴くままに、

自然環境に人が合わせていくライフスタイル。そんな中でギャッベは織られています。

 

織子さんのもとを離れ、またムサビさんのお宅へ。今日はこちらで宿泊です。

夜はたくさんの料理やフルーツを並べ、近所に住む人々も集まり、大宴会のスタートです。

ペルシャ語は難しいのでなかなか会話はできませんが、みなで食を囲み、歌い、親交を深めます。

イランの人々は本当に客人へのもてなしが素晴らしいです。

朝から様々な場所に訪れ、さすがにくたくたになりましたが、 

夜が更けても遊牧民の宴は続き、楽しそうな笑い声を聞きながら眠りへとつきました。

           つづく

 

<過去の連載>

「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第一回

「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第二回

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【過去記事】「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第二回

2020年05月02日 | 番外編

※さしこう全店臨時休業の為、2016年に公開した記事の再アップです。

 

 

【新連載】 「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第二回

 

第一回(8/4UP)に引き続き、

第二回はペルセポリス遺跡やイランの原風景をリポートします。※第一回はこちら

 

2日目(前半)

 

シーラーズのホテルを出発して、まずは世界遺産であるペルセポリス遺跡へ。

ペルセポリスは、ダレイオス1世という人が建設に着手したのが、

なんと紀元前520年!今から約2500年も前のことです。

 

 

アケメネス朝の王都として機能していたようですが、

かの有名なアレキサンダー大王が侵略によりぶっ壊してしまい、

神殿の柱と一部のレリーフを現在は残すのみとなっています。

しかし、想像するに素晴らしい神殿であったことが見て取れる装飾や

大きな柱はアケメネス朝の国力や技術の高さを証明するに足る建造物です。

 

ギャッベやペルシャ絨毯にもよく登場する糸杉の柄は、こんなに前からありました。

羊も描かれていて、昔から人と近い存在だったのでしょう。

 

無謀にも糸杉に登ってみようとしましたが、敵いませんでした。笑

このあと真っ逆さまに、ずり落ちました。笑

 

雄大なペルセポリスを後にし、次なる目的はいよいよ遊牧民の

暮らしに密着します!ペルセポリスから車を運転し、空の青と

土の灰色のみでできたツートンカラーの世界をひたすら走ります。

遊牧民はこの景色に感動し、ギャッベに織り込んでいるんですね。

ランドスケープと呼ばれるこういったギャッベです↓

 

たまにですが、こんなかわいい植物や田園もあります。

 

そして、いよいよ遊牧民に会いに。

まずは時代と共に遊牧から離れ、定住を選んだ遊牧民のもとへいきます。

そこへはなんと日本で会ったことのある遊牧民の姿が!

              つづく

 

<過去の連載>

「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第一回

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【過去記事】「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第一回

2020年05月02日 | 番外編

※さしこう全店臨時休業の為、2016年に公開した記事の再アップです。

 

 

【新連載】 「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第一回

 

さしこうでは手織り絨毯についての知識を深めたり、

さらなるステキな絨毯の出会いを求め、毎年イランを訪れています。

今年は7月20日~28日の日程で訪れ、自然・人・歴史・文化・絨毯に

触れる素晴らしい旅になりましたので、数回に分けて、レポートいたします。

 

初日

 

関西国際空港からドバイへ約10時間のフライト。イランへは日本からの

直通便はありません。ドバイからはさらに2時間のフライトでテヘラン国際空港に到着します。

ドバイでの乗り継ぎの待ち時間も入れると、移動時間は、約15時間。

大阪から直線距離でも7500キロ!移動だけで疲れます、ふぅ~。

 

テヘラン国際空港に到着し、さっそくイランの大地を踏みしめるとそこはすでに灼熱の国!!

舐めてかかっていたわけではありませんが、6年前に訪れた時を思い出す先制のパンチ!

砂漠の風は熱いし強いし、永遠と顔にドライヤーを当てられているかのようです。汗

気温は40度を超えています。あつい~

 

息つく間もなく、最初の目的地はイラン革命の指導者であるホメイニ師の霊廟へ。

バカでかいイスラム式のお墓の中はびっしりと敷き詰められたペルシャ絨毯と

壁と天井を埋め尽くす装飾。そのスケールは圧巻のひと言です!

巡礼者が数多く集まり、真ん中の霊廟にお祈りを捧げています。

 

この旅の無事を祈願し、次なる目的地はテヘラン国内線の空港。また空港!?

次はシーラーズへ向かうのですが、イランの国土は日本の4.5倍!広大な土地は、

移動時間も距離もそれなりにかかります。1時間半ほど飛行機に乗りシーラーズへ到着。

テヘランはイランの首都ですが、打って変わって南西部のシーラーズは

どちらかというと少し田舎。ここがギャッベの本場です。

 

シーラーズでは、最高品質のギャッベを世に送り出すゾランバリー社の

染め工場へ見学に行きます。草木で染められたウールの糸は美しく、

この糸がなければギャッベは始まりません。

アブラッシュと言われる染めムラが、素朴な風合いを醸し出します。

 

ゾランバリー社のハミッド氏に染めのレクチャーを受けます。

 

私が持っているのは刈り取ったままの原毛。

羊のカタチがそのまんまわかるようで少し生々しいでしょうか。汗

 

さまざまな原料で染められます。手に持っているのはウコン、薄い黄色に染まります。

 

そして、染め場へ。ここが一番の見せ場です。

沸騰する窯の中に染料と糸を入れ、棒でかき混ぜながら茹でていきます。

時折、染料が沸騰により、飛び出してきて大変危険です。

 

しっかりと染まると天日干し。全て自然と人の力によって糸は完成します。

 

ちなみにこれは、ギャッベでは珍しいメリノウールを使って草木染めした糸。

ギャッベは通常ザクロス羊の毛を使いますが、オーダーがあれば、

遊牧民の織子さんに頼み、メリノウールでもギャッベを作れるそうです。

しかし、きれいな糸過ぎてムラ感や糸の節がほとんど無く、

ストンとしていて面白くない印象でした。ヨーロッパではたまにオーダーがあるようですね。

 

さて、染めの工程をしっかりと目に焼き付けたあとは、お待ちかねだった夕食タイム。

さきほど染めのレクチャーをしてくれたハミッドさん宅へお邪魔。

ハミッドさんはゾランバリー社創業の家系で、創業者の息子さんに当たります。

イラン有数の大企業であるゾランバリーさん宅は、見事な大・大・大邸宅!恐れ入りました。

右側がゾランバリー社の創業者であるゴラム・レザー・ゾランバリー氏。

この方が遊牧民の絨毯「ギャッベ」を見つけ、世界に発信した人です。

 

素晴らしいおもてなしを受け、イランでの初日を終えました。

あ、ちなみにイランは宗教上、飲酒はできないのでお酒はありません。残念

初日からイランのスケールとギャッベにかける情熱を改めて実感し、

これからあと6日間続くイランの旅に備えて、早めの就寝につきました。

         つづく

 

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【再お知らせ】臨時休業について

2020年05月01日 | さしこうお知らせ

【再お知らせ】

 

新型コロナウイルスの感染拡大を防止する措置として、

2020年5月2日(土)~6日(水)まで

さしこう全店を臨時休業とさせていただきます。


ご迷惑をおかけしますが、悪しからずご了承くださいませ。

 

 

 

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ろぐおが飛騨の匠の業に触れてきた話 その3

2020年05月01日 | 番外編

さてさて前回は修理工房を見学した話を紹介しましたが

本日は修理の実例をちょこっとご紹介します

こちら以前さしこうでお求めいただいたイスなんですが…

脚が1本折れてしまったとの事でお客様から修理依頼をいただきました

飛騨の匠の手によって修理されご覧の通り(*^^)v

 

 

 

折れた脚の部分のみを交換して組み直しバッチリ元通り

見事に直りました(#^-^#)

これでまた先何年、何十年とお使いいただけます♫

長く使っていると愛着もわいてくると思います

そういった思い出と共に木の家具と一生付き合っていただきたい

それが私たちの想いです

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