我が家では『ベタ』という魚を飼っている。
さくらももこ著 『ももこの生き物図鑑』という本を読み、
コップで飼える魚として有名という一文に惹かれ、これは!!
と、ペットショップへ。いくらぐらいするのか全く知らず、もしや高級魚?!
思いつつ、ふと見ると、
ベタ 特価 ¥380 とほこりにまみれたコップ大のふたつき容器で
売られていた。少しがっかり・・・¥38,000では買えないが、せめて
¥3.800くらいしてほしかった・・などと思いつつこの子を購入。
かわいいガラス容器に入れ、リビングテーブルの上にインテリアとして置く。
じーっと観察して、『しゃくれ』と命名。愛称はしゃっく。
二日ほどで、近くによると餌をねだるようになる。なんと無神経な魚であろう。
メダカや金魚だと、来るまでに何週間も要するのに、デリカシーが欠けている
としか思えないが、そこはなんとなく、なついたような気がして可愛いものだ。
夏中、結構気にして可愛がり、秋が来た。
青い藻で中の見えなくなったしゃくれの棲家は、リビングテーブルから、遠ざけられて
おり、それを横目で見つつ(そろそろヒーターがいるよなあ・・)とぼんやり考えて
いたが、先日『たとえ380円の命でも、殺生はいかん、殺生は!』と口に出して
自分を叱咤激励し、ホームセンターへ走り、普通くらいの水槽と、酸素供給の為の
器具とヒーターを購入したのであった。全部で、3,500円だった。
しゃくれ本体の10倍の値段である。なんと理不尽な・・・・。
『良かったな、しゃくれ!九死に一生を得たな』と声をかけてやった。
自分で窮地に追いやったり、救援活動したりと忙しい・・・。
息子曰く、しゃくれの惨状を見て『終わったな・・・・』と思っていたらしく、
新しい棲家で悠々と泳ぐ姿を見て、にやり・・・・としていた。
小動物を飼う・・・ということは可愛いとか、きれい!とかセンチメンタル
な感情だけではだけではすまされないもっとシビアな現実がついて回るのだ。
しゃくれが、この冬を越せるよう、自分の健闘を祈る!
蓮ちゃんママ