「雨の空気が好きなんだよな～」
あまりに小さな子供が言うもんだから、吹き出した。
雨の空気、知っているの？
わたしは大人になって久しいけど、雨の空気についてはわかるような、わからないような…
大人になってもわからないこと、たくさん。
そうか、小さい方がたくさん知っているのかな。
なんか走っているうちに、ぽとぽといろいろ落としてきたのかもね。
「ママが好きな花だ」
じゃあ、取って帰ろう。
テーブルの上で、背の低いグラスのふちに道端の草花が寄りかかっていた。
5月の刹那に緑唱の時。
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小さいお友達を小さな子供とおうちまで送りに行って、帰り道でのできごとです。
小さな子はときどき、いえ、それ以上にときどき、ドキッとすることをいいます。
そのことを真に受けて、言葉の意味と出所を考えたりすることがすきです。
後日、メールがきました。
「緑唱ってなに？」
「うーん、緑が歌っているみたいな感じ」
「日本語つくったんか？」
なんか、そんな感じ、緑唱。
