その空間は、突然訪れた
わたしは急いで挨拶し、自己紹介した
知っている、そういう感じを与えるその場所は、はじめてなのに慣れ親しんだ空気が立ち込めていた
宇宙船のような内部は時間を持っていなかった
だから、割合、複雑ではなかった
以前、博士が言っていた「時間という概念は大幅に結果を狂わせる…」
その写真は罪深い
一瞬の切り取りは説明不足で、前後の質感も成れの果ての喜怒哀楽も斬り捨てられていた
白い花は綺麗でしょ、写ってはいませんが赤い花はもっとよかったんです
宇宙船は連れていく
宇宙ではない不可思議な場所に
人には寿命というのがあるらしいのです
いちおう伝えてはみたものの、あまり聞いていないようだった
窓の外は知っているような、知らないような光景だ
「昔はよかったよね」昔を知っているふりをしようとしたら「いまの方がいろいろ便利だよ」といわれたので、もういちど外を見てみた
終わりがある旅に終わるつもりがない時間が行く宛のない場所にすべてを乗せて
愉快でつまらない、陽気な孤独と団欒と