10月26日(土)は横浜市の篠原地区センターで活動しました。この日、たくさんきたおもちゃの中から、3つのおもちゃ修理を紹介します。
1)古いプラレール
この日、パパがお子さんと一緒にやってきて、自分の使っていた古いプラレールを直して欲しいと数台持ってきました。プラレールは長い歴史を持つおもちゃなので、おもちゃ病院では定番(?)の一つです。プラレールの線路の幅は変わっていませんので、電池を入れて走る電車や機関車は外側だけが違うように見えますが、中のモータユニットやスイッチなどは常に改良が加えられ、最新の電車と昔の電車では中身が同じではありません。
故障で一番多いのが、車軸やモータについているピニオンギヤが割れているケースです。これは古いプラレールでも新しいプラレールでもありますね。
ピニオンギヤはモジュールと言ってサイズが規格化されているので、ギヤの歯数さえ合えば、車軸やモータ軸の直径に合わせてピニオンギヤの穴の大きさをドリルで補正すれば交換できます。
それ以外では、電極の腐食、古いモータの内部固着、汚れ、車輪ゴムの劣化など様々です。特に古いプラレールでは、車輪のゴムが経年劣化で加水分解を起こし、切れたりベタベタになっていることが多いです。また、固着したモータは、新品に交換する前に、ディクリーザを吹いて内部を清掃すれば復活することもありますし、モータの中を開けて電極のブラシを清掃・補正することもあります。1台の電車で、故障も一つではなく、複数のことも多いです。つまり、古いプラレールの修理はおもちゃドクターの知恵の見せ所といったところでしょうか。
この日の古いプラレールは、参加したドクター皆の知恵を使って全て修理できました(やった!)。
2)歩くぬいぐるみ(ペット)
これもおもちゃ病院では定番の一つです。
イワヤというメーカの犬や猫のぬいぐるみがよくやってくるのですが、後ろ足の骨折が多いです。この日の子猫も右後ろ足でした。足は接着剤の付かないポリプロピレン製ですので、骨折箇所を針金で補強し、その針金がずれないように糸を巻き、糸を接着剤で固定します。
専門ドクターが治した足は丈夫ですよ(自慢!)。直った子猫は、はじめトコトコとゆっくり歩き、ひと鳴きしたあと、ダッシュします(動画はこちら)。可愛い猫の仕草をよく出していますね。
3)「鬼滅の刃」の刀
男の子が喜ぶ、刀のおもちゃです。てっきり仮面ライダーかなと思ったら。人気アニメ「鬼滅の刃」の刀でした。この刀、柄(つか)に刺す刀身を変えることができます。
柄にボタンがあり、押すと「鬼滅の刃」の決めセリフが流れます。また、刺す刀身によってセリフが変わります。故障内容は全く音が出ないとのこと。刀ですから、子供同士でチャンバラをやって、その衝撃で配線が断線したか、スピーカー故障と想定して中を調べてみました。想定に反して、故障原因は電池ボックス内の電極腐食でした。これは、リューターで研磨して修理完了。使ってみると、迫力ある決めセリフがなりました(動画はこちら)。