本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY

2014年11月28日 | 映画・DVD・テレビ

「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」、ようやく観終わりました。
な、長かったー。ディスカスで二枚ずつ借りていたから…。
ざっくりまとめると、一度どん底まで落ちた探偵が、薬物依存症の苦しみと戦いながら、
誠実な相棒を見出して、友情に支えられながら仕事と生活を築き直すという流れ、なのかな。

注:以下、ネタバレがありますので、ご注意ください。


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この作品のホームズはめちゃ額が広くて…いやそれは別にいいんだけど、
エキセントリックというかハイテンションというかオーバーアクションというか、
序盤はちょっとついていけないレベルの傲慢で嫌味なひねくれ男で、
これ原作イメージの英国紳士のホームズ像とは一味違うわ、と思ったものでした。
「SHERLOCK」のシャーロックはソシオパスを自称する孤独な天才で、
お坊ちゃまらしい上品さと鋭すぎる知性と少年めいた繊細さを併せ持ち、
女性視聴者を胸きゅんさせるような愛らしさ・危うさがありましたが、
こっちのホームズは家に娼婦を呼ぶわ、体は自分で入れたタトゥーだらけだわ、
返答が可愛くないわ、マイペースが過ぎて奇行に見える感じだわ、
なんだかいい年してるのに、まだぐれてるロックンローラーみたいだったのでした。

しかし、ワトソンとの関わりが少しずつ深まるにつれて、
薬物に逃げた自分自身と向き合いながら、再び社会に踏み出そうとする様子が、
事件捜査と同時に描かれていて、一話ずつ進展していくのが良かったです。
最終的に彼は、薬物に溺れる以前の自分に戻ったのではなく、
より成長した自分に変わった、ということなのだと思いました。

ワトソンは女性という設定はどうなの、という当初の懸念は、
激情家で衝動的なホームズに、
常識的で冷静で柔軟な対応をしている様子を観ているうちにどうでもよくなりました。
依存症患者の付き添い役で、元外科医という設定だから頷けるワトソン像です。
まだ探偵としては駈け出しだけど、ホームズと違う視点から事件の手がかりに気づくところがいい。
コミュニケーション能力にも優れていて、ホームズと他人との橋渡しもしていますね。
彼女もホームズによって才能を引き出されているので、お互いに補い合っている風です。
製作側は探偵と助手ではなく、二人の対等な探偵を描きたかったんだろうなと思います。

この作品でのモリアーティは…わたしがネタバレ状態で観たからかもしれないけれど、
こいつヤバイよというオーラを漂わせてわざとらしく登場するので、
ホームズよ、なぜ正体に気づかないんだ、実は騙されてるフリか…と思いきや、
途中まで本気で奴を信じていたのでびっくりした。
いやいや…おかしいでしょ。パニック状態から素に戻る早さが、見るからに。
でもって、犯罪界のナポレオンは結局ヤンデレでマウンティング女子な訳で。
ワトソンも正体が分かってから彼女と話をした時、意図が丸わかりで呆れたに違いないよ。
(ここでワトソンが女性という設定が生きてくる、ということなのかもしれない)
モリアーティが彼女と同一人物という、この作品のアイディアは評価するけれども、
つくづく「SHERLOCK」のジムモリちゃんは良かったなと感じたのでした…。
探偵への愛憎が複雑に絡まった、構ってちゃんタイプだったけれども、悪役の愛嬌があった。
演技のほうも、ちらちら見える狂気の表現が魅力的なほど上手でしたよ。

最後に、頼もしいグレッグソン警部ですが、エイダン・クインと知ってびっくり。
声優が堀内賢雄さんと知って二度驚きました。
エイダン・クインの若い頃の映画を観たことがあったので、普通に老けているのだけど意外だった。
堀内さんも若々しい役の吹き替えばかり観ていたので、 貫禄のある声だと気づかなかった…。


イモヅル式DVD鑑賞

2013年10月14日 | 映画・DVD・テレビ

わたしは英語が全く駄目なもので、
「SHERLOCK」はNHK放映時に録画したものしか観ていなかったのです。
ところが最近、ファンの方のサイトの原語台詞と訳から、
吹き替え版は所々意味不明だったけど実はこういうことを言っていたのだと分かり、
改めてDVDを鑑賞してみたら、なんだか二倍面白く感じまして。
今度は日本語字幕で表示してみたり、コメンタリーを聞いてみたりしています。

普段日本のドラマはあまり見ないほうだと思うのですが、海外ものは割と好きです。
たまに「この人、別の何かで…見たことがある」と記憶にひっかかって…
すぐ思い出せない時はネットで検索したりして、
次はそうして探り当てた別の出演作を観たりします。
「バーン・ノーティス」のジェフリー・ドノヴァンが「名探偵モンク」に出ていたのは嬉しかった。
「刑事コロンボ」のあとには「地中海殺人事件」でロディー・マクドウォールに注目とか、
ひとりでイモヅル式に楽しんでいるのです。

今回は「SHERLOCK」のコメンタリーで、シリーズ2第1話「ベルグレービアの醜聞」に出てきた
CIA諜報員は「ミス・マープル」にも出ていた、ということを知りまして。
ジョーン・ヒクソン版「ミス・マープル」は大好きなので探してみたら、
「魔術の殺人」でした。ウォルター役のトッド・ボイス、いやいやこの頃若いですよ。

英国ドラマの「ミス・マープル」や「名探偵ポワロ」、
最近の「アガサ・クリスティーのミス・マープル」(以下、「新マープル」表記)などは名優を揃えた感があり、
改めて見るとこのひとがここに出ていたんだ…と新鮮な驚きがあります。
「SHERLOCK」の情報では、シャロのベネディクト・カンバーバッチは
「新マープル 殺人は容易だ」に出演ということなので、この間再鑑賞しました。
脚本兼マイクロフト役のマーク・ゲイティスは、
役者として「名探偵ポワロ 死との約束」「新マープル 牧師館の殺人」に出演。
(脚本参加は沢山あるみたいですね)
ジョン役のマーティン・フリーマンのパートナーで、次のシリーズ3に出演予定のアマンダ・アビントンは、
ゲイティス脚本の「名探偵ポワロ 鳩の中の猫」に出演。
レストレード警部のルパート・グレイブスは「新マープル ポケットにライ麦を」。
あの人もあの人もって感じで、すごいなー(何度も観ていたのに気付いてなかった自分もアレですけど)。
他にも、「修道士カドフェル」だったら主役のデレク・ジャコビが「新マープル 牧師館の殺人」の大佐とか、
ロバート副修道院長のマイケル・カルヴァーが「ミス・マープル 動く指」の弁護士とか。
色々挙げていたら、また観たくなりました。


そんなこんなで、風邪を長引かせてぐだぐだ過ごす日々にも、
「SHERLOCK」に触発されたことでささやかな楽しみを見出せた訳ですが。
なんか別のものも触発されかけて、それはちょっと困っておるのですよ。
ずっと封印してきた腐女子脳がねえ…。
それ以前にも「リゾーリ&アイルズ」で、ゆるゆりもアリかもと思いつつあったのが、
「SHERLOCK」で、恋愛より固い絆の友情があってもいいじゃん!って気分になり…。

ついには、夫の希望で「ガリレオ」のDVDを連日観ていたところ、
「先生と付き合っているんでしょう?だって先生、他に女っ気がないし」とかいう台詞で、
それ実は男のほうが好きなのかもと口走る始末。
なんでドラマ版のこのコンビ、「湯川×草薙」じゃいけなかったんだろうと思うし。
いや薫でも、薫でもいいけどさ、ハーレクイン的に、正反対の者同士が惹かれる感じで。
でも第2シリーズに柴咲コウが出ないのなら、
いっそワトソン役を若い男刑事にして腐女子仕様にしてくれても良かったのではと…。いやその。

夫は湯川先生を観ていて有栖川有栖の火村先生みたいだと、
どうせなら火村シリーズをドラマ化すればいいのに、有栖を女の子に変えるとかして、と言うのですが、
「そんなTV局上層部の頭の固いおじさん的な発想!駄目だよ、有栖は男でないと萌えがなくなる!
今は腐女子向けに妄想できる余地のある友情を描いたほうが、視聴率取れる!」
と真っ向から反対したのでした。
なんていうか…「SHERLOCK」関係のブログ等を見て思ったのは、やはり世界の腐女子の力はすごいということでね。
おたくなファンの心理を理解している製作陣のプロモーション力も素晴らしいと思う。
日本のTV局も、もっと現代的な感覚を取り入れてくれるといいんだけどなあ。


SHERLOCK 2 第一話

2012年07月24日 | 映画・DVD・テレビ
なんか最近一日が早く終わってしまうので、ブログが更新しにくいです。
猫らは誤食したり吐いたり喧嘩で軽く怪我したりするし、夫は夏風邪ひいて具合悪いと言いながら横になりもせず趣味に没頭してたりするし…(-_-;)
特別大変という訳じゃないんだけど、忙しいっちゃ忙しい。

そんになかでも観てしまった、ドラマ「SHERLOCK」第2シーズン。放送されるの待ってたし。
現代イギリスに舞台を置き換えたホームズものは、遊び心があって見ごたえがあります。
思うに女性のシャーロッキアンは、パスティーシュを同人誌感覚で楽しんでいるんじゃないだろうか。
シャーロックとジョンが親しくなっていく過程を見て、キャー!と盛り上がったりね。小ネタが嬉しいよね。

今回はアイリーン・アドラーが登場したのですが、かーなり遊んでた設定だったなあ。
いつもと違うシャーロックのことを、ジョンが心配している様子は家族みたいでした(アイリーンからシャーロックに送られてきたメール数えてたり!アイリーンに呼び出された時に怒ったり。シャーロックが傷つけられるのが嫌なんだろうなあ)。

で、感想はニコッとタウンのほうでも少し書いたのですが、ネタバレかもしれないので、以下は未見のかた、ご注意ください。



途中までは良かったのですが、自分としては最高!と言い切れないものが残り…なんか釈然としないなあ、と。
ネットでほかのかたの感想を読み、やっとその理由がわかりました。
目的があれで、あの人の知恵を借りてるなんて、やっぱ「あの女」らしくないよー。
それにシャーロックとの勝負の結末があれだなんて。聖典では、ホームズの策略を一人で見抜いて、綺麗に逃げ切ったアイリーンだから、忘れがたい女になっているのだし、そのラインはどうアレンジしても基本だという気がするんだな。

まあ、アイリーンがどんな人だったのかなんて、聖典を読んだ人それぞれの想像に任されてるんだろうけど。
ホームズが一目置いた人だから、素敵な女性だったんだと思いたいって、願望でしょうね。
考えてみると、なぜ、彼女が写真を手元に置こうとしたのかは謎ですが。
漫画の「シャーロッキアン!」での解釈とか、すごい好きです。
わたしは、ぼんやりと「王様が自己チューで嘘つきでストーカーっぽいから、自分の結婚が成立したら復縁して愛人になれとか、脅されてたんじゃないのー?だからアイリーンは妨害されないように恋人と結婚を急いだんだよ。で、写真は保険として手元に置き、もし王様が圧力をかけてアイリーンたちの生活を壊そうとするようなことがあれば、公表して大スキャンダルにしてやるわよー、みたいな」と、浅はかなことを考えていたのですが。
「シャーロッキアン!」のアイリーン像のほうが実に良いですよ。

連休DVD当たり外れ…

2011年05月01日 | 映画・DVD・テレビ

現在DVDをごそっとレンタル店で借りてきては、夫婦で観まくっています。
その感想メモ。
(ネタバレ、辛口かもしれませんので、以下ご注意ください。)


「BONES シーズン5」

これはもう、おなじみのシリーズですけれども。やはり面白かったです。
レギュラーメンバーがまたくっついたり離れたり、
近づきそうでうまくいかなかったりと、その辺の人間関係はともかく。
(あの二人が微妙な仲なのは次のシーズンまで視聴者を引き付けるためだから、と思ってしまう)
事件のほうが、現代アメリカ文化を反映していて興味深いし、
天才だけどコミュニケーション能力に問題ありというボーンズのキャラクターがまた、魅力的なのです。
それほどディープなミステリではないけれど、人骨や遺留品から科学的な鑑定をする過程が好み。
合理主義者なボーンズの論理はひそかに痛快に思っています。

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「踊る大捜査線 THE MOVE 3」

「踊る…」シリーズはドラマ版と映画第1弾までが良かったというのが、わたしの感想。
今回はいろんな要素を詰め込み過ぎて消化しきれてない感じだと思いました。
(あれもこれもとアイディアを入れ過ぎると、どれも薄くなっちゃう訳だし)
続編への色気も見せてる?みたいな終わり方のような気もしました…。
もうちょっとシンプルに娯楽に走っても良かったのではないか…。
これはこれで、「踊る…」好きな人には素直に嬉しいのだろうけど。

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「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」

なんで原作通りにしてくれなかったのかなあ…。
論理と本格推理テイストを抜いてしまったので、整合性がない展開に。
これはキャストありきで製作したのでしょうね。
裏で「○○さんはさすがに終盤まで殺せないよー」とかいう話になったのであろうか。
夫曰く「近年で一番のがっかり」すぎて、逆にびっくりだそうです。

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よく考えてみると、「BONES」を一気に観たあとだけに、
自分まで冷徹な合理主義者になったような感じで下の二作品を観てしまい、
矛盾や非合理に対して、つっこみを容赦なく入れまくりだったような気がします…。
これは…作品を観る順序も問題だったのかもしれない。


今頃サクラ大戦歌謡ショウにハマる

2011年02月15日 | 映画・DVD・テレビ
荷物の膨大さに途方に暮れていたところ、
この量では奥様ひとりでは無理ですよ、と
おまかせプランを勧めてくれた引っ越し会社の青年が天使に見えてしまった桜雪です。
引っ越しって、若干妙なテンションになる。
(転勤決まってから、実際に居を移して荷物をかたずけるまで、ずーっとね!)

で、段ボールだらけのリアルテトリス状態の家の中で、
流れているのはサクラ大戦の音楽なのです。

初めは、夫が巴里編の音楽が好きで、ずーっと聴いていたのです。
サクラ大戦3 ヴォーカルコレクシオン 巴里歌謡全集!
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それでわたしが、偶然見つけた巴里花組ライブの中古CDをあげたら、
とても気に入ったらしくて…。
サクラ大戦・巴里花組ライブ2009 ~燃え上がれ自由の翼~
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A&A

アマゾンで色々なDVD(大体中古)を買ってくれました。
(わたしのため、と言っているが、本当のところ、どうなのか…。
You Tubeで頻繁に歌謡ショウの映像を見ていたのは夫なのです)

持ち歌交換が楽しい、新春歌謡ショウ。
さくらの「マスカレイド」は色っぽいです。
ゲームのファンはマリアが娘役になった「愛ゆえに」に、にっこりすることでしょう。
サクラ大戦 帝国歌劇団・新春歌謡ショウ [DVD]
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エイベックス・トラックス

超豪華!サクラの名曲づくしです。
夫が好きな「センチメンタルな…」「巴里よ、目覚めよ」も収録されている。
田中公平 作家生活30周年記念コンサート ~Special DVD サクラな夜~
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SEGA

本編ディスク2枚、特典映像ディスクが2枚。すごい。
10年間サクラの舞台で鍛え上げてきた声優さんの歌唱力にうっとり。
「愛ゆえに」が好きだけど、「新・愛ゆえに」もいいわー。
サクラ大戦 歌謡ショウファイナル公演「新・愛ゆえに」DVD BOX
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セガ


最近届いて、全部観終わったのですけれど、
夫がまた歌謡ショウのDVDを注文してくれました。
つ、続けざま…。確かに別のも観たいなあ、と言ったけれど。
そんなに能動的にすぐ買ってくれるとは思わなかった。
夫も引っ越し前で若干壊れているのかもしれません…。


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「官僚たちの夏」

2010年06月15日 | 映画・DVD・テレビ
夫は硬派なお仕事モノの話が好きだ。
この間も「陽はまた昇る」のラストで泣いていたが、最近は「官僚たちの夏」にもハマったらしい。
高度経済成長期を築いた、通産省の官僚たちの仕事ぶりを描いた熱いドラマなのだが、内容はいいのに放送された時期が悪かったよね、と夫。
(実力派キャストなのに、イマイチ人気沸騰とまではならなかったのは、ちょうど官僚批判が渦巻いている頃に放送されたからでしょうか)

わたしも二度ほど一緒に観ましたが、登場人物それぞれに言い分があって、なかなか深いですよね。
風越は頑固一徹。己が信じた道を行き、権力者の前でもブレない男。まあ、日本経済以外のことは見えてないのだけど、通産省の官僚なのだから、常に企業や国民の経済的視点からものを考えるのが筋っていえば、筋。(演じているのが佐藤浩市だから、設定より二割増し格好良く見えるところもあり…)
玉木は、バランス感覚があり、国際的な視野も持つ、風越の良きライバル…かと思うのですが、やたらと出世にこだわったり、自ら公害問題を取り上げておきながら、途中で別の仕事に色気を出したりといった、セコいところもあり、人間的ではあるけれどちょっとカッコ悪いなあ、という印象だったのでした。通産省を退職してからのほうが、ギスギスしたところが薄れて好きになれた。
庭野は風越派で、真っ直ぐで志が高くて、日本の産業のために本気で頑張る、まさしく“公僕”と言える人なのだけど、残念ながら主流にはなり得ないタイプで、誰よりも報われないことが多すぎるので、なんとなく同情してしまうのだった。(観るたび『でも庭野の人生も充実していたよね?出世なんかより、人の評価より、精一杯日本のためを思って、尊敬できる上司の元で、仕事に打ち込んできたのだものね?』と、夫に言ってしまうわたし)
鮎川は誠実で心配りができて、国民に対する傲慢さがない故に苦労が多い人だった。(中小企業の経営者などに共感して親身になれば、彼らを守れなかった時の心の痛みもまた深い訳で…)風越を傍らでしっかと支えて、見せ場はちゃんとあるという、美味しい役柄でもあった。
片山は、仕事はできるがクールで斜に構えていて、玉木にだけ懐いている感じ。(なんか特命で夜は大活躍して悪党と戦ってそう、と言ったら、夫に笑われた)例の「庭野に負けて次官になれないなど耐えられない!」発言はセコかったが、反骨精神が根底にある人で、徐々に可愛げが分かるようになってきたかも。
牧は唯一、最後まで悪役のまんまだったなあ。裏切ったり、上に媚びたり、裏工作したり、権力を振りかざしたり。そういったことをしている背景にポリシーが感じられないところが、やっぱりカッコ悪いのだった。何をしても、毅然として信じる道を進んでいるのだったら人間的魅力を感じるのだろうけれど、あいつの行動原理は「出世」と「保身」ばかりだからなあ。一番姑息なんだよなあ。(ちなみに演じている杉本哲太は、我が家では『みかん』の人と呼ばれています。それは「モナリザの微笑」に出演した時に、主人公に贋作を暴かれて画家生命を失い、自暴自棄の生活を送るうちに妻が自殺してしまい、逆恨みで主人公への復讐を誓う、という役をやったからです。その画家は、当たり散らす時に、何故かみかんをポンポン投げつけて妻を泣かせていたのでした)

「官僚たちの夏」は名ゼリフも多く、夫が特に気に入っているのが、庭野が牧に言った「あなたは権力がないと仕事ができないのか!!」です。
(すみません、携帯投稿なので、セリフは確かめられず、全部うろ覚えですけど。大体そんな感じで)
片山が牧に言った「わたしは、あなたや須藤総理のように、アメリカに国を売ったりはしない!」は、わたしも好き。
(誰しも、牧のような上司には言ってやりたいことがあるので、いいぞいいぞと思っちゃうのかもしれない。現実に部下からそんな直言があれば、さすがに牧的人物であっても落ち込むのだろうけど…。いや、それでも一向にしおれないのが官僚なのか?)

あと、ナレーションの安住さんが一生懸命シリアスな声を出しているところと、エンディングのコブクロの歌なども聞きどころ。


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…それにしても、近頃のわたしは、夫の趣味に影響されすぎなような気がする。事故以来、体が重くてゴロゴロしてばかりで、自分の趣味を封印したまま、過ごしているからなあ。夫が繰り返し観ているものから学習しているんだろうなあ。門前の小僧、なんとやらだ。

犬が喋る…

2010年02月22日 | 映画・DVD・テレビ
夫がどうしても妻を教育(オタ嫁の?)したがるので、
ここ数日かけてアニメの『銀牙 流れ星銀』を観ました。

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<以下、ネタバレあります>


小学生風に感想を書くとするなら…。
「犬が、みんなでだんけつして、くまとたたかうのが、えらいなと思いました。
ベンは、いつもひどい目にあって、大変です。
ラスト近くがどんどんしょうりゃくされて、“まき”ですすんでいくのに、
忍犬のはなしが、ぜんたいからみて、長めだという気がしました。
ウィルソンはサーカスしゅっしんなので、どの地方のことも、よく知っています。
“かいせつやく”というやつだな、と思いました。
それから、ぎんは、いつのまに“ながれぼしぎん”という
あだながついたのか、よく分かりませんでした。
ついでにいうなら、よくどたんばでひっさつわざを使えるようになったな、
くま犬は、生まれつき、さいのうがあるのかなあ、と感心しました。
わたしははなづらの長い犬がすきなので
ジョンがいちばんかっこいいと思いました。
くまがいなくなったので、みんなでなかよく、しあわせにくらしてほしいです」

大人としての感想。
「初めは人間目線の話なのに、数話めで突然犬が喋りだし、
仕草も人間ぽくなるので、慣れるまでは違和感があった。
しかし、よくよく分析してみると話の構造は昔ながらの少年漫画らしく、
男(漢?)の魂に心を打たれて男が命をかけるとか、
まず戦ってみて互いの器の大きさを知るとか、
次々と登場する敵が強くなっていって、最終的にボスにたどり着くとか、
根本は人間主体の話と変わらない気がする。
途中までは『何も犬だけで熊と戦わなくても。
人間をうまく利用すりゃいいのに…』という気持ちがあったが、
全話通してみると、忠臣蔵にも似て、よくぞやった!という思い。
ラストで銀を連れ戻そうと飼い主が近づいてきたところ、
群れの犬たちが威嚇する、という場面で、わたしまで大輔に
『もう銀はお前だけのものではないんだよ!』と言いたくなるほど。
いやはや。少し洗脳されたのかもしれないなあ」


最終回で、「俺を男にしてくれ!」というベンのセリフがあるのですが、
ちょうど『日本人の知らない日本語2』を読んだばかりだったので、
すでに性別が男であるのに、“男にしてくれ!”って言葉は、
考えてみるとおかしいねえ、という話をしました。
わたし「女の人が『わたしを女にしてください!』と小説の中で言うと、
それは抱いてくださいという意味だけど」
夫「男の場合は違うなあ」
わたし「『男にしてくれ!』は面目を立ててほしいという意味になるのかな」
どちらの場合も、日本語を学びたての外国の方からすれば、
よく分からない文脈、ということになるのではないだろうか。
文化的背景が含まれているから、言葉は難しいな、と思ったのでした。
(『日本人の知らない日本語2』のエピソードにもあったけど、
マンガで日本語を学ぶとおかしなことになるのでしょうね!)

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sayukiの本棚で、乙女本というタグを作りました。
一応、乙女心を持つすべての世代の人におすすめしたい本、のつもり。
わたしの極私的な選択になりますが、
これからもジャンルを超えて登録していきたいなあ、と思います。

それにしても。
乙女道と漢道の間には深い溝があることよ。
(↑この道に性別世代は関係なし。感性の方向みたいなもの)
比喩的乙女と比喩的漢が対決したら、どういうことになるかしら。
お互いに「その感性、分かる気がするけど、大半が分からない…」
などと思うかもしれないなあ。
(いや~、『銀牙』を観ていて、矢鱈“男(漢?)”にこだわるセリフが多く、
登場犬物も女が少なかったものだから、感情移入がしにくかったのです。
ここではそういう思考体系なのだな、と割り切って観るうちに馴染んだけど)

桜雪的もう一度観てみたい海外ドラマリスト

2008年11月12日 | 映画・DVD・テレビ

先日独断と偏見のみで自分だけの海外ドラマベスト10を作りましたが、
放映時に数話しか観ていないので、
選外にせざるを得なかった海外ドラマが沢山あります。
その中で改めてもう一度観てみたいと思うものをリストアップ。
DVD化されたのもありますが、幻の作品も…。(以下、五十音順)

・アボンリーへの道
(モンゴメリ原作の短編を色々アレンジしてました)
・奥様は魔女
(初期の話が見てみたいなー)
・かわいい魔女ジニー
(おぼろげな記憶…)
・頑固じいさん孫三人
(懐かしいホームドラマ)
・こちらブルームーン探偵社
(若き日のブルース・ウィリス、喋りまくりの役)
・サブリナ
(魔女っ子!)
・ジェシカおばさんの事件簿
(何故に日本版DVDが出ないのよう)
・シェルビーの事件ファイル
(途中仲間が変わったりしましたが、面白かったです)
・大草原の小さな家
(何せ長いので、ちょっと手を出しかねてます)
・探偵レミントン・スティール
(これもDVD化を熱望している作品!ぜひ日本語吹替版入りで!!)
・天才少年ドギー・ハウザー
(YA向きの良いドラマだったのだが)
・ドクター・クイン 大西部の女医物語
(ジェーン・シーモア、確か『ダーマ&グレッグ』にゲスト出演してたよね)
・特攻野郎Aチーム
(声優さんも良かった)
・ナイトライダー
(K.I.T.T.を応援してた)
・V ビジター
(日曜日の昼間暇な時に観てたな~)
・ファミリー・タイズ
(マイケル・J・フォックス出演のコメディだし)
・フライング・ドクター
(これ、途中で主人公かヒロインが変わらなかったっけ…?)
・冒険野郎マクガイバー
(楽しい実践科学といった趣き)
・名探偵ダウリング神父
(助手役のシスターが可愛かった)
・名探偵モンク
(数話だけ観て、投げ出し中…)



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夫の「ジンギスカン」ブームが止まりません。
ええ、ドイツの「ジンギスカン」というユニットによる、
「ジンギスカン」という歌のことです。
ところどころ笑い声が入っている、近頃また注目されているという、あの曲。

夫婦でラーメン屋に行った時に例の音楽が流れていて、
それが好きだっていうことを突然思い出したらしいのです。
以来我が家は「ジンギスカン」漬け。
(以前は「らんま1/2」ブームで毎日CD聞かされてました)
それに加えてついに「モスクワ」までハマったらしい。
(「もすかう」ですね。うちは何でも世間より遅くブームが来る)
寝る前にラジカセで交互に聴かされています。
あのセンスは愉快なので、明るい気分になるのはまあ事実なんですが。
今月発売するらしい「ジンギスカンだらけ」というアルバムを購入したら、
日本語歌詞とか覚えちゃうのかしら。
いつのまにか二人でハモリながら延々歌ってそうで怖い…。
外から見たら変なうちと思われそうです。

なんでも夫は子供の頃、遠足で「ジンギスカン」を踊らされた記憶があるらしい。
確か「ジンギスカン」は’70年代のディスコ音楽だったはず。
(あの振り付けは一見の価値あり)
それを選んだ先生…すごいな。
何考えてたんだろう、と思うと同時に、
子供たちが「ジンギスカン」の踊りを一斉に踊る姿って可愛かったろうなぁと
顔が笑ってしまうのでした。


桜雪的海外ドラマベスト10

2008年11月10日 | 映画・DVD・テレビ

この間SmaSTATION!!で、2週連続特集されていた
「名作海外ドラマベスト10」を観ました。
なるほど、なるほど…と結果に納得していましたが、
自分の中でベスト10を決めるならどの作品が並ぶかな?と考えて、
超個人的に選抜したのがこれ。↓(リンクは以前書いた感想に飛びます)

1.フルハウス
(相変わらず第2シーズン大好きです。心温まる)

2.ミス・マープル
(ジョーン・ヒックソン版。この中のノスタルジックな英国像が好き)

3.名探偵ポワロ
(旧シリーズ。ユーモラスで原作に割りと忠実)

4.BONES
(学者としては超一流なのにコミュニケーション下手なブレナンが可愛い)

5.刑事コロンボ
(「別れのワイン」と「祝砲の挽歌」が大人の味わい)

6.シャーロック・ホームズの冒険
(ワトスンに結構フォローされてるホームズが良いの)

7.ダーマ&グレッグ
(天真爛漫なダーマが素敵。ここまでぶちぬけてみたいものだ)

8.おしどり探偵
(ハラハラしすぎない探偵もの)

9.ダーク・エンジェル
(瑞々しいジェシカ・アルバ。この頃からスタイル抜群!)

10.トゥルー・コーリング
(未完に終わってなきゃこの順位じゃないのだが)

夫の評「推理ものとコメディばかりじゃない」。
…言われてみればそうかも。
まあ、好みで選んだのだから偏るのは当たり前なんだけど。
趣味分かりやすいな~、わたし。

ちなみに今後観てみたい海外ドラマは、

・バーナビー警部
・修道士カドフェル
・プリズナーNo.6

などです。せっかくDVDが出ているようなのに、
どれも字幕版で、後の2作はツ○ヤに置いてないというのが困る。
まずはレンタルしたのを、吹き替え版で「ながら」見したいんだけどなぁ。

次回は選外だけど改めて観てみたい海外ドラマをリストにしてみたいと思います。
うふふ。沢山あるぞー。



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ついにアマゾンさんで、
「帰ってきたシャーロック・ホームズ」の中古ビデオ、買いました!
ずっと欲しかったので、大変嬉しいです。

冷凍睡眠状態だったホームズが現代に蘇り、
ワトスンの子孫の女探偵と大活躍(?)というこの話、
昔レンタルビデオで何度も観たくらい好きでした。
カルチャーショックを受けるホームズが何とも可愛いのです。

街角のレンタル店からいつしかビデオも消え、
DVD化をひたすら待っていたのですが…。
うっかりしていると格安中古ビデオも無くなるかもしれないので、
この際思い切って夫におねだりしてしまいました。
(考えてみると、観たいのにもうソフトが無い過去の作品って多いです。
珍しくどこかのTV局が放映してくれたとしても、
よりにもよってそれが映らない地域だったりして歯噛みすることも多い)

今ちょっとずつ観てますが、
「クロコダイル・ダンディー」のCMが入っていたりと、
懐かしい時代を感じます。


骨・骨・骨

2008年09月23日 | 映画・DVD・テレビ

『BONES-骨は語る-』シーズン2のvol.1~vol.6まで観ました。

(↓以下、少し内容に触れる感想です。未視聴のかた、ご注意を!)

シーズン1にハマったため、続きをものすごく楽しみにしていたのですが、
…なんだか職場恋愛の様子が複雑になってきましたね。
前の所長好きだったのに、新所長なんか出てくるし!
ブースは相変わらずプライヴェートでは節操ないし!
アンジェラとホッジンズは急接近するし!
その辺ついていけないけど、ついていきたくもない気分。

個性的な登場人物たちも、ユーモラスな会話も好きなのですが、
何より鑑定から得られた情報を元に事件を解決していく過程に興味津々なので。
ひょっとしたら、事件に集中させてくれない捜査陣の私生活の場面とか
少し面倒くさいと感じているのかも。わたしって…わたしって…。

作品に夢中になればなるほど、ツッコミが多くなるみたいです。
サイコ系殺人鬼が出てくる時は暗号ネタばかりになるので文句言ってたし、
(『羊たちの沈黙』かよ!とTVにツッコんでた)
森の中で人骨が見つかり、所持していたビデオカメラのフィルムを
再生して撮影時の状況を観る話では爆笑してたし、
(↑だってあまりに『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に似てたんだものー)
犯人が捕まらずに終わった話では激怒してたし、
(のちのシーズンで“墓堀り人”捕まるって本当?)
我ながら間違った方向に情熱を傾けています。

今回見ごたえがあったのは、うーん、第2話「断ち切られた絆」かな。
ミステリ的なクオリティはシーズン1のほうが高かった気がする…。
とか何とかぶつぶつ言いつつ、
10月のvol.7~vol.11のレンタルが待ちきれずに身もだえしているんですが。
噂に聞くとシーズン3もシーズン4も大変なことになっているらしいので、
いつか完結する時には、全ての問題を綺麗に解決してほしいです。
毎回悲惨な事件をネタにしているのだから、
せめてブレナンの周囲だけでも平和になってほしいもの…。

だがしかし、期待しすぎてはいけない。
アメリカのドラマだから、視聴率次第で中途半端に終わらせる可能性は大。
例:『ダークエンジェル』『トゥルー・コーリング』等々。
わたしが好きになるドラマばかり何故途中で終わるのかしら!?
いっそ一話完結もので私生活に波がなければ、どこで終わってもいいのに…。
(↑あ、こういう発想だから、激動の展開に抵抗を示すのですね。
着地点が確実でなけば、無計画に高く飛ぶなよ、という思考回路か



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『BONES』を観ながら盛り上がってひとりで騒いでいるので、
夫にたびたび「うるさい」と言われるのですが。
その夫もはた迷惑な見方をします。
恋愛場面になると勝手に早送りをするのです。
(一緒に観ているのに、妻の許可を求めたためしがない)

彼が現在『図書館戦争』シリーズにハマっているので、
ちらりと本を覗き込んだ妻が聞いた。
「これラブコメ要素強いけど、いやじゃないの?」
すると返事は、
「俺はラブコメ嫌いじゃないよ。恥ずかしいのが嫌いなの」
重ねて質問。
「恥ずかしいのって?」
「三角関係とか…」
(↑恋愛がスムーズに進まず、複数がくっついたり離れたりなど、
不明瞭にややこしく入り組んでしまう恋愛模様が苦手らしい)
思わず妻、「三角関係無いと、殺人起きないよ!」と暴言。
「殺人はいらないよ…」と夫に笑われたのでした。

ミステリ好きの頭の中は「三角関係=動機」。
ハッピーエンドとは事件解決のこと。いひ!