決して、誰にでもおすすめする映画ではありません。
真面目すぎる人には向かないコメディでしょう。
ジョークが際どいのです。(ただし下品とは思いませんでした)
わたしは爆笑しちゃったけど、あくまで笑いの対象は、
何が何でも最低のミュージカルを作ろう!ともくろむ二人の必死さ、
にあるのです。
不謹慎!とお怒り下さらぬよう。
『プロデューサーズ』2005 監督スーザン・ストローマン
出演 ネイサン・レイン マシュー・ブロデリック ユマ・サーマン ブロードウェイのプロデューサー、マックス・ビアリストック(ネイサン・レイン)。芝居が当たらず、今や落ち目の身の上。口八丁手八丁で老婦人を口説いては小切手を巻き上げ、なんとか糊口をしのいでいる毎日である。
そこへやってきたのは会計士レオ・ブルーム(マシュー・ブロデリック)。彼は帳簿を見て、ひとつの発見をする。それは「公演が一日で失敗すれば、出資者に配当金を渡さずに済み、出資金をそっくり持ってトンズラできる」ということ。ただし、公演が大成功すれば、詐欺罪でお縄である。
マックス、俄然やる気。「二人で最低のミュージカルを作ろう!」とレオを説得。初めは拒んでいた臆病な会計士だが、心ひそかに願っていたプロデューサーになる夢がかなうチャンスだと、ついに加担することに。
こうして二人は「最低の脚本」「最低の演出家」「最低のキャスト」を揃えるために奮闘するのであった…。
<気をつけて書くけど、一応ネタバレ注意!なのです>
雰囲気が往年のミュージカル映画っぽいなぁ、と思っていたら、
監督がMGMミュージカルが好きなんだって、
パンフレットに書いてありました。
何がいいって、突然歌と踊りにつながるところがいい(笑)。
自然な演技のあとで歌われると、かえって違和感があるし、
舞台ノリの濃い演技から歌に切り替わるのがとても良かった。
コメディだから、OK,OK!
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そう、舞台版のキャストが主演二人をやっているから、
安心して見て、笑っていられるのです。
(たまーに、頑張って歌い踊るハリウッド俳優が、
なんか危なっかしくてはらはらする時、ないですか?)
ネイサン・レインもマシュー・ブロデリックも芸達者よね。
はじけた演技が可笑しかったー!
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映画独自のキャストも好演してましたよ。
ユマ・サーマンは女優志望のスウェーデン美女で、
「When You Got It,Flaunt It」
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(確か字幕では“あたしのお宝を見せちゃうわ”!)
というセクシーな歌を歌うのですが、
『ロッキー・ホラー・ショー』で、
スーザン・サランドンの「タッチ・ミー」を聞いて以来の衝撃。
またスゴイ歌をしれっと…あなた結構やるじゃない、という感じ。
ウィル・フェレルも、ぶっ飛んだ役でしたね。
なんと、ヒトラーを崇拝するドイツ移民。
「春の日のヒトラー」という危ない脚本を書いた、超危ない奴です。
(マックスが、4ページ目で客はみんな帰る!と喜んでいたもんなぁ)
あの伝書鳩、何に使ってるんでしょう。
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史上最低の演出家として見出されたのが、
ハッピーエンドじゃなきゃイヤ!というゲイの演出家。
登場から笑わせます。助手のキャラクターがまた、濃い。
一生懸命、契約に漕ぎつけようとするマックスを見ていると、
プロデューサーって、はったり勝負?って思ってしまいます。
同行したレオ、最初は完全にひいてたね(笑)。
冷や汗が見えるようでした。くくく。
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ほんと、悪巧みしているはずなのに、憎めない奴らなんです、
マックスとレオは。
お間抜けだから、可愛げがあるんでしょうか。
予想通りのようでいて、その予想をも覆す展開。
それってどうよ、という気もするけど、まあいいか。
この辺で話に関しては口にチャックします!
観終わったあとも、嬉しいエンディングがあるんですよ。
最後の最後にちらっと出てくるおじいさん。
誰だろう…こんな人出てたかなぁと思ってパンフで確かめたら、
製作・脚本・作詞作曲のメル・ブルックス…。
うそぅ。知らんかった、こういう人だったんだー。
B級ぎりぎり(?)のセンスが好きかも。
誰にでも笑いの好みがあって、
わたしはロンブーみたいな、素人いじりを観るのは苦手なんだけど、
プロによって緻密に作られた
(しかもそれが“何気なく”見える)コメディは好き。
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メル・ブルックスの映画、他のも観てみようかな。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆映画館で、『ダヴィンチ・コード』の宣伝パンフが配られていました。
楽しみだねえ~とめくったら…もしかしてネタバレ?!
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すでに原作を読了した夫に見せたら、やっぱりそうだって。
TVで『ダヴィンチ・コード』の宣伝費が莫大って聞いたのに。
こうした配布物で堂々とばらしていいのでしょうか…。
もう観る気しなくなっちゃうよう。
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(映画『ダヴィンチ・コード』を観る前にネタバレされたくない
と思われる方は、読まないほうがいいかもしれませぬ。ご注意を!)
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