夫は硬派なお仕事モノの話が好きだ。
この間も「陽はまた昇る」のラストで泣いていたが、最近は「官僚たちの夏」にもハマったらしい。
高度経済成長期を築いた、通産省の官僚たちの仕事ぶりを描いた熱いドラマなのだが、内容はいいのに放送された時期が悪かったよね、と夫。
(実力派キャストなのに、イマイチ人気沸騰とまではならなかったのは、ちょうど官僚批判が渦巻いている頃に放送されたからでしょうか)
わたしも二度ほど一緒に観ましたが、登場人物それぞれに言い分があって、なかなか深いですよね。
風越は頑固一徹。己が信じた道を行き、権力者の前でもブレない男。まあ、日本経済以外のことは見えてないのだけど、通産省の官僚なのだから、常に企業や国民の経済的視点からものを考えるのが筋っていえば、筋。(演じているのが佐藤浩市だから、設定より二割増し格好良く見えるところもあり…)
玉木は、バランス感覚があり、国際的な視野も持つ、風越の良きライバル…かと思うのですが、やたらと出世にこだわったり、自ら公害問題を取り上げておきながら、途中で別の仕事に色気を出したりといった、セコいところもあり、人間的ではあるけれどちょっとカッコ悪いなあ、という印象だったのでした。通産省を退職してからのほうが、ギスギスしたところが薄れて好きになれた。
庭野は風越派で、真っ直ぐで志が高くて、日本の産業のために本気で頑張る、まさしく“公僕”と言える人なのだけど、残念ながら主流にはなり得ないタイプで、誰よりも報われないことが多すぎるので、なんとなく同情してしまうのだった。(観るたび『でも庭野の人生も充実していたよね?出世なんかより、人の評価より、精一杯日本のためを思って、尊敬できる上司の元で、仕事に打ち込んできたのだものね?』と、夫に言ってしまうわたし)
鮎川は誠実で心配りができて、国民に対する傲慢さがない故に苦労が多い人だった。(中小企業の経営者などに共感して親身になれば、彼らを守れなかった時の心の痛みもまた深い訳で…)風越を傍らでしっかと支えて、見せ場はちゃんとあるという、美味しい役柄でもあった。
片山は、仕事はできるがクールで斜に構えていて、玉木にだけ懐いている感じ。(なんか特命で夜は大活躍して悪党と戦ってそう、と言ったら、夫に笑われた)例の「庭野に負けて次官になれないなど耐えられない!」発言はセコかったが、反骨精神が根底にある人で、徐々に可愛げが分かるようになってきたかも。
牧は唯一、最後まで悪役のまんまだったなあ。裏切ったり、上に媚びたり、裏工作したり、権力を振りかざしたり。そういったことをしている背景にポリシーが感じられないところが、やっぱりカッコ悪いのだった。何をしても、毅然として信じる道を進んでいるのだったら人間的魅力を感じるのだろうけれど、あいつの行動原理は「出世」と「保身」ばかりだからなあ。一番姑息なんだよなあ。(ちなみに演じている杉本哲太は、我が家では『みかん』の人と呼ばれています。それは「モナリザの微笑」に出演した時に、主人公に贋作を暴かれて画家生命を失い、自暴自棄の生活を送るうちに妻が自殺してしまい、逆恨みで主人公への復讐を誓う、という役をやったからです。その画家は、当たり散らす時に、何故かみかんをポンポン投げつけて妻を泣かせていたのでした)
「官僚たちの夏」は名ゼリフも多く、夫が特に気に入っているのが、庭野が牧に言った「あなたは権力がないと仕事ができないのか!!」です。
(すみません、携帯投稿なので、セリフは確かめられず、全部うろ覚えですけど。大体そんな感じで)
片山が牧に言った「わたしは、あなたや須藤総理のように、アメリカに国を売ったりはしない!」は、わたしも好き。
(誰しも、牧のような上司には言ってやりたいことがあるので、いいぞいいぞと思っちゃうのかもしれない。現実に部下からそんな直言があれば、さすがに牧的人物であっても落ち込むのだろうけど…。いや、それでも一向にしおれないのが官僚なのか?)
あと、ナレーションの安住さんが一生懸命シリアスな声を出しているところと、エンディングのコブクロの歌なども聞きどころ。
…それにしても、近頃のわたしは、夫の趣味に影響されすぎなような気がする。事故以来、体が重くてゴロゴロしてばかりで、自分の趣味を封印したまま、過ごしているからなあ。夫が繰り返し観ているものから学習しているんだろうなあ。門前の小僧、なんとやらだ。
この間も「陽はまた昇る」のラストで泣いていたが、最近は「官僚たちの夏」にもハマったらしい。
高度経済成長期を築いた、通産省の官僚たちの仕事ぶりを描いた熱いドラマなのだが、内容はいいのに放送された時期が悪かったよね、と夫。
(実力派キャストなのに、イマイチ人気沸騰とまではならなかったのは、ちょうど官僚批判が渦巻いている頃に放送されたからでしょうか)
わたしも二度ほど一緒に観ましたが、登場人物それぞれに言い分があって、なかなか深いですよね。
風越は頑固一徹。己が信じた道を行き、権力者の前でもブレない男。まあ、日本経済以外のことは見えてないのだけど、通産省の官僚なのだから、常に企業や国民の経済的視点からものを考えるのが筋っていえば、筋。(演じているのが佐藤浩市だから、設定より二割増し格好良く見えるところもあり…)
玉木は、バランス感覚があり、国際的な視野も持つ、風越の良きライバル…かと思うのですが、やたらと出世にこだわったり、自ら公害問題を取り上げておきながら、途中で別の仕事に色気を出したりといった、セコいところもあり、人間的ではあるけれどちょっとカッコ悪いなあ、という印象だったのでした。通産省を退職してからのほうが、ギスギスしたところが薄れて好きになれた。
庭野は風越派で、真っ直ぐで志が高くて、日本の産業のために本気で頑張る、まさしく“公僕”と言える人なのだけど、残念ながら主流にはなり得ないタイプで、誰よりも報われないことが多すぎるので、なんとなく同情してしまうのだった。(観るたび『でも庭野の人生も充実していたよね?出世なんかより、人の評価より、精一杯日本のためを思って、尊敬できる上司の元で、仕事に打ち込んできたのだものね?』と、夫に言ってしまうわたし)
鮎川は誠実で心配りができて、国民に対する傲慢さがない故に苦労が多い人だった。(中小企業の経営者などに共感して親身になれば、彼らを守れなかった時の心の痛みもまた深い訳で…)風越を傍らでしっかと支えて、見せ場はちゃんとあるという、美味しい役柄でもあった。
片山は、仕事はできるがクールで斜に構えていて、玉木にだけ懐いている感じ。(なんか特命で夜は大活躍して悪党と戦ってそう、と言ったら、夫に笑われた)例の「庭野に負けて次官になれないなど耐えられない!」発言はセコかったが、反骨精神が根底にある人で、徐々に可愛げが分かるようになってきたかも。
牧は唯一、最後まで悪役のまんまだったなあ。裏切ったり、上に媚びたり、裏工作したり、権力を振りかざしたり。そういったことをしている背景にポリシーが感じられないところが、やっぱりカッコ悪いのだった。何をしても、毅然として信じる道を進んでいるのだったら人間的魅力を感じるのだろうけれど、あいつの行動原理は「出世」と「保身」ばかりだからなあ。一番姑息なんだよなあ。(ちなみに演じている杉本哲太は、我が家では『みかん』の人と呼ばれています。それは「モナリザの微笑」に出演した時に、主人公に贋作を暴かれて画家生命を失い、自暴自棄の生活を送るうちに妻が自殺してしまい、逆恨みで主人公への復讐を誓う、という役をやったからです。その画家は、当たり散らす時に、何故かみかんをポンポン投げつけて妻を泣かせていたのでした)
「官僚たちの夏」は名ゼリフも多く、夫が特に気に入っているのが、庭野が牧に言った「あなたは権力がないと仕事ができないのか!!」です。
(すみません、携帯投稿なので、セリフは確かめられず、全部うろ覚えですけど。大体そんな感じで)
片山が牧に言った「わたしは、あなたや須藤総理のように、アメリカに国を売ったりはしない!」は、わたしも好き。
(誰しも、牧のような上司には言ってやりたいことがあるので、いいぞいいぞと思っちゃうのかもしれない。現実に部下からそんな直言があれば、さすがに牧的人物であっても落ち込むのだろうけど…。いや、それでも一向にしおれないのが官僚なのか?)
あと、ナレーションの安住さんが一生懸命シリアスな声を出しているところと、エンディングのコブクロの歌なども聞きどころ。
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…それにしても、近頃のわたしは、夫の趣味に影響されすぎなような気がする。事故以来、体が重くてゴロゴロしてばかりで、自分の趣味を封印したまま、過ごしているからなあ。夫が繰り返し観ているものから学習しているんだろうなあ。門前の小僧、なんとやらだ。