『アガサ 愛の失踪事件』監督 マイケル・アプテッド 原作 キャサリン・タイナン 出演 ヴァネッサ・レッドグレーヴ ダスティン・ホフマン ティモシー・ダルトン 1979
推理小説家のアガサは、1926年に忽然と自宅から姿を消した。現場の謎めいた状況から警察が捜査に乗り出し、殺害説まで飛び出して英国中の話題になるが、彼女はある思いを抱いて、ハロゲートの温泉保養所に滞在していた。足取りを辿った新聞記者ウォーリー・スタントンは、正体を伏せて彼女に近づくが…。アガサ・クリスティーが実際に起こした11日間の失踪事件を元に作られた映画。初めてレンタルビデオで観たのは十年近く前なのですが、
忘れがたい話でありました。
DVD化するか分からなかったので、先日ついにネットで中古ビデオを購入…。
久々に観ましたが、やはり
大人の香りがするミステリでした。
<以下、ネタバレ注意!>
小説よりも数奇なのに、実在のアガサはこの事件の真相を語りませんでした。
(もし告白本を書いていたら、超ベストセラーになったでしょうね)
当時の夫は、彼女は失踪時に記憶喪失だったのだと説明していますが、
宿では夫の愛人の姓を名乗っていた等、
不可思議な謎が残るために今でも様々な推測がされています。
この映画の解釈は、恐ろしいけれど魅力的。よく考えたなぁ。
事実をなぞるのではなくて、そこから別の世界を築いているのです。
真相よりこっちの方がいいや、という気分になる。
知的で内気な、ヴァネッサ・レッドグレーヴのアガサ。
才能があるために自分(の頭の中)を止められない不幸もあるんですね。
何も考えつかなければそこまで誘惑されずに済むけれど、
巧妙なアイディアが沸いてくるので(できるかも…)と思ってしまう。
推理小説家らしい葛藤が気の毒でした。
不実な夫を愛しすぎて、他には何も見えなくなっていることもせつなくて。
計画に没頭している姿に、「戻って来ーい!」と声をかけたくなる。
気分はまるでウォーリー・スタントン(ダスティン・ホフマンが演じています)。
…さて、ここまでは話を覚えていたのですが、その後の展開は忘れていたので、
終盤ではまたびっくりできました。お得な記憶力を持つわたし。
(機会があれば『アガサ・クリスティー 謎の失踪 失われた記憶』も観たいのですが、
返却待ちが続いています。いつになったら借りられるの、ツタヤディスカスさーん!)
・:*:・゜’★,。・:*:・゜’☆・:*:・゜’★,。・:*:・゜’☆・:
気がつけばお引越しの日が迫っていました。準備期間はあとひと月しかない!
とかいって、動揺するばかりで何もできず、
焦りながら映画の感想を書いているのだった。やばい。
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