本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

灼熱地獄と読書

2008年07月09日 | 

こんにちは。またまたご無沙汰しております。
ブログを更新し続けるのは難しいことですね。
最近パソコンが眠っています…。
「猫に小判」とはこのこと。困ったもんだ。

例によってせわしない毎日なのです。
まず、大雨の後でダニ大発生!(連日、高温多湿でしたから…)
今年も和室の畳にカビが生えました。
(いつまでも夫が撤去せず、部屋1/3に広げていた
荷物の下が特に酷かった。ダニまで住んでた。おぞぞ…)
そのため不安定な天気に泣きながら必死で掃除をする日々でしたが。
梅雨が明けたら途端に猛暑。
リビングのエアコンをつけてみれば壊れている…ときたもんだ。
じっとしていても大量の汗が流れ、いくら水分を補給しても足りないくらい。
まるでサウナに監禁されているかのような状態です。
修理の依頼はしましたが、予約が立て込んでいるらしく、
いつになったら直るか分かりません…。
きっと今年も夏ばては避けられないでしょう。
もう、本を読むしか心の逃げ場がないわたし(いやー、いつものことだけど)。
しくしく。夢の中だけでも、避暑地へバカンスに行きたいぞう。

    ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

『工学部・水柿助教授の解脱』(森博嗣 幻冬舎)
このシリーズは、第1作だけミステリ風だったので、
その路線を期待して読み続けていたのだけど…。三作目はなんだかなあ。
思いがけず人気作家になり、印税がざくざく入ってくる水柿くんと、
奥さんの須磨子さんの、大量消費生活ばかりが描かれていたのでした。
(多分、そういう小説。ミステリを求めちゃいけないものらしい)
それぞれひと月に百万円使うのが限度、とかいう文章を読んでいると、
こちとら庶民なので、しらーっとしてしまうのです。
それから、須磨子さんが本を粗末にするようになったのがショックだった。
(読みたい本を全部買って、読んだら燃えるごみの袋に入れて捨てるんだって。
再読したい時はまた買えばいいのだって。
せめて古本屋に持っていってくれたら、社会に還元されるっつーのに!)
細部はともかく、全体から見ても森博嗣の作品はやっぱり苦手のまま…。
わたしには現代的なセンスが欠けているのかもしれない。

『ショコラティエの勲章』(上田早夕里 東京創元社)
語り手の女性がわりと常識的で落ち着いているので、
安心してその目から世界を見ることができました。
(時々個性的でありすぎて、ツッコミたくなる語り手っているでしょう?
普通そこでそんな反応しない!とか、なんでそこでキレる訳?とか。
あかりは現実の人間のように行動している感じ)
お菓子をめぐる人々の中で生まれた小さな小さな謎に対して、
鋭い洞察力を見せるのは、シェフの長峰さん。
気難しい職人肌のショコラティエ、というイメージなんですが、
もしかしてあかりはファザコンの気があったりして…?

『ミス・メルヴィルの後悔』(イーヴリン・E・スミス 早川書房)
経済的に困窮した中年の元お嬢様が、殺し屋になってしまうというお話。
これを読んでいる時、ふと『小公女』を思い出しました。
お嬢様からメイドの立場になっても、
心の中はプリンセスのまま!とプライドを持ち続けたセーラのことを…。
ミス・メルヴィルも、良い家柄の出だということを忘れることがないから、
決して人に媚びないし、無闇に頭を下げないのだな。
(それぐらいなら一思いに相手を消してしまうという気構えか。
実際ミス・メルヴィルは良心の呵責もなく、次々射殺してます。
依頼を受けるのは標的が悪人の場合だけ、ということにしているのですが、
仕事以外にも自分の気持ちで消してしまったりと…。おいおいおい。
独自の基準があるのが、お嬢様らしいのです)
他人に頼るだけでは終わらない、プライドを持つ女性に乾杯。

『愛国殺人』(アガサ・クリスティー 早川書房)
『ABC殺人事件』(アガサ・クリスティー 早川書房)
『動く指』(アガサ・クリスティー 早川書房)
どれも再読。前の2作はポアロもの。後の1作はミス・マープルもの。
最近新しく作られたミス・マープルのドラマを観て、
原作を現代風に大きく改変していることに打ちのめされ、
クリスティーの小説は時代を経ても面白いのに…と読み出した。
(ポアロ旧シーズンとミス・マープルの旧ドラマは好きです。
大好きすぎて、まだ新作は受け入れがたいのかも)

↓以下、未読の方はご注意下さい。少しネタバレです。



『愛国殺人』は登場人物が多いくせに、
素直にあの人を出してくれないところがずっこいけど、
小説としては魅力的なトリック。
(映像化すると、すぐ分かっちゃうネタでしたけどね)
スノッブな所もあるくせに、いざとなると極めて健全なポアロの価値観に頷く。

『ABC殺人事件』のシチュエーションは、やはりすごい。
今でこそ『ABC』ネタはありふれているけれど、
基本を作るのがどれほど大変なことか。
印象的だから、Aがアンドーヴァー、Bがべクスヒル、
Cがチャーストン、って地名覚えちゃったよ。(被害者の名前も…)
登場する土地を巡る『ABC殺人事件』ツアーってないのかなぁ。
どんなところか、実際に見てみたいよ。

『動く指』は、読めば読むほど味わいが増す、ミス・マープルもの。
のどかな村にも悪意あり。普通の人にも殺意あり。
何をきっかけに抑えてきたものが噴出するか分からないですね。
人は自らの欲望に率直に生きるべきなのか?
それとも、許されない時は完全に心を押し殺した方がよいのか?
犯人も始めはそんな葛藤を胸に秘めていたのでしょうか…。
(まあ、結果を見れば利己的で冷酷な犯行なんだけど)
村内を中傷の手紙が飛び交うという根暗な状況の中で、
ひととき「マイ・フェア・レディ」ごっこ(旧ドラマ版でもそうでしたね)を楽しむ
若い二人が可愛らしい。
妹カップルも微笑ましいです。

   ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

がーん!投稿しようと思ったら、こんな時間になってしまった。
(深夜2時30分すぎ…。風呂にも入ってねえ…)
明日早いのに、忙しいのに、わたしのばかーっ!!(泣)
なんでこう、文章を考えるのが遅いんだろう。
だからなかなか更新できないんだよなぁ…。○| ̄|_