本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

あさが来た メモリアルブック

2016年03月22日 | 

本屋で見かけて、迷わずレジに持って行ってしまったね。
もう今月は慰めにこれを買うだけの思いはしてきたから!って、自分に言い訳して。
「あさが来た」が終わらなければいいのに…。
神回連発の前半に比べると、後半は詰め込み感が出て来たけれど、
(それにしたって、後半も個人的には並みの朝ドラより面白い気がする)
半年間に限られた予算で、よくぞここまで作り上げてくれたものです。

あさが来た メモリアルブック (ステラMOOK)
クリエーター情報なし
NHKサービスセンター


「ステラ」の購読をしていないもので(すぐ売り切れるし)、特集記事まとめを待っていた。
キャストが役柄をどう理解し演じていたかをインタビューで読んで納得し、
全26週の写真を見ては名台詞を思い出し、嫁入り前後の華やかな衣装にうっとりし、
お茶目なオフショット写真館に大喜びしています。

まあ、発売日の関係で放送前の内容も掲載されているのですが、わたしはネタバレ平気なので。
もっと「あさが来た」関連本、出ないかなあ…。
キャラクターがみんな魅力的だから、それぞれに特集があってもいいんじゃないかと思ったよ。
雁助さんや亀助さん、うめさんやふゆちゃんの話をもっと沢山読みたかったし、
後半登場の千代と宜にもページを割いてくれたらよかったのに、と思う。
(寮の部屋とか、2人の衣装とか、写真付きで紹介してほしい)
ああ本当に、またさらにがっつり濃い内容の解説本、出してくれないかなあ…。



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なんなのさ、今年の3月は。
全記事でもあれこれ大変だったことを呟きましたが、他にも色々…。
夫がわたしから借りたマフラー(十数年前に実家母から貰ったもの)を紛失したので、
方々問い合わせて、やっとJRの忘れものセンターにあることを突き止め、どうにか取り戻したり。
(大事なものなので諦めないで良かった…。夫には二度と貸さない…)

長期出張から戻ってきた夫がインフルエンザB型にかかっていたり。
(回遊魚みたいな人なので、隔離部屋で大人しくせず、動いてばかりいるから困る。
ご飯を出すとお酒飲んじゃうし。そのためか、なかなか平熱に戻らない。
わたしはまだ発症していないから、看病と予防が大変なんだよ…)

そんなてんてこ舞いな時に限って、また身内に対しての理不尽な話を耳にしたりするし。
(言っても詮無いことだと自分を抑えるが、わたしの中のあさちゃんが『はああ?!』って感じで、
相手の論理の矛盾点を指摘し啖呵を切りたくてたまらず、暴れまわっている)

本当にどうしたんだ、多事多難すぎる、この3月は。
ストレスで胃痛がひどくなっちゃったぞ。体重も微減した。ううう…。
(考えてみると夫がらみのことばかりなので、夫が一番堪えてそうなのですが、
メンタル強い子なのでわりと大丈夫らしい。
なんでわたしが代わりにストレス溜めてるんだろうか?)


「火星の人」上・下巻

2016年03月03日 | 

久しぶりにがっつり系のSFを読んだので数日かかりました。
物知らずなのでEVA(宇宙での船外活動)や、
サプライ(供給)の意味を辞書で引くような有り様ですよ。
しかし、非常にほわんとした理解度で読んでも面白かったです。
映画を観ていたからイメージが思い浮かべやすかったのかもしれない。


※小説「火星の人」と、それを実写化した映画「オデッセイ」の個人的な感想です。
以下、ネタバレがありますので、ご注意ください。














考えてみると「ふしぎな島のフローネ」は、父が医師、母が農家出身で、
無人島サバイバル生活にはお誂え向きのメンバーが揃っていました。
(家畜と豊かな自然環境、あとから航海士が加わるって、相当有利じゃないか!)
ワトニーは火星にたった一人で取り残された。
植物学者にしてエンジニアでもある宇宙飛行士という設定は、
科学知識を駆使して前向きに生き抜くための必須条件だったように思います。

小説は映画よりもトラブル続出で、分析と対策が詳細に描かれていたため、
過酷な状況が一層際立ちました。
せっかくNASAと通信できたのに、途中途絶えたりするから、
基本のストーリーは把握しているはずなのにハラハラ…。志村、後ろ!みたいな感じ。

映画では唐突に中国が協力を申し出たように見えたけれど、原作にも登場。
国家や組織の違いを乗り越えて、一人の男を救助しようとする地球の人々に、
作者の健やかな性善説が現れているような気がします。

アレス3のクルーの人たちも、仲間思いの冒険野郎で格好いいです。
事と次第によってはシビアな状況になることも想定しつつ、現実的で合理的な判断を下す。
ワトニーも含め、危機に際しては素早く考えを巡らし、躊躇わず対処に動く、
クレイジーでクールな宇宙飛行士たちでした。

映画版は原作の面白いところを上手に抜き出していて、娯楽作品として成功していると思いました。
ワトニーの孤独な奮戦を描きつつ全体的に明るいし、音楽選びも実に良かった。
ただ説明を省いているところもあるので(あと、わたしが上映中にトイレで数分席を外した部分もあり)、
映画で疑問に思ったことは原作で判明しました。
・備品がどれくらいあって、限られたものをどの計画に当てたのか。
・音楽を聴く以外の気晴らしは何をしていたのか。
・ジャガイモ以外の栄養はどう摂取していたのか。
・ローバー(探査車)などで移動中にトイレはどうしていたのか。
・ハブ(居住施設)が壊れた後は、どう対策を立て実行したのか。
・終盤MAV(火星上昇機)に向かっての道中に困難な点はなかったのか、などなど。
映画のほうには火星の景色やワトニーの肉体の変化など映像で見る良さがあるので、
今度は原作を踏まえて観たいです。

そうそう、映画ではジャガイモの栽培と食事が妙に印象的でしたが、
小説では予想外にエンジニア側面が強くて、臨機応変に備品を改造しているシーンが多かったです。
(時にはNASAに待てと言われても、自己判断でやってたね)
レンジでチンしたジャガイモを来る日も来る日も食べ続けるのが大変そうだったので、
実は地下世界に潜んでいたとかいう火星人でも現れて、
ハンバーガーやお好み焼きをご馳走してくれないかと、ひそかに考えました。
しかし「ダンジョン飯」を思い出すと、ワトニーが飢えから狩猟採集民族の血に目覚めて、
火星人のほうをご飯にしてしまうのではないかと心配に…。
せっかくのファーストコンタクトが悲惨な結果に終わって、宇宙戦争が始まってしまうかも。
だって地球外知的生命がトマト星人やチーズ星人やイカール星人に似ていたら、
いけないことだと分かっていても、ジャガイモに合いそうとか思っちゃうじゃないですか。
ああ、妄想してたらおなか減った!!

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)
クリエーター情報なし
早川書房



火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)
クリエーター情報なし
早川書房


映画「オデッセイ」の感想はこちら→「2月に観た映画



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そういえば「真田丸」第8話「調略」を、数日遅れで観ましたが面白かったです。
真田家当主兄弟の冷酷さに一瞬ひきましたけどね。
その後、うわーこれは目が離せないわと、わくわくしました。

※以下、「真田丸」のネタバレがあります。ご注意ください。





一兵も動かさず謀略で国を守るということは、兵法においては最上の策のはず。
真田家と領土を守るためなら何でもするという気持ちも理解できる。
しかし、昌幸父ちゃんが悪魔に見えるのは何故であろう(笑)。
事後けろっとしているからか。被害者が心の美しい人ばかりだからか。
「真田丸」はいわゆる時代劇語でなく現代語台詞なのだけど、
登場人物の内面はこれまでになく戦国時代らしいのではないかな。
(まあ、戦国時代の記憶が無いのでイメージだけど!)

ふと酒見賢一の「泣き虫弱虫諸葛孔明」を思い出しました。
戦乱で始終人を殺したり、敵味方が変わったりする、そんな混迷の世の中で、
英傑が生ぬるい現代人と同じ感性な訳が無い。
みんな振り切れちゃってある意味危ない人として描かれていて、
そうでもないと当時は大暴れできなかったかもと、一人頷いたのですが。
昌幸にも同じ匂いを感じるのです…。
乱世に活躍した武将が非情な面を持たない訳ないものね。
(状況に応じて主君を変えることが普通だからこそ、出浦様の言う通り、忠義に値打ちがつくもので…。
己の都合のために人を陥れたりすることが日常だから、尚更上杉様が尊く感じるのでしょうなあ…)
そういえば女性陣も、いつ形勢がひっくり返って死ぬかも分からない日々では、
刹那的にならざるを得ないから、悔いが無いように言いたいことを言っているのかもしれない。


ジュンク堂に住みたい

2016年01月29日 | 

京都に住んでいた頃は、時々寄らずにはいられなかったジュンク堂。
今は近くの店舗でも電車を使わざるを得なくて、別件のついででしか行かないけれど、
月1~2度は巡回しているかもしれない。
品揃えが独特で、マイナーな本も置いてあったりするから、
つい長時間居座って欲しい本を探してしまう。
いっそ住みつきたいレベル。

もし億万長者になれたら店舗丸ごとお買い上げ!なんて夢を見たりするが、
本屋は流動的なもので、書籍の入れ替わりを止めてしまったら死んでしまうし、
何より店員さんのセンスが重要だから、器と一時的な中身を買っても意味無いんだよなあ。

この間も眼をぎらぎらさせてハンティングしてきましたよ。
旧「クウネル」の近年のバックナンバーが数冊残っていたのを見て、
「ハアァ!これ探してる人、ここにあるから!」と内心で興奮しつつ、
探していた「つるとはな」創刊号を購入。

つるとはな
クリエーター情報なし
つるとはな

まだパラパラめくってみただけだけど、レイアウトと見出しがいい感じだよなあ…。


それから夫へのバレンタインのプレゼントを購入。
今年は歴史ものと実用品だっ!

増補新版 土方歳三 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)
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河出書房新社

 

本能寺遊戯 (創元推理文庫)
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東京創元社



名入れ 筆ペン ぺんてる 携帯筆ペン きらり 金色
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Pentel

迷ってしまって、これだけ選ぶまでに何時間か経ってしまったような気がする。
この本屋に長居する楽しみを、夫と分かち合えないのが、ちょっと残念。
(夫は全てにおいて、目当ての商品を買ったら即帰りたがる性質)

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さて。STAP細胞の小保方さんが捏造犯にされたと主張する手記を出版したというから、
著作の中に再検証に値する客観的な証拠が提示されているなら、
読んだ誰かが感想書いて教えてくれるだろうと思っていたのだけど、
そんな噂をさっぱり聞かない…。科学畑の人も取り合っていない様子。
理研が事件を曖昧に終わらせたりせずに、
検証と再発防止策を徹底的にすれば、こんな事態にはならなかったであろうに。

色々なことが心をよぎるのだけど…。
「あなたが科学者でありたいと望むなら、体調不良を押してまで今するべきなのは、
主観的な手記を出版することではないはず。
真摯に論文を書き上げて、早稲田よりもランクが高くて厳しい大学院で学位を取り直して、
自分の能力を証明することだ。
その後何十年かけてでも、謙虚に学んで、地道に研究に打ち込み、
正確な実験データを取り続けて、誰が追試をしても成功するレベルで、
STAP細胞の存在を証明することだ。
それが笹井先生への誠意の表し方と言えるんじゃないか」ということと、
「今までの言動を見るからに、科学者としての適性はあるかどうか…。
女優とか作家とか弁護士とか銀座のクラブのママとかセレブの妻とか、
もっと向いていて天下取れる世界があると思うよ?」ということを、
飲み屋でうざい先輩のように諭してやりたい気持ちにもなる。
まあ、そんな話を聞きいれるくらいなら、手記出版なんてしてないわなあ。


心の隙間に

2016年01月27日 | 

書店の誠光社が“雑誌「クウネル」がリニューアルしてしまった今だからこそ再評価したい”と、
「羊と樅の木の人々」という写真集を取り上げていましてね。

羊と樅の木の人々―マラムレシュ写真集 TRANSYLVANIA抒情
クリエーター情報なし
未知谷

旧「クウネル」好きはこういうのが好みじゃないかと、
言い当てられた気がして、どっきりしたよね…。
わたし、同じ作者の本を三冊持ってるから…。

「マラムレシュ」と「羊と樅の木の歌」と「ルーマニア 人・酒・歌」。

マラムレシュ―ルーマニア山村のフォークロア
クリエーター情報なし
未知谷

 

羊と樅の木の歌―ルーマニア農牧民の生活誌
クリエーター情報なし
未知谷

 

ルーマニア 人・酒・歌
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東京書籍


Amazonのおすすめ商品よりも誠光社鋭いような気がする…。
ルーマニアで失われていく伝統が記されていて、とてもいい本なんだよ。
読んで、この時代のこのマラムレシュ地方に行きたかったと思った。
心の中にしか存在しない、憧れの村。
旧「クウネル」に登場した人々も、丁寧に生きることなどできない私にとっては、
遠くて浮世離れしていて危うさも感じるけれども、どこか美しい存在だった。


それで、もしかしたら旧「クウネル」好きの書棚には同じ本が並んでいるかもしれないと、
所蔵本から数冊抜き出してみたのです。
リニューアル後に心の隙間が出来てしまったら、これで埋められるかなあ…。
(本誌連載を単行本にまとめたものは入れていません)

富士日記〈上〉 (中公文庫)
クリエーター情報なし
中央公論社

旧「クウネル」初期に特集で語られていたらしい武田百合子の作品。
「富士日記 上・中・下」に加えて「犬が星見た」もいい。特に食べ物描写が素晴らしい。
(やはり特集で幸田文のことを青木玉が語っていて、
その青木玉の「幸田文の箪笥の引き出し」も持っているのだが、
万事手抜きのわたしには厳しすぎて正座してしまうのだよなあ)


文字ばっかりの献立記録「ヨーガンレールの社員食堂」はどうであろう。

ヨーガンレールの社員食堂
クリエーター情報なし
PHP研究所

そうだ、著者が「伝言レシピ」の高橋みどりだ。道理で。


透明感のある美しい文章と言えば、須賀敦子。

コルシア書店の仲間たち (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋

しばらく読み返していないなあ。乙女の頃のわたしは、
やたら須賀敦子と山田詠美とマルグリット・デュラスを好んでいたのですが。
尖ってみたかったんですよね。


謎は謎のままに。

夜に猫が身をひそめるところ Think―ミルリトン探偵局シリーズ〈1〉 (ちくま文庫)
クリエーター情報なし
筑摩書房


生活感があるようなないような、不思議な人々の物語。

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)
クリエーター情報なし
中央公論新社


起きていて夢を見るには、クラフト・エヴィング商會。

ないもの、あります (ちくま文庫)
クリエーター情報なし
筑摩書房


これはイメージなんですが、旧「クウネル」好きはウェブで言うと、
「ほぼ日」を時々覗いていそうな気がする。どうであろう。


  OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO


さて、これ以降は関係ない話。
ブログを休んでいた間に、「つらつらわらじ」を全巻揃えられたのは嬉しかったです。

つらつらわらじ(5) (モーニングコミックス)
クリエーター情報なし
講談社

映画「超高速!参勤交代」がヒットしたのだから、
参勤交代ものとして、これも映像化してほしい…。


あと、「マリーマリーマリー」の三巻が今年出ると聞いて、
慌てて買い損ねていた二巻を入手しました。

マリーマリーマリー 2 (マーガレットコミックス)
クリエーター情報なし
集英社

勝田文の描くヒーローはほぼダメンズなのに、なんで魅力的なんだろう。
朝ドラ「あさが来た」のコミカライズを大和和紀が描いてくれたらいいのに…
という声がツイッターで上がっていましたが、
わたしは勝田文の作風でも読んでみたいと思うんだよな。
ふらふらしてる高等遊民の新次郎がすごくハマりそうな気がする。


クウネル騒動について

2016年01月24日 | 

雑誌が一気にリニューアルを図ったら、
Amazonレビュー欄が一つ星だらけになったという「クウネル」騒動。
初めは、突然すぎて悲しみの行き所が見つからなかった愛読者が、
切々と旧「クウネル」を惜しみ、新「クウネル」の有り様に疑問符をつける、
という名レビューが多かったのですが、
思いを同じくする人たちを見つけたことから数がどんどん増えていって、
やがては感情を修飾することなく、そのままぶつけてくる酷評が現れたりするように。

高評価レビューも、初めは業界関係者風の販促内容が数件だったのが、
今は旧「クウネル」読者タイプが嫌いで批判したい人、
静かな炎上とはいえ皆で群がって叩く姿勢が嫌いな人、
純粋に新「クウネル」の内容が気に入った人がぼちぼち投稿をしてきて、
すごい状態になっています。なんだかなあ。
どちらの立場も分かるような気がするから、難しいよなあ。

私は自分の気持ちを吐露する手段としてブログがあるので、
Amazonレビューのほうには書き込んでいませんが、ずっと読んでいました。
初めは、マガジンハウスに嘆きの手紙を出したところで無意味だから、
せめて同好の士はAmazonレビューで旧「クウネル」を悼もう…程度の
マイノリティの慰め合いだったはずなんだけど。
(大半の人が、売り上げが落ちていたなら変化もやむを得ないと理解していたし、
新「クウネル」には別の読者層が喜ぶ王道要素があることも認めていた。
そのうえで、でも自分が求めるものはこれではない、と呟いていた)

意外に潜在愛読者が多かったから、こんなに盛り上がっちゃったんだろうな。
「実はわたしもそう思っていたんですよ」って、次から次から言いたくなっちゃうもんな。
(しかし、今まで美容院やカフェの置き本や仲間の購入本で読んでいた人多数で、
それは売り上げが伸び悩んでいたのも無理ないな…と思わされる。
こんなことになるくらいなら毎号購読していればよかった、という後悔もよく見受けられる。
旧「クウネル」が好きだと以前から発言しておけばよかった…と)

出版社も商売なんだから売れない雑誌がテコ入れされるのは当たり前だよ、
という騒動批判派の意見も、ごもっともなんだけど。

私もね…こんなリニューアルの仕方でなかったら拒絶反応出なかったよ。
前記事でも語ってしまったけど、
方向性の違う衣替えをするのだったら、「クウネル」の看板は外してほしかった。
手続き上の都合で題を替えられなかったのなら、
リニューアル後にどんな色合いの雑誌になるのか、次号予告で教えてほしかった。
(これからは編集スタッフ入れ替えて、高級志向の50代女性に対象を絞り、
おフランスに学ぶ特集に有名料理研究家の韓国料理、
知名度の高い方たちばっかり寄稿してくれますよって、事前に教えられていれば…)
連載はいきなり打ち切りじゃなく、ちゃんと最終回を設けてほしかった。
誌面でクウネルくんのさよならの言葉が聞きたかった。
そうすればリニューアル後の覚悟ができたし、
なにより定期購読を続けていいものか考えられたのに。
(今までの「クウネル」の実績と今後の品質を信じて買い続けますよと契約したのに、
いきなり別の世界観の雑誌が届いたら、それは泣きますよ。
これが本屋だったら買ってないのに!と繰り言を言いたくもなりますよ)

しかしながら、例にないほどこんがり炎上しつつも、
今回のことは編集部にはむしろ得だったんじゃないかと邪推してしまう。
おそらく金払いが悪くて切り捨てる予定だった旧「クウネル」購読者は離れていき、
大がかりな宣伝をしなくても話題になって新「クウネル」第1弾の部数は伸び、
好奇心から手に取った大勢の中から新規読者が獲得できたであろうし。
まあ…騒動が鎮静化してからが勝負ですよ、新「クウネル」は。
本屋を見ていたら、同じく50代女性をターゲットにした競合雑誌ばかりだったもの。
(テイストが違ってもそれぞれ洗練された表紙が並ぶ中で、
新「クウネル」の赤文字がひときわ目立っていたので、逆にそれが狙いかと思いました)

そしてもう、思いのたけを書きたいだけ書いたから、私も少し落ち着こう。
ツイッターで、定期購読者の即解約したとの呟きが出始めてから、
ああこれはマズい、バックナンバーにプレミアがついてしまう!と直感して、
前から欲しいと思っていた号を今のうちに買っておこうと、何冊か注文したのですが。
予想通り、今バックナンバーがAmazonやヤフオクで高騰化してるんですよね…。
中には一冊3000円とか…。確かに版元に無くて初期のは入手が難しいんですけど。
自分も含めて、みんな旧「クウネル」が好き過ぎるんだよね…。
多分、騒動が鎮静化したら並みの相場に戻るだろうし、
ことによったら愛読者の声が届いて、出版社がバックナンバーをムックとして再刊してくれるかもしれない。
(願望だけど、どうかなあ。天然生活は創刊号を再刊行してくれたけどなあ…)
しばらくは静観したほうがいいですよね、きっと。
はぁ…。深呼吸だな。


※ 追記

Twitterにもどんどんこの件に対する呟きが増えて混迷を極めていますな。
旧クウネルが数年前からマンネリ化していたことを指摘する者、
旧クウネルとの比較ではなくて新クウネル自体のクオリティに首を傾げる者、
一つのものにこだわりすぎる人々が理解しかねる者、
逆に読者ではなかったけど自分の身に置き換えて同情する者、
ごく稀にしか買ったことがなかったと言いつつ突然旧クウネルへの愛を語る者、
新クウネルが気に入ったのでここまで拒絶反応が出たことが我慢ならない者、
色々業界の内部事情を知っているけど話せないと思わせぶりを言う者。

中には、今まで一度も読んだことがなかったけど、
ここまで話題になっているから旧クウネルと新クウネルを比べ読みしたいという声もあり、
バックナンバーを買う時は古本の便乗値上げに気をつけた方がいいですよ、
近年のものは出版社やセレクト書店に在庫がある場合もあるから…と
忠告したい気持ちになったけど、確認のためにマガジンハウスのHP見てみたら、
この間まで余裕があったのに、あらかた品切になっていてびっくりした…。
これは…新品は本当に入手困難なのかもね…。
(古本は、多分需要を見込んで手放した人が沢山いるし、
供給過多になっていずれ値下がりするんじゃ…と考えてますが、どうかな)
もしこの騒動を受けて、マガジンハウスがバックナンバーを電子書籍化したり、
旧クウネルお別れ号とかムックで出したら、わたしすごく感服すると思う…。


クウネルのこと

2016年01月22日 | 

お久しぶりでございます。前回更新からまた間が開いてしまいました。
ふた月連続で両実家に里帰りしてから、
健康診断の締め切りが近いことを思いだして慌てて病院回りをしたり、
年末年始の支度をしたり、夫と出かけたり、家でだらだらしたりしてました。

それから、BDレコーダーをS社製からT社製のものに替えたのですが…。
(長いことS社のBDレコーダーを使っていましたが、
かなり前からDVDの読みこみと書き込みが出来なくなっていたので、
録画したものを全てBDにダビングしてから別のレコーダーに交換する予定で、
T社のものは一年ほど前に購入しDVD再生用として使っていた)
すぐフリーズするし、何かと言うと録画を失敗してばかりで、
(疑問に思って検索したらネットでの評判は最悪…調べてから買えばよかった…)
ついに堪忍袋の緒が切れて正月早々に電器屋に走り、また改めてS社の製品に買い換えたのでした。

その帰り、夫は結構値切れたのでほくほくしていたのに、
立体駐車場でスマホを隙間に落とし、業者さんを呼んで取り出してもらうことに。
雨上がりに地下に落下したので水没の恐れがあり、ひやひやしていたのですが、何とか無事でした。
よりによってデカくて落としやすいiPhone6s Plusをダウンのポケットに入れるからだ!と叱り、
普段バッグを持ちたがらない夫に強制的に持たせるために、即行ボディバッグを買いましたけどね。
まあ、そんな日々でした。

一月に入ってからは、SMAPの解散騒動と謝罪会見に内心嘆くことに(ファンでもないのに)。
会社内部の争いと、足抜けへの懲罰行為を、表舞台で見せたら商売として駄目だろうに。
もうマネジメント側には、客観性とか、時代の変化への対応能力がないのでしょうか…。
タレントの独立を阻んで仕事干されるようにしたり、
主演ごり押しとか、実力もないのに賞を取らせるとか、バーターとか、
各芸能事務所の作戦がここ十数年露骨過ぎてうんざりしていたところに、この騒動。
事務所にもテレビ局にもスポーツ新聞にも、世間様の感覚で制止する人が誰もいないことが怖い。
そういう業界ルールがまかり通っているから、従来のメディアが衰退していくのにねえ…。


で、ここからが本題。
内心嘆くと言えば、雑誌「クウネル」の予期せぬリニューアルもそうでした。
一号休んでリニューアルするとしか知らず発売を待っていたら、
ターゲットを50代女性に絞るという話が耳に入り、表紙デザインを見て愕然。
これは少なくとも「クウネル」的なセンスではない…。

ku:nel(クウネル) 2016年 03 月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
マガジンハウス

定期購読で手元に届いて、さらにびっくりぽんだよ。
巷では静かな悲しみに満ちたAmazonレビューが話題ですが、
わたしもこれは「クウネル」を廃刊して新雑誌として創刊すれば良かったのでは、と思いました。
今までの連載が最終回もなく突然消えていて、ショック。
キャラクターのクウネルくんもいない。なぜ紙面でお別れの言葉を聞かせてくれなかった…。

価値観の多様性を認め、有名無名の人や物をとりわけ区別せずフラットに描き、
押しつけがましく高級品を勧めたりライフスタイルを提唱したりはせず、
ストイックに独自の世界観を守り続けていた旧「クウネル」。
お前ら読者これが好きだろ分かってるんだついてこいや風のドヤ顔ではなく、
こういうの面白がってくれる人どこかにいるといいな…という囁きに似た、
控えめでまったり優しく品があり、でも鋭さを秘めていた旧「クウネル」。
新「クウネル」はそんな旧「クウネル」とは別物でした。

改めて思うけど、旧「クウネル」のデザイン、写真、文章の絶妙なセンスが本当に好きだった。
特集といえば「フランス女性の生活の知恵」などではなく、
「パリのいい顔」で見知らぬひげのおじさんの写真が表紙だったし、

ku:nel (クウネル) 2010年 01月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
マガジンハウス

韓国料理といえばコウケンテツではなく、ソウル郊外のオモニのおかずだった。

ku:nel (クウネル) 2012年 01月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
マガジンハウス

地味で消費欲をそそらないかもしれないけど、何度も読み返したい「本」だった。

初めての出会いは雑貨屋兼カフェで、毎号読みたいと思ったから、
この号(vol.24)から定期購入したのです。

ku:nel (クウネル) 2007年 03月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
マガジンハウス

 以来、繰り返し読み続けてきました…。

ku:nel (クウネル) 2007年 09月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
マガジンハウス

 

ku:nel (クウネル) 2008年 09月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
マガジンハウス

 

ku:nel (クウネル) 2011年 09月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
マガジンハウス

 

ku:nel (クウネル) 2012年 05月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
マガジンハウス

 

ku:nel (クウネル) 2013年 11月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
マガジンハウス


この抑制のきいた美しい表紙、何ともいえぬ個性が好きだったんだけど…。
ごく普通の高級志向中高年の婦人雑誌に変わってしまったからには、
(次号に林真理子のエッセイとの予告見て、すごくひいた)
定期購読解約しようかな、と考えています。
愛読者の大不評を受けて路線変更してくれたなら購読再開すればいいし、
このままなら今度は「つるとはな」を読んでみようかな。
とりあえずはバックナンバーを楽しみます。
今までお風呂で熟読してたんだけど、もう勿体なくてできないよ…。


ちなみに旧「クウネル」で連載していた「エブリデイ・マイ弁当」の単行本は3作持ってます。

私たちのお弁当 (クウネルの本)
クリエーター情報なし
マガジンハウス



「ただいま食事中」も好きで単行本持っている。続刊出してほしい。

よりぬき ただいま食事中。 (クウネルの本)
クリエーター情報なし
マガジンハウス

ああ、音楽・映画紹介に伝言レシピ、江國香織姉妹の往復書簡、
テーマにちなんでいることもある川上弘美さんの短編、
それに「B&D」の新作でチィチィを見られることも、もうないのかと思うと悲しい…。


8月に読んだ本と観た映画

2015年08月31日 | 

今年の8月は戦後70年のうえに、安保法案問題も重く、昭和史を意識する読書となりました。


「日本史はこんなに面白い」(図書館本)

半藤一利氏の日本史についての対談集。
各人それぞれに歴史観があり、一つの事件に様々な解釈がなされるのは当然のこと。
(事実は一つだけど真実は視点の数だけある)
お互いに意見を提示し、幾分楽しそうに吟味しあう様子を読んで、議論とはこうありたいと思いましたね。
なんだか最近、自分と異なる意見については徹底的に攻撃する風潮が強まっているので…。
(ことに歴史観や政治的思想については、双方に冷静さが失われているような。
民主主義とは多様な価値観が並立共存すること、のはずなんだけども)

日本史はこんなに面白い (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋



「昭和史忘れ得ぬ証言者たち」(図書館本)

保阪正康氏がこれまで取材した中で、深く印象に残った人々を取り上げた作品。
激動の昭和を生きた人間たちの列伝のような感じでした。
保阪氏には保阪氏の歴史観があるけれども、一つの作品に取り組むにあたっては、
様々な立場の人物に丹念な取材を重ね、膨大な資料を紐解いて論理を構築している訳で。
取材する上では、嫌悪感を与えるような言動をする小人物のほうが
おそらく沢山いたんだろうけど(あとがきでも少し触れられていましたが)、
だからこそ、波乱の時代を真摯に生きて、のちのちも取材者に感銘を与えるような大人物のことは、
こちらも尊敬の念を覚えてしまいます。
これはいつか購入してもいいと思いました。

昭和史 忘れ得ぬ証言者たち (講談社文庫)
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講談社



昭和史といえば、この間TV放映された岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日」も観ました。
録画したものをあとで観たので、別段中断しても構わないのに、
再生したら最後まで観ずにはいられない迫力でした。
わたしはヤン・ウェンリーに私淑しているうえに、平和ボケした戦後育ち一般庶民の立場で考えるので、
感想は軍人に厳しめですけど(あくまで映画の感想だから大目に見てください)。



以下、作品内容に触れる記述がありますので、未見の方はご注意ください。
(歴史的事実に対してネタバレありますよと言うべきなのかなあ…。自分でも疑問)


・降伏に納得できず、宮城事件を起こす若手将校たちの言い分には全く共感できず。
これまでの仲間の犠牲が無駄になると言うが、停戦が伸びればさらに多くの国民が犠牲になるというのに。
勿論皇国思想によって徹底的に洗脳され発想を切り替えられない悲劇と、
原爆の被害がどれほどのものか一般にはまだ知らされていない段階であることと、
若者たちには敗戦国になる経験がなかったことなども、暴走の原因にはなっていたのだろうが、
仮にも軍隊に所属しているのだから、自分たちだけ組織の指揮系統を守らないのはあかんやろ、と思った。

・軍部の視野の狭さがひどい。ここまで国力に差がある中で精神論だけで勝てるとしたら局地的戦いだけだ。
そもそも補給とか情報とか戦術の基礎になるものを今までおろそかにしたあげく、
まだ特攻に大量動員しようという発想っておかしい。戦っているのは人だよ、消耗品ではないよ…。
人の死に絶えた国に何の価値があるの。

・結局、文民統制が大事だと実感。戦争を未然に防ぐのが政治であり外交である。
武力を盾に軍部が独走しないようコントロールするのが政治家の役割の一つ。
その政治家の権利は法によって保障されているのだから、
政治家自身のためにも法の解釈は厳正でなければいけない…とわたしは思うんだけどなあ。

・それはともかく、阿南陸軍大臣と鈴木総理が対面した時の内心分かりあっている感じ…。
阿南さんの遺した言葉…。せつない…。

・殺気に満ちた軍人たちに囲まれても、揺るぎなく対応する侍従たち。
銃を突き付けられてもひるまない日本放送の館野放送員。
「立派な男たちだ…」(©ラインハルト)

・実在の人物を演じると言うより、戦争の狂気を具現してみせた黒沢年男。
一方、高橋悦史と加山雄三がイケメンすぎ。
しかし、名前を知っているはずの役者さんたちが若すぎて、もう誰が誰やら。

・作品の根底に流れる権力に対する怒り、反戦への思い。
重厚ながらテンポ良く進む演出も、岡本喜八監督らしいかも、と思いました。

日本のいちばん長い日 [東宝DVD名作セレクション]
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東宝

リメイク版は観ていないです。いつかTV放映されることになったら観ようかな。
原作は電子書籍で買いました。いずれ読むつもり。
今後は昭和史についての本をもっと読んで勉強したいと思います。

日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日
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文藝春秋



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実は一年ほど、他のブログサービスで別ブログを管理していました。
夫関係ですが、某OB会が立ちあげられた時に、老婆心ながらweb展開としてブログを提案して、
サンプル作って、了承されたのでしばらく受け持っていたのです。
このたび、ようやく事務局に担当が移ることになったので、
新担当の人に引き継ぎ書を書くことにしました。
夫に聞いたら「初心者にでも分かるように」だったので、
この間試行錯誤しつつ、画像を多用し詳しく解説した運営マニュアルを作成。
我ながら「ブロガー歴9年以上は伊達じゃないぜ!」という自画自賛の気分になりましたが、
ふと周辺を見回してみると…あれっ。リア充ばかり。
そうか。実際はまったくもって素人なのにも関わらず、周りにこういうことをやる人がいないから、
つけ上がった思い違いをしてしまうんだな…自分…。
そうだよね、リア充は普通mixiとかfacebookとかLINEとか、やるんだよね…。
わ、わたしは…今度はTwitterやってみようかな…。非リアの友達欲しいな…。


初心者向きピアノソロの楽譜

2015年06月20日 | 

相変わらずど下手なんですが、ピアノの練習をしているとなんだか時を忘れるのです。
聞き覚えがあるメロディをぎこちなくても音にするだけで、素朴に喜びが湧いてきます。
(まあ、ヘッドホンしているからいいけど、何度も何度もミスしたり、テンポがいい加減だったり、
練習聞かされる方はたまったもんじゃないよね…。一人の世界にこもれる電子ピアノ、最高…)
元々早めの認知症予防で、両手を使う音遊びのつもりで始めた練習。
できれば真面目な練習曲より、やさしいアレンジで耳馴染みのある曲をやってみたい。

という訳で、中古の楽譜で値段が手頃で曲目が良さげなものがあると、つい買ってしまいます。
何か一冊でも真っ当に弾けるようになってから、次のを買えばいいんだけど、
楽譜の場合、一期一会だから…(一度入手し損ねると中古でも高値がついたりする)。
今買っておいて、あとで順番に練習すればいいや、と思っちゃうのね。
そんなにあっても今のレベルですぐ弾ける訳じゃないんだけども。
望みは高くというか…。テンションを保ちたいというか…(言い訳ばかり)。


やさしいピアノソロ 保存版 映画音楽ピアノ全集
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デプロ

これは「星に願いを」と「マイ・フェヴァリット・シングス」が弾いてみたい。

やさしいピアノソロ 永久保存版 クラシックベスト100
デプロ
デプロ

これは子供の頃いい加減に練習していた「ハバネラ」と「楽しき農夫」の初級アレンジに、
もう一度挑戦したかったから。
しかも憧れのチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」の一部とか、
グリークの「ピアノ協奏曲」の一部とか、カッチーニの「アヴェ・マリア」とかも載っている。
今、別の本の超簡単抜粋版「カノン」を練習しているのだけど、
ある程度弾けるようになったら次はこっちの本のアレンジに移りたいし。
もっと勉強しようー!

やさしく弾けるピアノソロ アニメーションアルティメットコレクション (Piano solo)
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ケイ・エム・ピー

これは「宇宙戦艦ヤマト」と「キャプテンハーロック」があったので。
「ムーンライト伝説」や「タッチ」などもあって嬉しい。
イントロや間奏の、ここは萌えるから省いてほしくないというところがちゃんとあったりして、
アレンジがわたし好みだという気がする…。

三冊とも盛り沢山なので、当分夢中になってそうです。
とりあえず好きな曲の楽譜を広げて、ぽつりぽつりメロディを確かめるのが楽しい…。




さて、話は変わりますが、夫が数日間の出張中、
猫のさくらが淋しそうにしているので撫でたら、
「まだあんたに慰められるほど、落ちぶれてないわよ」的に手を噛まれました。
いつもなら寝る前ににゃあにゃあ甘えてきて、人間にべったりもたれかかるのに、
おとうさんがいないだけで妙にくつろがない恰好で寝てるから…
優しくしたかっただけなのに!何さ!
(ちなみに食欲はいつも通り、トイレも普通。なんとなーく淋しいだけみたい)
仕方なく翌日は、夫の使用済み白Tシャツを猫ベッドに置いたら、幸せそうにしておりました。
夜もベッドの片側半分に、その白Tと夫の使用済みタオルケットを敷いたら、
その上で寝てわたしの傍には寄り付きもしない。
またたびを与えられたかのようにシャツに顔をうずめる様子は…見ていて超ひきます。
さくらにとってわたしの存在はなんなの?空気?
おとうさんの代わりに甘えるとかいう可愛げは無いわけっ?


ここしばらくの読書傾向

2015年06月15日 | 

「クラシック音楽館」で、ラフマニノフが聴けてひそかに嬉しい日曜日。
近頃クラシックに対するにわかっぷりが激しくて、お恥ずかしい限りです。
(好きかも…と思うのは大抵何かのCMやドラマに使われていて耳馴染みがある曲。
通俗的だろうがなんだろうが、華麗な作品ばかりに心惹かれ、長い曲は途中で飽きてしまう。
NHKのクラシック番組をぼんやり観て、指揮者の燕尾服率の低さとか考えてたり、
本当に自分は音楽というものが分からないのだなあ、と感じます)
まあでも、ひっそり楽しむ分には誰にも迷惑をかけていないからいいか。

ピアノの練習も、進歩していないけど少しずつ続けています。
我が家の猫の、わたしが別の部屋に行っただけで「ママー!」と鳴き出すエル氏が、
近頃少し大人になって落ち着きを見せて来たようなので、こちらも練習に夢中になれたのですが。
家事の合間や夜中に何時間も弾いていたりするとやはり淋しいらしく、
先日目を離したすきにまた異食をしてしまいまして(もう排出はされて一安心なのですが)、
エル氏の心の安定のためにちょっと練習時間をセーブしております。
(電子ピアノを置いた部屋、片づけて猫出入り自由にしたのになあ。
今ではプレイサークルも置いて、猫の遊び部屋と化しているのに、それでも淋しいか…)

そんな訳で、久々に綿毛布を食べてしまったエル氏なのですが、
それでも書籍にはまったく手を出さないようになりまして、やっと安心して図書館本を楽しめるように!
(今まで不安要素が強かったので、読書は購入本が中心、借りてきてもこっそり読んでいた…)
ばんざい!

もうあれもこれも読みたくて、バッグが重くて肩が抜けそうになるほどがっつり借りているのですが、
今のところ初心者向きの音楽学習本が多いです(楽譜・名曲案内・オーケストラの解説等)。
しかし読んだ後で大体忘れるので、勉強にはあまりなっていない。


音楽関係の読みものでは他にこんな本を借りました。

「ボクたちクラシックつながり」

「のだめカンタービレ」等で描かれている音大生たちはどういった人たちなのか、
パリのコンセルヴァトワールの入学試験はどういうものか、などなど、
音楽漫画と照らし合わせて実際の音楽界を解説しています。
音大卒業後の生活とか、現実が厳しいのがよく分かった。
(色々音楽本読んでると、音楽家の中でも世界的に認められるのは一握りの人たちで、
才能があっても運や人脈がなければどうしようもない点があるんだなあ、と切ない気分に。
プロになるための教育には多大な資金がいるし、音楽で生活するにしても一部の人たち以外は
どえらい収入がある訳でなし、費用対効果の面で成功するのはかなり難しい世界なのだけど、
それが分かっていてなお、最上の音楽を求めて生涯学び演奏し続ける人たちは、
音楽を本当に愛しているのだろう、すごいなあ…と素朴に思いました)

ボクたちクラシックつながり―ピアニストが読む音楽マンガ (文春新書)
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文藝春秋



「おわらない音楽」

クラシックに興味が無い時から、実は小澤征爾氏の娘、征良さんの「おわらない夏」(文庫版)を持っていた。
「おわらない音楽」は小澤氏の自伝のようなものなので、当たり前と言っちゃ当たり前なのですが、
一家の友人タカベエや奥さんのヴェラさんのお話が出てきて、勝手にしみじみしました。
若き日のエッセイ「ボクの音楽武者修行」では語られなかった細々した話があり、
斎藤先生のことや、海外進出資金集めのあれやこれや、
応援してくれた人たちのこと、などなど、正直こちらのほうが面白かったし、じーんとしました。
あと、断然興味深かったのは小澤氏サイドから語る「N響事件」であります。

おわらない音楽 私の履歴書
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日本経済新聞出版社



「小澤征爾さんと、音楽について話をする」

小澤氏による、カラヤンとバーンスタインの分析が印象に残りました。
他の本によると、一見独善的で自分の世界しか見てないようなカラヤンが、
実はオーケストラをまとめるうえでは上手だったみたいで、
後進の指導には定評のあるバーンスタインが、実はフランクすぎて、
奏者個々の主張を抑えられないタイプだったのかー、と。

それから「春の祭典」の改訂版が出た変わり目の時に、
小澤氏がそれを指揮することになり、改めて勉強しなおさなくちゃならなくて、
セイジは改訂版の犠牲になった、と師匠のバーンスタインが怒り、
作曲者ストラヴィンスキーが改訂版出したのは著作権伸ばしたいからだろうと思っていたらしいというくだりの後で、
実は作曲者が自分で指揮してみたら難しかったので改訂版を出したらしい、という補足が載っていた部分が、
何ともいえず面白かったです。
そうか…。自分では難しかったんだ、ストラヴィンスキー…。

小澤征爾さんと、音楽について話をする
クリエーター情報なし
新潮社



それから、音楽以外の本ではこれらを読みました。

「タマネギのひみつ。」

改めて、黒柳徹子さんはものすごく頭が良い人だなあ、と思いました。
はるか昔に読んだ「窓際のトットちゃん」「トットチャンネル」の印象も残っているのですが、
頭が良すぎて、時折周囲の人と噛み合わなくなるタイプのようですよね。
日頃の勉強量が半端ないと思う。心が豊かだし、前向きなところが素晴らしい。
それに、受け手の糸井重里氏の上手さも改めて感じます。
たまに「ほぼ日」のインタヴューを読んで(糸井氏に)感心するのですが、
言葉の選び方やゲストの話を受けての返し方、新たな話の引き出し方がすごいですよね。
糸井さんはどうしてこうもゲストの懐に入れる聞き方ができるんだろう、と思う。
あ、この対談の話題で秀逸だったのは、やはり森繁久彌氏の話です。
ひとしきり笑わせてもらったあとで、
森繁さんはおそらく戦争の時に色んなものを見てきたのだろう、
しかし公にはそれを語ることなく、
森繁久彌という明るいキャラクターを終生演じ続けた、という徹子さんの分析が胸に残ります。

タマネギのひみつ。
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祥伝社



「ロンドンの超能力男」


シャーロック・ホームズのパスティーシュ。
一口に言うと、ホームズとワトソンとハリー・フーディニが出会います、という話。
ワトソン好きにおすすめだという評をどこかで読んだので借りて来たのですが、
もうワトソンさんがいい人すぎ。ドジっ子だけどかわゆすぎ。
これね、どう見ても、ホームズがワトソンのことを古女房だからと甘え切って、
どうせ離れていくわけないからって好き放題していたら、
ワトソンはいつのまにかアメリカ人の青年と仲良くなっちゃったり、
ぞんざいな扱いに我慢ならなくなってついに切れたり、
みんなをかばって怪我しちゃったりして、ホームズさん内心オタオタ、ていう感じでした。
自信家で傲慢で憎めないハリーの間男っぷりがいい。
フーディニの奥さんも登場するけど、腐った眼には男どもの三角関係にしか見えなかった。
そんな訳でミステリ的にはぶっちゃけ普通だけど、読んでいて楽しかったです(どういう感想…)。

ロンドンの超能力男 (扶桑社ミステリー)
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扶桑社




さて、図書館本ばかりでなく、先日はブックオフオンラインで買い物をしたのですが、
小澤征爾氏に援助していた江戸英雄氏の器量の大きさにイロイロと感心したので、
「三井と歩んだ70年」をカートに入れたのでした。
ネットで幾つか読んだ逸話からしても、人間的に興味深い方…。


「仔羊の巣」「動物園の鳥」

2014年05月22日 | 

3Dプリンターの進化に半沢ネジ危うしと思う昨今です。
(精度が良くなれば、職人じゃなくても樹脂ネジが簡単に作れちゃう!
半沢直樹の実家工場、いよいよやばいよね…)
もしわたしが3Dプリンターを使えるならば、ドールハウスの家具とか作りたいなー。
それはともかく、ひきこもり探偵シリーズの続き(第2作・完結作)の感想です。
ちなみに第1作「青空の卵」の感想は→こちらです。
以下、ネタバレ注意!












「仔羊の巣」

解説の有栖川有栖が、「鳥井が好きになれない」キャラクターだと書いていた。
確かに鳥井自身は過敏で傷つきやすいくせに、
無礼で攻撃的で他人の気持ちを思いやる能力は低い印象がある。
(坂木以外の人は基本どうでもいいらしい。
そういうのもありだとわたしは思うけど)

そういえばこのシリーズに登場する面々の多くが未熟で身勝手である。
客観的な指標を持たず、自己中心的な理由で深く考えずに行動し、時には犯罪まで犯す。
しかし彼らは、やがて同様の人を許し受け入れるようになる。
(いくら微罪でも犯罪の場合は、公に裁かれなくていいのかなあ、という気もするけど)
過ちをおかした人、傷ついた人に共感し、本人には見えない真実を指摘し、励ます様子は、
どことなくグループカウンセリングを思わせる。
その辺りが癒しのミステリと言われるゆえんかもしれない。

事件をきっかけに生まれた小さな人間の輪はいつしか広がっていく。
それぞれにいびつで不完全な存在であるお互いを許容しあって。

まあ、このシリーズ、円熟した大人として描かれるのは栄三郎さんくらいだよね。
あの爺様は格好いい。
それはそうと、鳥井と坂木はやはりホモ疑惑が生まれるくらい関係性がBLぽいです。
巷で薄い本出てるね、これは。
別に鳥井を自立させるために坂木が突き放す必要なんてないんじゃないかと。
鳥井が他の人ともつながりが持てるようになっても、坂木は側にいていいんじゃないかと。
もうお前ら一緒に暮らせよと思っちゃいました。

仔羊の巣 (創元推理文庫)
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東京創元社



「動物園の鳥」

多くの人は、他人を値踏みする。
学歴、職業、役職、収入、容姿、未婚既婚、所有物の値段、etc.
自分が拠り所とする価値でもって他人を選りわける。
極めて動物的に群れの中での上下を判断し満足する。
無意識にそれをしている人間はむしろ幸せであろう。
疑問に思えば息苦しくなるものだから。

鳥井は自称ひきこもりで過去のトラウマから人間が苦手、外出もそれほどできず、友人も少ない。
一見すると不自由な生活を送る哀れな弱い人である。
しかし、彼は社会的なオトナの価値観に囚われない。
誰とでも対等に接して名前を呼び捨て、ため口を使う。
(故に礼儀知らずと思われるのであるが)
99人が右と言っても自分が左だと思ったら頑固にそう言う。
(だから支配的な人物にからまれたりするのだが)
母に捨てられたことと、過去のいじめのために、自分の存在意義が揺らぎやすく、
坂木を支えに生きているけれども。それでも彼には「自己」があるのだ。

鳥井には己を養える稼ぎがあって、家事能力があって、ほどほどには外出できて、
わがままを言ってもまるごと許容してくれる友達がいて、
もう大人で誰に迷惑をかける訳でも無し、別にこのままでも構わないだろうという気もするのだが。
坂木は鳥井を抱え込みたい一方で、外の世界へ連れ出したいと願う。
今回、それは坂木の側にもトラウマがあったからだということが分かったのであるが。

そのふたりのトラウマの元凶が登場。
自分の価値観を押し付けて他人をねじ伏せようとする、誰よりも自分が上だと思いたいお山の大将。
彼については、なんか納得いかない終わりだったけど。
(あれだけのことをしておいて、たったそれだけで解放していいの?という)
こういう人はいずれ社会的に罰されるのでしょうね。
倫理観も歪んでおかしいけど、ビジネスマナーもなってないもん!

この独善的な人物の他にも、偽善的な人物が登場。
表面だけいい人そうなことばかり言っているので、同性から嫌われるのも分かる気がする。
美月ちゃんが見抜いたように底が浅いけど、若いし根は善良なので、
これからいろんな経験を積んで成長していくことが期待されますが。
個人的に気になったことがひとつ。
猫に煮干しは結石を招く可能性があるのであまり与えない方がいいという話なので、
「こんにちはセット」の中身を考えたらと、動物園の獣医さん、せひアドバイスしてやってください…。

そして、やっぱり栄三郎さんは素敵な人です。
寺田さんも良い人だ。美月ちゃんは初登場が完結編というのが勿体ないくらい、いいキャラだった。
鳥井と坂木は、もういいから家族になっちゃえよ。

動物園の鳥 (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社