「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」、ようやく観終わりました。
な、長かったー。ディスカスで二枚ずつ借りていたから…。
ざっくりまとめると、一度どん底まで落ちた探偵が、薬物依存症の苦しみと戦いながら、
誠実な相棒を見出して、友情に支えられながら仕事と生活を築き直すという流れ、なのかな。
注:以下、ネタバレがありますので、ご注意ください。
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この作品のホームズはめちゃ額が広くて…いやそれは別にいいんだけど、
エキセントリックというかハイテンションというかオーバーアクションというか、
序盤はちょっとついていけないレベルの傲慢で嫌味なひねくれ男で、
これ原作イメージの英国紳士のホームズ像とは一味違うわ、と思ったものでした。
「SHERLOCK」のシャーロックはソシオパスを自称する孤独な天才で、
お坊ちゃまらしい上品さと鋭すぎる知性と少年めいた繊細さを併せ持ち、
女性視聴者を胸きゅんさせるような愛らしさ・危うさがありましたが、
こっちのホームズは家に娼婦を呼ぶわ、体は自分で入れたタトゥーだらけだわ、
返答が可愛くないわ、マイペースが過ぎて奇行に見える感じだわ、
なんだかいい年してるのに、まだぐれてるロックンローラーみたいだったのでした。
しかし、ワトソンとの関わりが少しずつ深まるにつれて、
薬物に逃げた自分自身と向き合いながら、再び社会に踏み出そうとする様子が、
事件捜査と同時に描かれていて、一話ずつ進展していくのが良かったです。
最終的に彼は、薬物に溺れる以前の自分に戻ったのではなく、
より成長した自分に変わった、ということなのだと思いました。
ワトソンは女性という設定はどうなの、という当初の懸念は、
激情家で衝動的なホームズに、
常識的で冷静で柔軟な対応をしている様子を観ているうちにどうでもよくなりました。
依存症患者の付き添い役で、元外科医という設定だから頷けるワトソン像です。
まだ探偵としては駈け出しだけど、ホームズと違う視点から事件の手がかりに気づくところがいい。
コミュニケーション能力にも優れていて、ホームズと他人との橋渡しもしていますね。
彼女もホームズによって才能を引き出されているので、お互いに補い合っている風です。
製作側は探偵と助手ではなく、二人の対等な探偵を描きたかったんだろうなと思います。
この作品でのモリアーティは…わたしがネタバレ状態で観たからかもしれないけれど、
こいつヤバイよというオーラを漂わせてわざとらしく登場するので、
ホームズよ、なぜ正体に気づかないんだ、実は騙されてるフリか…と思いきや、
途中まで本気で奴を信じていたのでびっくりした。
いやいや…おかしいでしょ。パニック状態から素に戻る早さが、見るからに。
でもって、犯罪界のナポレオンは結局ヤンデレでマウンティング女子な訳で。
ワトソンも正体が分かってから彼女と話をした時、意図が丸わかりで呆れたに違いないよ。
(ここでワトソンが女性という設定が生きてくる、ということなのかもしれない)
モリアーティが彼女と同一人物という、この作品のアイディアは評価するけれども、
つくづく「SHERLOCK」のジムモリちゃんは良かったなと感じたのでした…。
探偵への愛憎が複雑に絡まった、構ってちゃんタイプだったけれども、悪役の愛嬌があった。
演技のほうも、ちらちら見える狂気の表現が魅力的なほど上手でしたよ。
最後に、頼もしいグレッグソン警部ですが、エイダン・クインと知ってびっくり。
声優が堀内賢雄さんと知って二度驚きました。
エイダン・クインの若い頃の映画を観たことがあったので、普通に老けているのだけど意外だった。
堀内さんも若々しい役の吹き替えばかり観ていたので、 貫禄のある声だと気づかなかった…。
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