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最近は二匹の猫の話題ばかりです

「官僚たちの夏」

2010年06月15日 | 映画・DVD・テレビ
夫は硬派なお仕事モノの話が好きだ。
この間も「陽はまた昇る」のラストで泣いていたが、最近は「官僚たちの夏」にもハマったらしい。
高度経済成長期を築いた、通産省の官僚たちの仕事ぶりを描いた熱いドラマなのだが、内容はいいのに放送された時期が悪かったよね、と夫。
(実力派キャストなのに、イマイチ人気沸騰とまではならなかったのは、ちょうど官僚批判が渦巻いている頃に放送されたからでしょうか)

わたしも二度ほど一緒に観ましたが、登場人物それぞれに言い分があって、なかなか深いですよね。
風越は頑固一徹。己が信じた道を行き、権力者の前でもブレない男。まあ、日本経済以外のことは見えてないのだけど、通産省の官僚なのだから、常に企業や国民の経済的視点からものを考えるのが筋っていえば、筋。(演じているのが佐藤浩市だから、設定より二割増し格好良く見えるところもあり…)
玉木は、バランス感覚があり、国際的な視野も持つ、風越の良きライバル…かと思うのですが、やたらと出世にこだわったり、自ら公害問題を取り上げておきながら、途中で別の仕事に色気を出したりといった、セコいところもあり、人間的ではあるけれどちょっとカッコ悪いなあ、という印象だったのでした。通産省を退職してからのほうが、ギスギスしたところが薄れて好きになれた。
庭野は風越派で、真っ直ぐで志が高くて、日本の産業のために本気で頑張る、まさしく“公僕”と言える人なのだけど、残念ながら主流にはなり得ないタイプで、誰よりも報われないことが多すぎるので、なんとなく同情してしまうのだった。(観るたび『でも庭野の人生も充実していたよね?出世なんかより、人の評価より、精一杯日本のためを思って、尊敬できる上司の元で、仕事に打ち込んできたのだものね?』と、夫に言ってしまうわたし)
鮎川は誠実で心配りができて、国民に対する傲慢さがない故に苦労が多い人だった。(中小企業の経営者などに共感して親身になれば、彼らを守れなかった時の心の痛みもまた深い訳で…)風越を傍らでしっかと支えて、見せ場はちゃんとあるという、美味しい役柄でもあった。
片山は、仕事はできるがクールで斜に構えていて、玉木にだけ懐いている感じ。(なんか特命で夜は大活躍して悪党と戦ってそう、と言ったら、夫に笑われた)例の「庭野に負けて次官になれないなど耐えられない!」発言はセコかったが、反骨精神が根底にある人で、徐々に可愛げが分かるようになってきたかも。
牧は唯一、最後まで悪役のまんまだったなあ。裏切ったり、上に媚びたり、裏工作したり、権力を振りかざしたり。そういったことをしている背景にポリシーが感じられないところが、やっぱりカッコ悪いのだった。何をしても、毅然として信じる道を進んでいるのだったら人間的魅力を感じるのだろうけれど、あいつの行動原理は「出世」と「保身」ばかりだからなあ。一番姑息なんだよなあ。(ちなみに演じている杉本哲太は、我が家では『みかん』の人と呼ばれています。それは「モナリザの微笑」に出演した時に、主人公に贋作を暴かれて画家生命を失い、自暴自棄の生活を送るうちに妻が自殺してしまい、逆恨みで主人公への復讐を誓う、という役をやったからです。その画家は、当たり散らす時に、何故かみかんをポンポン投げつけて妻を泣かせていたのでした)

「官僚たちの夏」は名ゼリフも多く、夫が特に気に入っているのが、庭野が牧に言った「あなたは権力がないと仕事ができないのか!!」です。
(すみません、携帯投稿なので、セリフは確かめられず、全部うろ覚えですけど。大体そんな感じで)
片山が牧に言った「わたしは、あなたや須藤総理のように、アメリカに国を売ったりはしない!」は、わたしも好き。
(誰しも、牧のような上司には言ってやりたいことがあるので、いいぞいいぞと思っちゃうのかもしれない。現実に部下からそんな直言があれば、さすがに牧的人物であっても落ち込むのだろうけど…。いや、それでも一向にしおれないのが官僚なのか?)

あと、ナレーションの安住さんが一生懸命シリアスな声を出しているところと、エンディングのコブクロの歌なども聞きどころ。


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…それにしても、近頃のわたしは、夫の趣味に影響されすぎなような気がする。事故以来、体が重くてゴロゴロしてばかりで、自分の趣味を封印したまま、過ごしているからなあ。夫が繰り返し観ているものから学習しているんだろうなあ。門前の小僧、なんとやらだ。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
☆ももよさんへ☆ (桜雪)
2011-01-13 13:40:37
BS系や深夜には、DVD化していないマニアックな映画も放送したりするので、ありがたいですよね!わたしも、つい録画予約しちゃいます。お気に入りを何度も観ちゃうの、分かりますよ~。
日本映画は、昨年が当たり年でしたね。今年は三谷幸喜監督の新作が楽しみです。

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Unknown (ももよ)
2011-01-12 10:00:45
アラン・ドロンは祖母が好きだった影響(若かりし頃は日本のマダムに絶大な人気だったとか)で、私も大好きになりました。高貴な美形なのに、貧乏人とかスリとか空き巣役がハマリ役だと思います。アメリカ映画も見ます。カサブランカなど、昔の洋画がやっていると録画しちゃいます。何度も見てるのに。でも、いい映画は本当にいいですね。今は日本映画の方が見る比率が多くなりました。
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☆ももよさんへ☆ (桜雪)
2011-01-12 09:15:55
あ、もしかしてBS系で放送していた映画じゃないですか?
本当にちらっとだけ、見たような気がします。
(うちでは、夫がチャンネル権を持っているので…)
ももよさん、もしかしてアラン・ドロンがお好きですか?うっとりするほど美形ですよね~。
わたしは昔のハリウッド映画が好きで、特にオードリー・ヘップバーンの作品は繰り返し観ています。
今より技術が遅れているはずの昔の映画のほうが、観ていて面白い気がするのは…何故でしょうね。個人的には、3D映画とか全く食指が動きません…。
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Unknown (ももよ)
2011-01-11 10:23:49
編み物も好きですが、映画(特に仏や伊)も好きで、モノクロ時代の古い作品も見ます。先週の土曜日NHKで「若者のすべて」ですが、三時間と長編にも関わらず惹きこまれました。お薦めです。
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☆トナカイさんへ☆ (桜雪)
2010-10-25 11:46:20
ドラマ版の「官僚たちの夏」は、原作よりも、もっと現代人向けに作られているみたいです。
どの業界でも共感できるような名台詞があるので、機会があったら観てみてくださいね♪
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城山三郎 (トナカイ)
2010-10-23 10:42:03
「落日燃ゆ」は、吉川英治賞で飛びついて買ったけど、まだ読みかけ。
官僚たちの夏は難しそう。
でも、政治の話の割に親しみやすい気がする。
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お返事遅くなりました。 (桜雪)
2010-09-12 07:12:30
事故の後遺症、治ったような、ふとした拍子で戻ってしまうような、波がある状態がずっと続いていました…。
9月いっぱいはまだ、通院して経過を見てもらうことになっていますが、鎮痛薬を飲む回数も減り、痛みが後を引くこともなくなりました。
もう少しみたいです!
ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
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Unknown (hamo)
2010-07-02 03:19:51
いろいろとお疲れ様でした
そろそろ変な痛みも抜けてきた頃でしょうか?

軽い運動などリハビリに励んでも良い頃合いですよ(^o^) まだ痛むようなら・・・
病院で確認した方が良いかもしれませんね
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