20150702今日の一手

AさんとYさんの対局、ひっくり返して終盤です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
先手玉のほうが堅いと言いたくなりますが、急戦型で、矢倉に入城していない、さらに言えば68角79玉くらいは指さないとだめですから、先手玉は薄いです。78金と77銀は遊んでいます。
後手玉は居玉ですが、41金61金がついていますから、後手玉のほうが堅いのです。
先手の攻め駒は28飛だけ。
後手の攻め駒は52飛66銀35銀で3枚。33桂や22角が働き出せば十分な戦力ですが。
総合すれば後手が指せるのではないか、という局面です。先手の手番ですから、とにかく後手の攻めを受け止めたいところです。
この後手の戦法は児玉先生(といっても若者は知らないかもしれません)が得意にしていたカニカニ銀です。私は本で読んだことはあるのですが、指したことも実戦を見た記憶もありません。Yさんは手将棋が好きで、矢倉の大家のAさんへの秘策だとか。
では、手を考えましょう。さすがに54歩とか65銀とか57歩とか58飛とか考えた人はいないでしょうから2択です。
○ 55同銀と素直に応じます。

55同飛56歩52飛ですね。

ここで47銀と投入すれば

これで後手から手がありません。13角は15歩ですし、36歩とされると銀が引くしかありません。36歩は早く決めると55歩同歩同飛56歩25飛という変化があるので注意しておきます。
通常は、受けていたとしても銀交換して先に受けの銀を投入するのは損なのですが、受けきっているのなら問題ありません。問題図ではまだ後手の攻め駒が足りない(配置についていない)ので成立しました。
47銀ではなく、68角として47銀57銀と打ちあっても

これでも後手からの継続手が難しそうです。先手は88玉と入れば勝ちやすいです。後手玉はこれ以上固めようがないので持久戦になっては失敗です。
後手は問題図の33桂ではなく13角が正しいのでしょう。駒組み手順でそれが実現できるかどうかです。
×本譜は47銀でした。

自然なようですが、13角と使われて後手の戦力が上がります。56歩に46銀右

46銀右は小ミスで、左なら取る一手だと思いますが、38銀と引かれて、45桂にも68金寄です。

これで攻めが止まったように見えます。先手が歩切れなので55歩か44銀かで、まだ後手がいいとは思うのですが。
戻って、本譜は46同銀同銀と進みました。

ここで24銀は57歩。

また、15歩も57歩です。

どちらも58銀と打たれる手や47銀成と溜める手があり、差が広がります。
本譜は24歩。

これも手筋です。24同角に46角の荒サバキです。

44同角23飛成45桂68銀57歩となって後手が優勢です。

荒サバキ、つまり駒損でも大駒を活躍させるというのは、自玉が堅い時に有効なことはあるのですが、本譜の先手玉は囲いの外です。
この後は今日の一手につながります。

AさんとYさんの対局、ひっくり返して終盤です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
先手玉のほうが堅いと言いたくなりますが、急戦型で、矢倉に入城していない、さらに言えば68角79玉くらいは指さないとだめですから、先手玉は薄いです。78金と77銀は遊んでいます。
後手玉は居玉ですが、41金61金がついていますから、後手玉のほうが堅いのです。
先手の攻め駒は28飛だけ。
後手の攻め駒は52飛66銀35銀で3枚。33桂や22角が働き出せば十分な戦力ですが。
総合すれば後手が指せるのではないか、という局面です。先手の手番ですから、とにかく後手の攻めを受け止めたいところです。
この後手の戦法は児玉先生(といっても若者は知らないかもしれません)が得意にしていたカニカニ銀です。私は本で読んだことはあるのですが、指したことも実戦を見た記憶もありません。Yさんは手将棋が好きで、矢倉の大家のAさんへの秘策だとか。
では、手を考えましょう。さすがに54歩とか65銀とか57歩とか58飛とか考えた人はいないでしょうから2択です。
○ 55同銀と素直に応じます。

55同飛56歩52飛ですね。

ここで47銀と投入すれば

これで後手から手がありません。13角は15歩ですし、36歩とされると銀が引くしかありません。36歩は早く決めると55歩同歩同飛56歩25飛という変化があるので注意しておきます。
通常は、受けていたとしても銀交換して先に受けの銀を投入するのは損なのですが、受けきっているのなら問題ありません。問題図ではまだ後手の攻め駒が足りない(配置についていない)ので成立しました。
47銀ではなく、68角として47銀57銀と打ちあっても

これでも後手からの継続手が難しそうです。先手は88玉と入れば勝ちやすいです。後手玉はこれ以上固めようがないので持久戦になっては失敗です。
後手は問題図の33桂ではなく13角が正しいのでしょう。駒組み手順でそれが実現できるかどうかです。
×本譜は47銀でした。

自然なようですが、13角と使われて後手の戦力が上がります。56歩に46銀右

46銀右は小ミスで、左なら取る一手だと思いますが、38銀と引かれて、45桂にも68金寄です。

これで攻めが止まったように見えます。先手が歩切れなので55歩か44銀かで、まだ後手がいいとは思うのですが。
戻って、本譜は46同銀同銀と進みました。

ここで24銀は57歩。

また、15歩も57歩です。

どちらも58銀と打たれる手や47銀成と溜める手があり、差が広がります。
本譜は24歩。

これも手筋です。24同角に46角の荒サバキです。

44同角23飛成45桂68銀57歩となって後手が優勢です。

荒サバキ、つまり駒損でも大駒を活躍させるというのは、自玉が堅い時に有効なことはあるのですが、本譜の先手玉は囲いの外です。
この後は今日の一手につながります。