名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20150715今日の一手<その85>攻め駒の数

2015-07-15 | 今日の一手
20150715今日の一手

先月13日の名南将棋大会からTさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。先手が桂歩歩の駒損でと金も残っています。終盤なのであまり考慮しなくてもいいのですが、長期戦にはしにくいです。
玉の堅さは22飛54角の守りを考慮して同程度。
先手の攻め駒は64角65桂持ち駒金で3枚。持ち歩が3枚あって、567筋に使えるのは心強いですが、少し戦力不足です。
後手の攻め駒は57と 持ち駒銀桂で3枚。まだ先手玉を寄せるには戦力が足りません。

総合すれば互角なのですが、57との対応で1手使えば後手の手番ということで難しい局面です。


× 実戦は57同金でした。利かされですが我慢したのです。

63銀打55角64歩と守られます。

73桂成同銀65歩52飛56歩に84桂

後手玉がしっかりしたので攻めが続きにくくなりました。以下も簡単ではないのですが後手玉が左辺(2筋方面)に逃げ出して勝ちました。

感想戦でやっていたのは63銀打に55角ではなくて73桂成と清算する順です。

ばらして65桂は気もちいいのですが

65同角同銀64歩で手が続きません。

桂馬を残して65銀ではないか、ということがその時の結論だったのですが、角が逃げずに84桂で後手が有望です。

67金右に76桂から84桂のお代わりが来るので、寄せ合いに持ち込みたいのですが、後手玉は捕まえにくいのです。


○ 57とを無視して73桂成としてみます。

ばらして65桂。

逃げるのは金銀で押さえつけて62歩という感じで寄せになります。(手順省略)


ですから65同角。

65同銀67と なら64角で

後手玉を下段に落としてから67金と手を戻して優勢です。


やはり65同角同銀64歩の変化が問題です。

ここから31角65歩64銀73金93玉22角成に

67と同金22銀82飛92金22飛成。

ここまで進めてどうにか先手が優勢です。

ここまでの図面、先手の攻め駒が4枚あることに注目してください。76銀を攻めに参加させ、1枚とられても1枚取り返します。


× 66金を見てみます。

84桂や56と ならどうにか攻めが続くのですが、本譜のように63銀と受けられると

73桂成から清算して65桂も同角同金64歩

これでうまくいきません。65桂に代えて、65銀とか65銀打も駄目です。

ほかの手、77金寄も同様です。57と には挨拶していられなかったのですね。

逆に言えば、57と は疑問手で、すぐに63銀打なら問題なかったということです。
後手玉が堅くなり、長期戦になれば駒得が効いてきます。
先手は一瞬のチャンスを生かせませんでした。


攻め駒の数に注意して寄せてください。4枚の攻めは切れません。
これは将棋の経験則ですが、なぜかそうなんですねえ。不思議です。その時に、歩が参加できるとよりスムーズに攻められます。と金を作ったり、重要な歩の拠点があれば、1枚分は攻め駒に数えてもいいです。中盤戦から寄せで持ち歩があるように注意して進めたいものです。


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入玉大作戦

2015-07-15 | 将棋本 断捨離
入玉大作戦―逃げるが勝ち!
週刊将棋編集1996年出版です。希少本ですか、高値がついていますね。定価1200円くらいでどうですか。

入玉将棋が多い方は読んでおくほうがよいかと。こればっかり研究すると普通の将棋が弱くなる気がしますが。対抗型ではあまりないのですが、相居飛車なら知っておくと便利かと。
大会を運営する側からいえば、これで入玉が増えると困りますが。
コメント (2)
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