名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20150727今日の一手<その97>持ち駒を考える

2015-07-27 | 今日の一手
20150727今日の一手

11日の名南将棋大会からIさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手、できればこの後の展開を考えてください。











昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉は先手のほうが堅いです。後手の美濃囲いは横からの攻めには強いのですが、この局面は上から攻められそうです。
先手の攻め駒は45銀66角持ち駒桂で3枚。89飛もすぐに働きそうですし、香車も交換できますから戦力としては十分です。
後手の攻め駒は16香と持ち駒桂。11飛は使えそうですが、まだ戦力は足りません。

総合すれば先手が優勢。

角交換振り飛車から序盤で66角64角と角を打ち合っての駒組みで、先手は玉頭位取りから地下鉄飛車を間に合わせました。先手の作戦勝ちです。
後手の飛車が端を狙って11に転回したのを45桂同桂同銀と交換して戦機をとらえ、後手は16香(12から)と反撃したところです。

さて、戦力も十分なので、どうやって攻めるかを考えます。互いの持ち駒に注目です。
後手玉を攻略するにはどういう持ち駒がいいか、その時にどんな反撃があるか後手の持ち駒も考えます。


× 実戦は74歩でした。(全部見ていないので手順が違ったらごめんなさい)

74同歩84歩同歩16香同飛44銀同歩と突き捨てや駒交換をすべてこなしてから85歩の継歩。

しかし85同歩同銀86歩が返し技。

これが厄介です。86同飛は65歩ですから、74歩の突き捨てはやりすぎたかなあ、と反省している局面です(多分)。
84香83香同香成同銀84歩に87銀で止められてしまいました。

地下鉄飛車はこういう反動があります。気を付けないといい将棋が台無しになります。


× うまくいかないほうから書いておきます。54銀です。

角を逃げてくれればいいのですが、19香成53銀成同金

2枚替えで角を取りましたがうまい使い道がありません。これは失敗。


○ 16香と取ります。香車は玉頭攻めには強力な攻め駒になりますから。

ここで44銀と取りたくなります。

同角同角同歩に87香

18飛成に84歩同歩85歩同歩

ここでなにか83歩とか84歩とかやりたいですが歩切れ。85同銀しかなく、83歩には84歩と合わせます。(これしかない)

84同歩同銀に88歩が返し技。

88同飛76桂で

これは先手がまずそうです。
(注:問題図で44銀は同歩16香からこの変化で角を交換していないパターンになりそう。同じような手順でうまくいきません。)

戻って、44銀ではなく54銀が正しいです。

これで持ち歩が2枚になりました。
18飛成53銀成同銀87香に45桂。

84歩85歩同歩に83歩とたたけるようになったのですが、83同銀85銀に57歩が反撃。
(あとで同じような変化が出てくるのでここはさっと飛ばして図面だけ見てもらえばいいです。)

57同金直同桂成同角54香と5筋を攻められて

74銀84歩同香同銀同飛72玉

83飛成62玉81飛成72銀

こういう感じで、以下は73銀成から74歩も厳しいので先手がいいのですが、先手玉も薄いので後手も紛れがあります。
先手はもらった角を使っていませんね。攻め急いでしまったのです。後手の持ち駒が増えると反撃が強くなります。

戻って、18飛成には角を取らずに87香が正しい手です。

この図なら45桂は49桂から46歩でもいいので、打ちにくいでしょう。42角が普通です。

これで84歩同歩85歩同歩83歩。

83歩では84歩もありますが、後手から86桂もあるのでこっちのほうが厳しいです。

83同銀85銀に53歩くらいですが、74銀。

84歩同香同飛で

54銀がまだ残っているので受けがありません。

細かい違いで分かりにくいかもしれません。後手の18飛成は攻めの手で、角を取ってくれれば攻め合いで勝負できるのですが、取ってもらえないなら受けたほうがいいのです。
18飛成ではなく42角です。

角は62より42のほうが後手玉が狭くなりません。
ここでは46歩が落ち着いた手で、

53歩と殺されるのを防いでおいて、87香からの玉頭攻めが回れば勝ちです。

46歩では87香53歩84歩と攻めを急ぐのもあります。

84同歩85歩同歩83歩。攻め方は同じ手順ですね。

83同銀85銀54歩(これで銀を取られた)74銀

84歩同香同飛72玉(71玉は63銀打で寄り)

83飛成62玉81竜72銀

これには73銀成同玉74歩が厳しいです。

74同玉は83銀同銀61竜、63玉は61竜で詰み。62玉に73銀(あるいは84角でも)

後手玉はこの手順で、54銀がいなくても寄ります。

問題図では先手が優勢ですから、87香から84歩同歩85歩同歩83歩という順が見えれば勝てます。
その時には先手の持ち駒は香歩歩が必要です。


この攻め筋は76銀が移動するので76の空間に桂馬を打たれるかもしれません。
(だから83歩でスピードアップさせます。)
85に後手の歩があるときは86桂とか86香で89飛の利きが止まります。
(だから87香を打ってから攻めます。)
実戦の手順で74歩を突き捨てたので86に歩を垂らされるとか、9筋を攻めると89飛に当たりやすく反動がきついとか、注意することは多いです。できるだけ後手に持ち駒を渡さないことです。









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