名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

コーヤン流三間飛車の極意 急戦編 ほか

2015-07-21 | 将棋本 断捨離
コーヤン流三間飛車の極意 急戦編 (プロの将棋シリーズ)
中田功先生の本です。2003年出版。

この少しあとに東大将棋のシリーズで取り上げられて、そのほうが詳しいのですが読みにくいです。中田功先生は三間飛車のスペシャリストですから振り飛車側もち。
私は三間飛車が苦手で、急戦も何度か試みましたがうまくいきませんでした。急戦の定跡としてはこのころ以降はプロで指されていないので(というか普通の三間飛車自体指されなくなったので)定跡が止まっています。
三間飛車を指す人にとっては必要な本です。



三間飛車道場〈第3巻〉急戦 (東大将棋ブックス)
こっちも一緒に書いておきます。所司先生の本で2004年出版。
詳しいけれど読みにくい本、立場は中立。

どっちを買えばいいのか?は使い方次第です。定跡を調べたいときには東大将棋。並べて覚えたいならコーヤン流です。
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20150721今日の一手<その91>控えの桂

2015-07-21 | 今日の一手
20150721今日の一手

NさんとTさんの対局終盤です。形勢判断と次の一手を考えてください。













昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得は、桂馬と歩の交換で先手が得です。でも25桂は取られることになります。
玉は先手のほうが堅いです。でも端から攻められると穴熊も弱いので割り引いてみたほうがいいです。
先手の攻め駒は持ち駒桂で1枚。あとは58飛や68角や46銀を使うことを考えます。
後手の攻め駒は今のところはなし。25桂を取り切ってから端を狙いたいです。

総合すれば先手が指しやすい局面です。

問題図の少し前、後手は先手の飛車が移動したので25の歩を25桂と取って

25同桂に24歩としました。
部分的には手筋です。桂馬と歩をもって端を攻めたいというのはわかります。でもこの風車というか角交換していない右玉では、左桂の交換は損になることが多い気がします。居飛車側の攻撃力が上がるからです。
端を攻めるなら、桂馬を交換する前に61玉から52玉としたいところか、と思います。


○ 実戦は55歩でした。

55同歩に同銀や同飛ではありません。67桂が控えの桂という手筋ですね。

52銀右では55銀で中央を制圧されますから、銀桂交換しかありません。
25歩55桂54歩63桂成同金までは進むでしょう。

この局面が問題で、実戦は35歩同歩同銀に84桂46銀75歩と進んで激戦になりました。でも75歩では95歩で後手が指せたようにも思えます。

手の見える方なら55歩同歩75歩同歩55銀54歩74歩・・・と攻めるのが見えるかもしれませんが、それは案外うまくいきません。

賢い指し方は55歩同歩同飛54歩25飛。

ここで後手も84桂が控えの桂ですが、23歩と垂らします。

これで21歩と受けるしかなさそうで、後手を歩切れにすることで端攻めを緩和するのです。
そのあとは57銀と引いて、56銀から46角と形を整えます。この場合は後手から攻めてもらった方がカウンターが強くなって勝ちやすいのです。
57銀に96桂と攻められたら

79銀86歩同金

95歩97歩85歩95金です。



× ほかの手を見てみます。29飛は21飛で駄目です。

21飛がないのなら、25歩同飛で駒の損得なし、交換は先手が得をした、ということになるのですが。


× 35歩もありそうですが、

45歩同銀35歩の銀ばさみがあります。

55歩同歩67桂に44歩。

55桂45歩63桂成同金です。

後手陣の厚いところを攻めるのでうまくいきません。


× 手順前後で先に67桂ならどうでしょうか。

25歩55歩42角です。同じ局面にはなりません。

54歩同銀左55銀に43銀

ここから54歩と押さえるくらいですが、53歩と合わせていくこともできるし、84桂も相当です。


控えの桂の手筋は、先にはねたいところを突き捨ててから打つ場合とつき捨てないほうがいい場合があります。多分自分で比較してみるしかありません。





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